今年の干支「ヘビ」のイメージは良い?悪い?
『つボイノリオの聞けば聞くほど』(CBCラジオ)の年始の放送では毎年恒例ですが、干支にちなんだ動物についてのあれこれを紹介しています。2025年は巳年、つまり干支はヘビ。1月7日の放送では小高直子アナウンサーが、日本におけるヘビについてのさまざまな情報を伝えました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴くマイナスイメージが多いヘビ
現存する日本最古の書物とされる古事記にはヤマタノオロチ伝説が書かれており、古くから日本人にはなじみのあるヘビ。
紀元前1万年前ともいわれる縄文時代の遺跡からは、ヘビを模したような模様の土器が見つかっていることから、日本でも古くからヘビへの畏敬の念があるといわれています。
体長は大きなものだと3mほどあるため威圧的、毒を持つ種類があるので危険、獲物に忍び寄って巻きついて締めたり、ひと噛みして丸飲みしたりという捕食行動で怖い、眼が開きっぱなしで表情が乏しく見えて何を考えているのかわからない見た目など、とかくマイナスのイメージが多く持たれています。
金運をもたらすイメージも
世界各国では神、もしくは匹敵するものとして最も多いのはヘビともいわれています。
その理由としては、ヘビの棲むところには水があり、適度な湿気や温度と環境が整った所を好む傾向にあるため、農作物がよく育つ条件と合致していることが挙げられます。
それゆえ古代人にとっては水の神様、五穀豊穣の神様としてのイメージが定着しやすかったのではないかといわれています。
他には稲作が発展してくると、害獣であるネズミを駆除してくれる点でありがたい存在となったことも考えられます。
そのため、家や蔵にヘビが住みつくとその家が栄える、財力が上がるといった縁起担ぎのイメージが持たれるようになりました。
特に山口県岩国市では、アオダイショウの特別変異である白いヘビが生まれることで知られています。
色素を持たないアルビノが遺伝として固定しているそうで、世界的にも珍しく、性格が穏やかで姿も美しいことから神格化されるようになっています。
岩国シロヘビの館の公式サイトによると、大名の蔵屋敷に2頭のシロヘビが住みつきありがたいといった記述が江戸時代の書物に残っていて、この地域の人々がシロヘビを大切にしてきたことが伺えます。
弁財天の遣いとしても有名
またヘビの抜け殻はラッキーアイテムとして使われることもあります。
財布に入れておくと金運や成績がアップする、仕事や子宝に恵まれるなどといわれています。
仏教の古い経典ではヘビの脱皮が例えに使われ、執着してはいけない、常に自分自身の心を新しくしていこうという意味合いで、ブッダの言葉としてお経の一節となっています。
仏教が伝来すると、七福神の紅一点である弁財天の遣いとしてシロヘビが崇拝されるようになりました。
弁財天はインドのヒンドゥー教におけるサラスヴァティという女神様が起源で、古代インドにあった美しい川の神様といわれています。
弁財天を祀る日本三代弁財天としては、江島神社(神奈川県)、竹生島神社(滋賀県)、厳島神社(広島県)が挙げられますが、東海地方で弁財天を祀っているところとしては、愛知県蒲郡市の竹島にある八百富神社がパワースポットとして知られています。
今年の干支であるヘビ、こうしたエピソードも頭に入れてあらためて見直してみるのもおすすめです。
(岡本)