2025年の政治経済、キーワードは、ズバリ「トランプ政権」
アメリカでは1月20日、ドナルド・トランプ氏が大統領に就任し、第二次トランプ政権が誕生しますが、日本や世界にどのような影響を与えるのでしょうか?4日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが第二次トランプ政権誕生の影響について解説します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く物価高が進む?
大石「2025年は、トランプ大統領が世界に及ぼす影響。ここが世界的なニュースの焦点だと思うんですよね」
昔から「アメリカがくしゃみをすると、日本経済が風邪をひく」と言われるほど密接に関わる両国。
ところが「今回は風邪だけでは済まないんじゃないか」と大石。具体的にどんなことが起こり得るのでしょうか?
まず大石が挙げたのは、新政権誕生によって円安に振れる可能性。昨年の選挙期間中も円安に動きました。
大石「そうなると、物価高に拍車がかかってしまいますよね。何でも輸入品に頼ってますから。もう一段、物価高が進む可能性があります」
円安はもちろん悪いことばかりではなく、自動車関連などの輸出産業にはプラスになります。したがって、春闘で賃上げが進む可能性も十分あります。
「止まらない物価上昇に賃金上昇が追いついてほしい」と大石。
一方懸念されているのは関税の上昇。輸出産業にとって海外の売上は厳しくなりそうです。
駆け引きに長け、交渉上手な一面も
もうひとつの懸念は外交面の不安。
第一次政権時に故・安倍晋三さんとファーストネームで呼び合ったトランプ大統領、今回の当選後には昭恵夫人といち早く会食するなど、親密な関係を続けています。
その一方、石破首相はトランプ氏とのパイプについては微妙。
大石「大丈夫かなってところありますよね」
そんな中で大石が期待を寄せるのは、先月トランプ氏と会見したソフトバンクの孫正義氏。
トランプ氏が「マサ」とファーストネームで呼ぶ場面がありました。
孫氏の「1000億ドルをアメリカに投資する」との発言を受け、「1000億ドルとは言わず、2000億ドルの投資でもいいよ」とトランプ氏が吹っ掛ける場面も。
大石「あの辺が駆け引きなんですよね。記者会見の場で言われると、孫さんとしては『1000億ドルじゃダメなのか』と思ったと思うんですよ」
ビジネスマン出身だけに、交渉の場では手腕を発揮するトランプ氏。
大石「冗談めいて言いながら、イニシアチブを取っていく。ディール上手、交渉上手だなと思わされました」
世界を覆う分断の歯止めとなるか?
近づく20日の大統領就任ですが、石破首相は就任前に会えるのでしょうか?
会えることになれば、今後の関係性も良好かもしれませんが、もし会えないのであれば、交渉が頓挫したということで今後の関係性がやや不安、とみる大石。
一方大石が注目しているのは、トランプ新政権で厚生長官となるロバート・ケネディ・ジュニア氏。
ジョン・F・ケネディ元大統領の甥にあたり、コロナワクチンについて徹底的に調査すると語っています。
大石「アメリカ政府が調査したときに、(健康被害との)因果関係はどうなのか。わかってくるかもしれない。どういった調査を行い、どんな結果が出るのか?」
結果次第では日本の厚生労働省や、アメリカの保険行政にも影響を与えかねないと大石。
年明けてなお、世界は分断が続いています。
トランプ政権の再来は日本にどのような影響を与えるのでしょうか?
また、長引く戦争は集結するのでしょうか?
今年はそのあたりに注目していきたい、と抱負を述べる大石でした。
(nachtm)