ただの乗り換え駅から脱却?名古屋・金山エリアの再開発
名古屋市で最も乗降客数の多い駅は名古屋駅ですが、2番目に多いのは金山駅です。JR東海、名古屋鉄道、名古屋市交通局と3つの鉄道事業者が乗り入れていることから「金山総合駅」と呼ばれていますが、この周辺が大きく変わろうとしています。12月11日放送『CBCラジオ #プラス!』では、金山駅周辺の再開発についてジャーナリストの北辻利寿さんが解説しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。
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名古屋市は老朽化が進むNiterra日本特殊陶業市民会館の建て替えと、複合商業施設アスナル金山の再整備を含めた金山駅周辺まちづくり計画案をまとめました。
名古屋駅や栄に人の流れが集中する名古屋市中心部ですが、金山地区を第3の街として再開発するということです。
かつては各線でバラバラの場所に駅がありましたが、それをひとつに集約したのが現在の金山総合駅で、1990年(平成2年)に誕生。
南側にはホテルや金山南ビルが完成し、北側は2005年(平成17年)にアスナル金山が完成しました。
現在、利用客が1日約48万人もいる巨大駅となっていますが、なぜ再開発する必要があるのでしょうか?
再開発が必要な理由
理由のひとつは、人の賑わいがアスナル金山だけに留まってしまい、乗り換えるだけの駅になってしまっているということ。
アスナル金山は名古屋市が持っていた土地を公益財団法人名古屋まちづくり公社が借りて運営する複合商業施設ですが、4年後に借り受け期限を迎えます。
さらにNiterra日本特殊陶業市民会館は開館から52年経っており、エリアの再開発に至ったようです。
再開発のコンセプトは「人・文化・芸術とともに育つまち」と発表されています。
名駅や栄と違う特色として「文化・芸術」を打ち出していて、市民会館にはコンサートなどを開く大ホールと中ホール、名古屋フィルハーモニー交響楽団の拠点である音楽プラザがあります。
また、金山南ビルにはかつて名古屋ボストン美術館のあった美術館棟があり、今でもさまざまな展示が行なわれています。
どのように生まれ変わる?
再開発の主役はアスナル金山で、現在の3階建てから高層建築に建て替え、ホテルやオフィスを誘致する計画です。
さらに市民会館とは別の新たなホールをアスナル金山内に作ろうとしています。
また、アスナル金山の北側に金山総合ビルという建物がありますが、名古屋市が土地を取得し、ここを広場にして、そこで野外コンサートなども開催できる広いスペースを確保するとのことです。
北辻さんは「とにかく駅から周辺のエリアに人をあふれさせたいという計画です」とまとめました。
計画は2030年に決定し、建設は2032年に開始と、まだまだ先の話ですが、課題としてはリニア中央新幹線の開業が遅れていること。
名駅エリアの整備に遅れが出れば、金山エリアの計画も後ろ倒しになる可能性があります。
現在は乗り換えの場とっている金山エリアに、いかに人を集めることができるか、今後に注目です。
(岡本)