MEIKO20周年記念楽曲「げんてん」の作者・大漠波新、楽曲制作を語る
2004年11月5日、クリプトン・フューチャー・メディアから世界初の日本語対応バーチャルシンガーとして発売されたMEIKO。誕生20年を迎え、記念楽曲「げんてん」を描き下ろしたのが、ボカロPの大漠波新(だいばくはしん)さん。11月10日放送のCBCラジオ『RADIO MIKU』では、大漠波新をゲストに迎え、パーソナリティの清水藍が「げんてん」制作秘話などを尋ねました。
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大漠波新さんは2021年1月にデビューした新進気鋭のボカロP。メッセージ性の強い歌詞や印象的な調声、ノリのいいアレンジでファンを増やしています。
今年2月には「ボカコレ2024冬」で「わかれみち」がTOP100で6位を獲得、さらに代表曲「あいのうた」がスマホゲーム「プロセカ」に実装されるなど、着実にキャリアを積み上げています。
清水とは初めてのインタビューとなりますが、番組では今年3月に「わかれみち」を紹介したり、清水が出演している配信番組『プロセカ放送局』で清水が楽曲を紹介するなど、何かと縁があります。
まずはボカロとの出会いについて尋ねる清水、
大漠波新「中3の時にニコニコ動画で流れてきたものを初めて見たのがきっかけです」
ボカロを聴き始めた当時は、周りにひた隠しにしていたそう。
以後、ボカロを多く聴く時期もあれば他のジャンルを聴く時期もあったものの、ボカロから離れることはなかったとのこと。
影響を受けた楽曲として、2017年に公開された「砂の惑星」(ハチ feat. 初音ミク)を挙げました。
楽器経験がない
聴き手から作り手へと変わったきっかけは何でしょう?
大漠波新「2020年頃かな、ヒップホップが好きでヒップホップの方面で作ってみようかなと思って、パソコンソフトや機材を買ったところから始まりました。楽器経験はそれまで全くなかったですね」
清水「じゃあ、いま楽曲をどうやって作ってるんですか?」
大漠波新さん曰く「楽器ができなくてもソフトウエアの使い方さえわかれば、楽曲は作れる」とのこと。
曲作りでのこだわりは、最初に歌詞とメロディを全て書き切ってからアレンジを肉付けしていくそう。
他の方法ではもはや作りづらいと感じており、この手法が自分なりのこだわりとのことでした。
作り手と聴き手の立場の違い
最近のボカロ曲を聴くかどうか質問してみると「作り手の立場とリスナーの立場を完全に分けている」とのこと。
大漠波新「制作者の立場としては、こういうものが好き、こうしていきたいという芯をしっかり持った上で。聴き手としてはフラットな視点で楽しくたくさん聴くことを意識しています」
ボカロ文化については、他のジャンルと異なり「みんな違っていい」という世界観を体現している場所ではないかと話します。
その後も、同じボーカロイドを使っているのに違って聴こえる印象の違いの秘密、MEIKO20周年にあわせて描き下ろした「げんてん」を制作した際の裏話など、ここでしか聴けない話など、濃厚な時間となりました。
(葉月智世)