クビなのになぜ?衆議院解散で「万歳」をする理由
10月9日に開催された衆議院本会議で、石破茂内閣が衆議院を解散しました。首相就任からわずか8日後、戦後最短の解散です。そしてこれは、衆院選の事実上のスタートでもあります。10月10日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、今回の衆議院解散について、パーソナリティの永岡歩アナウンサーとCBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。こちらでは、解散の時に行なわれる「万歳三唱」の謎を取り上げます。
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額賀福志郎議長が「解散詔書」を読み上げ、衆議院の解散が宣言されましたが、野党側の議員の多くは慣例となっている万歳三唱に応じませんでした。
「これもなかなかないこと」と永岡。
永岡「一応どんな状況でもやろうっていうね」
石塚「まあ、やらないっていう議員はもちろん過去にもいますよ。『そんなことやらないよ』っていう。でもなんとなくあれも慣例で、与党も野党も一応多くの議員は『万歳』って言うっていうか」
小学生の頃、解散の様子を見ていた永岡は「全く意味がわからなかった」と言います。
永岡「『今日から仕事がなくなるのに、何を喜んでるのかな?この人たち』って思ったけど」
万歳ブームだった?
衆院解散時の「万歳」は、選挙前の勢いづけのため、士気を鼓舞するためなど諸説あるようです。
この万歳についていろいろ調べたことがあるという石塚によると、「一番最初の万歳」の記録は明治時代。
石塚「帝国議会時代、衆議院を解散する時に『萬歳ト呼フ者アリ』っていう記録が残ってるんですよ」
これは1897(明治30)年のこと。
石塚「日清戦争に勝った後ぐらいなんですよ。それで当時は『万歳ブーム』。漫才ブームじゃないよ(笑)。万歳ブームだったっていうと、なんとなく腹に落ちる」
当時の議員さんは、流行に乗って「万歳」と言ってみた、ということなのかもしれません。
これも所説のひとつです。
語り継がれる「フライング万歳」
本会議では、額賀議長が解散詔書の読み上げ中に数秒間沈黙したことで万歳のタイミングがずれるというハプニングも起こりました。
永岡「与党議員も『んんん、どこ?ここか?』って」
石塚「あれわかんなかったよね。野党はやる気ないし。バラバラ」
過去にはこんなことも。
2014年(平成26年)11月の衆院解散では、当時の伊吹文明議長が解散詔書を読み上げている途中に誰かが「万歳!」とフライングし、引っ張られた会場では「万歳」がパラパラ。
一旦その場が落ち着いた後、伊吹議長は残りの部分を読み上げ「万歳はここでやってください」とタイミングを指導しました。
これはメディアでたびたび取り上げられる珍場面です。
永岡「(笑)むしろね、やる気の方はいいけど、なんかダラダラダラってなっちゃうっていうのは、この後の選挙戦を占うようで」
万歳のダラダラ感に引っ張られない、キビキビとした衆議院選挙を期待します。
(minto)