新紙幣発行でキャッシュレス化が進む?
2024年7月3日から新紙幣が発行されます。券売機など、紙幣を読み取る機器の更新作業が進む一方、キャッシュレスに切り替える動きも出てきています。7月1日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が新紙幣発行に伴うキャッシュレス化について解説しました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴くキャッシュレス専用機器に切り替え
財務省によると、新紙幣の発行日までに金融機関のATMなどでは9割以上の機器の更新作業などが終わる見通しとされています。
飲食店は対応がさまざまで、例えばとある飲食店は、機器の更新にはお金がかかる上に、キャッシュレスユーザーも少ないため、機器はそのまま。
新紙幣を使いたい方に対しては、お店側が新紙幣と旧紙幣を交換して、旧紙幣で券売機を利用してもらうそうです。
また、中にはこの機会にキャッシュレス専用の機器に取り替えるというお店も。
これまでは「現金だけの対応」と伝えると、「キャッシュレスができないなら帰ります」というお客さんもいたそうで、時代のニーズを考えてキャッシュレス専用に切り替えることにしたといいます。
コード決済の急速な台頭
2023年のデータでは、キャッシュレス決済額は全体の39.3%にも上っています。
政府は「2025年までにキャッシュレス決済の比率を40%にする」という目標を立てていますが、1年前倒しでの達成が現実味を帯びています。
クレジットカード、デビットカードなど、キャッシュレス決済にはいろいろありますが、ここ数年でよく目にするのは、PayPayとか楽天ペイといったコード決済です。
このコード決済、2018年の決済額と比較すると、2023年には50倍を超えています。
今回の新紙幣発行を機に、キャッシュレス化の動きも加速していくのではという一面があるようです。
キャッシュレス後進国の日本
先進国の中で、キャッシュレス化が遅れている日本。
政府目標の40%は決して高い数字ではなく、世界的に見るとキャッシュレスが6~8割という国も中にはあるため、これを増やしたいという国の意向があるのは間違いないそうです。
ただ、キャッシュレス化が進んだときに、逆に不便を感じる人はいないかという課題はあります。
光山雄一朗アナウンサーは完全キャッシュレス派で、三浦優奈は半々。
三浦は、自販機で新500円玉がいまだに使えないことで困ることもあるそうです。
新紙幣とキャッシュレス
今から約20年前に紙幣が変更になった時は、1年ぐらいかけてやっと紙幣の6割ほどが入れ替わりました。
つまり1年後にも4割は旧紙幣が残っていたということです。
当時、キャッシュレスはそれほど大きな問題ではありませんでしたが、今回は新紙幣プラス、キャッシュレス化の動きが注目されています。
石塚が若い頃は、郵便局強盗やコンビニ強盗がとても多く、その取材に何度も足を運んだ経験があるそうです。
それが今ほとんどなくなったのは、やはりキャッシュレスへの変化だといいます。
日本の治安の良さも、キャッシュレス化がなかなか進まなかった一因かもしれません。
キャッシュレス化が進むと、新紙幣の流通が減る可能性はあります。
お金の教育には現金が必要
キャッシュレス化を進める動きとして、JR東海バスは7月1日から大半の高速バスをキャッシュレス専用にする運用が行われています。
国土交通省は、路線バスの完全キャッシュレスの実現を後押しするため、今月にも規則の見直しを検討しているそうです。
光山は日本経済新聞の記事で「キャッシュレス決済が広がる中でこどもにお金の使い方をどう教えるか悩む親が増えた」という内容にはっとさせられたといいます。
キャッシュレスでは「現金のありがたみ」や「お金が減る」という実感を見て感じることができません。
お年玉やお賽銭もキャッシュレスの時代。
記事では、「お金の教育」という側面からすると、おこづかいは現金で渡して、お金のやりくりを学ぶことが大切だとあったそうです。
新紙幣発行で、日本のキャッシュレス化はどう進んでいくのでしょうか?
(minto)