10月から児童手当が拡充。恩恵を受けるのはどんな世帯?
今年の10月に児童手当の制度改正が予定されています。子育て世帯にとってはいくらもらえるのか、自分たちは対象となるのかが気になるところです。5月27日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』では、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナー、徳山誠也さんが児童手当制度の改正点について詳しく解説しました。なお、現時点ではまだ閣議決定の段階で、実際に改正内容が変更される場合がありますので、ご注意ください。
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改正における一番のポイントは支給年齢が上がることで、現在は中学卒業までが対象ですが、高校卒業までに延長されます。
支給額は今までと変わらず、第2子までが2歳までで月あたり1万5千円、高校卒業までが1万円です。
第3子以降はこれまでよりも増額され、今までは小学校卒業までは1万5千円、中学卒業までは1万円でしたが、改正後は月あたり3万円にまで引き上げられます。
ただし、第1子、第2子とカウントされるこどもは22歳の年度末、一般的には大学生までのこどものみ。
上の子が社会人になっていくと、第3子がまだ小さくても通常の金額になってしまい、つまり、年の離れた兄弟と3万円をもらえる期間は短くなることになります。
所得制限を撤廃
今までは世帯主の所得が一定額を超えると給付額が少なかったり、給付されないことがありました。しかし今回の改正では「すべてのこどもの成長を支える」という本来の主旨に照らし合わせて、所得制限は完全に撤廃されます。
そして児童手当は今まで2月、6月、10月の年3回まとめて支給されていましたが、改正後は2か月に1回、偶数月の支給になります。
今年の10月に改正される予定ですが、現在高校3年生のこどもがいる場合は、10月、11月分が12月に支給されるため、12月、2月、4月と、あと3回支給されることになります。
税金が少し上がる場合も
児童手当が拡充される一方で、実は世帯によっては税金が上がってしまう可能性があります。
今回の児童手当の拡充策の中には扶養控除の縮小も盛り込まれていて、具体的には16歳から18歳の扶養家族に対して、所得税の控除額が38万円から25万円、住民税の控除額は33万円から12万円に減少されます。
結局、高校生のいる世帯に対して児童手当を支給する代わりに、税額を増やすということになります。
また所得に応じてかけられる税金ですので、所得が多い世帯ほど影響を受けます。
徳山さんによれば、年収1千数百万円ぐらいだとトントンになってしまうそうです。
よく人口を増やすには出生率を2以上にしなければならないといわれますが、「3人以上を産んでほしい」という国の思惑が見て取れそうです。
18年間で648万円支給されるから「3人目を考えよう」とはならないでしょうが、それでもこどもが3人いる家庭にとっては朗報のようです。
(岡本)