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100年先まで安全な道路を かつてない規模の高速道路リニューアル工事

100年先まで安全な道路を かつてない規模の高速道路リニューアル工事

名古屋から三重県津市を結ぶ東名阪自動車道では、今、空前の大リニューアル工事が行われています。最新技術を投入し、従来なら3年以上かかる難工事の期間を2年に短縮。延べ13万人の作業員が関わる、かつてない規模の超巨大プロジェクトです。東海地区の物流を支える高速道路。100年先まで安全な道路を作ろうとする工事に密着しました。

経年劣化で道路はぼろぼろに

CBCテレビ:画像 『チャント!』

東名阪自動車道が開通したのは、高度成長期の真っただ中だった1970年。亀山と四日市を結ぶ21kmが始まりでした。1975年には今回の工事区間、蟹江から桑名が開通すると共に全線が4車線化。渋滞緩和に一役買いました。
開通して半世紀以上が経ち調査をしたところ、大型車両や交通量の増加により、道路そのものが経年劣化していることが分かりました。

1cm単位でアスファルトを除去

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今回のリニューアル工事は、愛知県の蟹江ICから三重県の長島ICの下り線の一部、国内で過去最長となる全長1.6kmの路面全てを取り替えるという大規模な工事です。

2022年1月14日、リニューアル工事で最初に使う機械「ロードカッター」(道路を切断する重機)が動き始めました。キリンのような長い首を持っており、車両の下側には巨大なローラー。その表面には鋭い無数の突起が付いています。
突起は「ダイヤモンドブレード」と呼ばれる路面を削り取る硬い爪。エンジンを始動すると排気量15,000ccのディーゼルエンジンが唸りをあげて、1cm単位の精度でアスファルト塗装を削り取っていきます。

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削り取ったアスファルトはベルトコンベアーで運ばれ、ダンプカーの荷台へ。ダンプ1台あたり約10分で一杯にできます。
ロードカッターは1台およそ1億円という金額ですが、削りと積み込みを同時に行う事で、作業効率が大幅アップしています。

全面通行止めにせず工事を続行

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2022年3月27日、工事に使う部材の搬入と搬出が行われました。
従来の工事では高速道路を全面通行止めにして作業を行っていましたが、今回は一部通行止めで対応できるようになりました。作業に使うのは、揚重機(ようじゅうき)と呼ばれる機械です。

高速道路の真横から最新のクレーン設備で道路上から古くなった部材をワイヤーロープで吊り上げ、高速道路の外側で待機しているトレーラーの荷台に直接運び込みます。
揚重機をフル稼働させ、搬入と搬出を同時に行うことで工期の大幅な短縮を図ることができました。

舗装下の床板、コンクリート板を全交換

道路の基礎となる床(床板・しょうばん)は、コンクリート製の分厚い板。「門型クレーン」と呼ばれる機械で運び出します。かつては工事現場で速乾性のコンクリートを打設しながら補修していましたが、いまでは取り外し可能な板状になっていて、工場で予め作ったものを埋め込んでいくだけです。

低音で水はけの良い新しい舗装を導入

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舗装技術にもあたらしい技術が取り入れられていました。 高機能舗装と言われ、水がたまりにくい構造となっている技術です。
アスファルトにスポンジの様な空間を持たせることで排水性を高め、スリップ事故を減らす狙いがあります。さらに走行音も体感で5割ほど低くなる効果があるとのこと。

最新の技術を使っている東名阪道のリニューアル工事は、2023年12月まで続く予定です。

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工事を担当している中日本高速道路の牧野副所長は 「私達はプロフェッショナルとして、ベストを尽くして良好なる社会資産として次世代に引き継げるようにしたいと思っています」
と力強く語ってくれました。

リニューアル工事は、最新技術を搭載した機械とプロフェッショナルな知識と経験を持った技術者たちの手によって支えられていました。
CBCテレビ「チャント!」4月26日の放送より。

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