「動物園検定」殿堂入りした動物知識王が語る、ツウな動物園の楽しみ方
名古屋市にある東山動植物園には、わたしたちが良く知っている動物をはじめ、マイナーな動物まで約450種が飼育されています。
動物についての知識を問う「東山動物園検定」で4年連続最高得点を獲得し殿堂入りを果たした動物知識王が、春の東山動植物園で誰もが楽しめ定番のコースはもちろん、ツウな面白さまで、とっておきの楽しみ方を取材しました。
ポイントその1:朝イチ入場のススメ
東山動植物園を知り尽くした神山拓海さんは、食品メーカーに勤務する傍らボランティアで、動物園のガイドを行うほどの動物好き。マニアックな情報まで網羅しています。
神山さんは、開園30分前の8時半には園に到着。こんなに早い時間を選んだのは、より楽しむための戦略があるためです。
神山さん「朝早い方が動物のイキイキした姿が見られたりするので、おすすめです」
入場後、朝イチでしか見られない光景がある、と急ぎ足で向かった先は、夜行性動物などに出会える自然動物館でした。
この場所を最初に選んだ理由は、普段は夜のように薄暗い館内で動物の様子がよく見えないことも多いのですが、開園直後はエサやりなどを行うため少し明るい状態で動物の表情や動きがよく見えるからです。
自然動物館の中でも、神山さんが特に見てほしいのは夜行性動物のツチブタです。
アフリカにすんでいて鼻はブタ、耳はウサギのような顔をしていますが、起源はゾウとも言われています。シロアリを食べるため、長い舌を持つことが特徴ですが生態はいまだに謎が多い動物です。
ポイントその2:活発に動く食事タイムは必見!
足早に自然動物館を後にすると、続いて向かったのはレッサーパンダ。朝はエサを食べる様子や、活発に動いている様子が見られることが多く、イチオシはお尻を振り振りして擦り付ける姿です。
神山さん「マーキングです。自分の臭いを石とか木とかにつけて縄張りを示している」
あちらこちらで縄張り宣言しているレッサーパンダの愛らしさは必見です。午前中から積極的に動き、動物の活発な姿を観察できる時間を見逃しません。
次に向かった先はコアラのいるエリアでした。
ちょうどコアラの食事を飼育員が新鮮なものに交換するタイミングで、真新しいユーカリに興奮して、匂いを嗅ぎ、食べる様子が観察できます。
コアラは1日20時間寝る動物。通常はぼーっとした様子を見る機会が多いのですが、この時間だけは活発に動くコアラを見られます。
お食事タイムを欠かさずチェックし、動物の最も魅力的なシーンを狙うのが神山流の動物園の巡り方です。
ポイントその3:敢えて近くで見られる室内で観察
神山さんが午後に向かった先は、フクロテナガザルです。名前は「ケイジ」。
おじさんのような叫び声で一躍全国区の人気となりましたが、目的は豪快な叫び声ではありません。
くつろいで休んでいる様子がしっかり見られるため、敢えて室内にいる時間帯を選びました。珍しい生物の生態を間近で見るために、タイミングを選ぶことも大切です。
神山さん「動物園を楽しむのであれば、食事の時間と自分が見たい動物を絞ってみると、より動物園を楽しめるんじゃないかな」
好きな動物を絞って、お食事タイムをチェックし、動物の最も魅力的なシーンを狙う。これが神山流の動物園の楽しみ方です。
少し視点を変えれば新しい発見がある、それこそが動物園の魅力だと話しました。
CBCテレビ「チャント!」4月4日の放送より。