パリ五輪へ男子バレーボールが熱い!実写アニメ『ミュンヘンへの道』感動の記憶

パリ五輪へ男子バレーボールが熱い!実写アニメ『ミュンヘンへの道』感動の記憶 CBCテレビ:画像『写真AC』より「男子バレーボール」

100年ぶりのパリ五輪が近づいてきた。数々の競技、そしてその代表選手らが注目を集める中、ひときわ人気が高いのが男女共に出場権を得たバレーボールだろう。特に男子はネーションズリーグの決勝でフランスに敗れたものの堂々の2位となり、パリ五輪での金メダルへの期待も高い。

覚えていますか?『ミュンヘンへの道』

日本の男子バレーボールがオリンピックで初めて金メダルを取ったのは、1972年(昭和47年)8月のミュンヘン五輪だった。松平康隆監督に率いられたチームは、決勝で東ドイツ(当時)を破って、悲願の初優勝を遂げて日本中を熱狂させた。そして、懐かしく思い出すのは、その夏に向けて放送された『ミュンヘンへの道』というテレビ番組だった。主にTBS系列の放送局によって、日曜日の午後7時半から30分間の放送だった。

画期的な実写アニメだった

『ミュンヘンへの道』は、代表選手、監督、そしてコーチら、男子バレーボールのチームに関わるひとりひとりを毎回の主役として描いたヒューマンドキュメントだった。画期的だったのは、アニメと実写を混在させた番組内容であったこと。当時これはとても斬新で、今なお記憶に鮮明である。それぞれのエピソード、例えば、エースアタッカーだった大古(おおこ)誠司さんの逆立ちトレーニングのくだりはアニメで描かれ、練習部分は実写映像だった。

金メダルへ盛り上がる日本

大古さんだけでなく、キャプテンの中村祐造さん、名セッターの猫田勝敏さん、一人時間差攻撃の森田淳悟さん、そして、南将之さんや横田忠義さんらが全員実名で登場した。それぞれの技の持ち味、努力、苦悩、そしてそれを乗り越えた感動が丁寧に描かれた。それだけに、選手たちのキャラクターは番組を観る側にしっかりと植えつけられた。オリンピック本番の時にはチーム全員がお馴染みとなり、“おらがチーム”状態になって親しみを持って応援した印象がある。まさに五輪の盛り上げと一体となったテレビ番組だった。

水泳テーマの根性ドラマ

CBCテレビ:画像『写真AC』より「競泳」

ミュンヘン五輪を意識した番組に、もうひとつ『金メダルへのターン!』があった。少女雑誌に連載されていた漫画を原作としたスポーツ根性ドラマで、水泳がテーマだった。1970年(昭和45年)夏から放送が始まった。水泳という競技の中に、様々な技が登場した。主人公である速水鮎子が生み出したのは「飛び魚ターン」。ターンの際にプールの壁を蹴って、空中に飛び出して先行する選手を一気に抜き去るというものだった。また、あるライバル選手は、時間をロスする息継ぎを一切せずにコースを泳ぎ切る「無呼吸泳法」をあみ出した。筆者は当時小学生で、スイミングクラブに通っていたこともあって、実際にプールで試した思い出がある。もちろん空中を飛べるはずはなかった。

レスリングのアニメも人気

ミュンヘン五輪に先立つ、1968年(昭和43年)開催のメキシコ五輪に向けた番組としては、テレビアニメ『アニマル1』を覚えている。アマチュアレスリング選手の中学生が主人公で、『巨人の星』で知られる川崎のぼる原作の漫画をアニメ化したものだった。その主題歌の歌詞には「がんばれアニマルワン・・・メキシコめざして」「日の丸あげるのだ」などとあって、はっきりとオリンピックが意識されていた。こうしてふり返ると、日本という国が戦後の復興から高度成長期を歩む中で、五輪という存在がそれに勢いを与えるきっかけだったことが分かる。

CBCテレビ:画像『写真AC』より「男子バレーボールのブロック」

新型コロナ禍以降で初めての開催となるパリ五輪とパラリンピック、どんなドラマが生まれるのだろうか。石川祐希選手や高橋藍選手の実写アニメ『パリへの道』的な番組も、あれば観たかったという思いもあるが、是非それは現実の“パリでの歓喜”として披露してほしいと期待が高まる。
                   
【東西南北論説風(504)  by CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※『北辻利寿のニッポン記憶遺産』
昭和、平成、令和と時代が移りゆく中で、姿を消したもの、数が少なくなったもの、形を変えたもの、でも、心に留めておきたいものを、独自の視点で「ニッポン記憶遺産」として紹介するコラムです。

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