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東京五輪チケット申し込み開始!チケット不正転売に対抗する法律の効力は?

東京五輪チケット申し込み開始!チケット不正転売に対抗する法律の効力は?
画面は東京オリンピック2020公式チケット販売サイト

東京五輪のチケット抽選申し込みが始まった。国内各地で競技スケジュール表と“にらめっこ”している沢山の人々の風景が目に浮かぶようだ。

初日からアクセス殺到

2020年7月の五輪開催に向けて、今回が最初のチケット販売である。
受付は2019年5月9日午前10時からスタートし、5月28日午後11時59分までの期間、インターネット上で行われる。大会組織委員会では「申し込み順は当落に影響はない」と説明しているが、そこははやる気持ちの問題なのだろうか。初日はアクセスが殺到して、販売サイトにつながりにくい時間が長く続いた。

どの競技?迷いに迷うエントリー

購入希望者は事前に組織委員会のホームページでID登録が必要である。その登録手続きが面倒くさいのではと一瞬ためらったが、アクセスしてみたらスムーズに進み、時間もかからなかった。しかし、どの競技に抽選エントリーしようかとこちらの方が時間もかかりそうである。
今回申し込みが可能なのは、開会式と閉会式の他、ボクシングを除く32の競技となっている。1人最大30枚まで購入できる上、第1希望30枚、第2希望30枚までエントリーできるとあって、選択に迷いが尽きない人も多いはずだ。

新しい禁止法いよいよ登場へ

抽選結果が発表されるのは6月20日だが、そのタイミングには理由がある。その1週間ほど前の6月14日に新しい法律が施行されるからだ。チケットの高額転売を防ぐためのもので、その名は「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」。実に39字に及ぶ長い名前だが、通称「チケット不正転売禁止法」は分かりやすい。
スポーツやコンサート会場周辺での、いわゆる「ダフ屋」行為については、昭和の時代からも取り締まりが行われてきた。しかし昨今インターネット上での転売取り締まりは困難を極めてきた。それを防ごうというのが今回の新しい法律である。違反すると「1年以下の懲役か100万円以下の罰金、または両方」という罰則が科せられる。

コンサート入場も一苦労

コンサートへ通う人の中には、チケットに対する規制がここ数年で一気に厳しくなったことを体感している人も多いのではないだろうか。
嵐やサザンオールスターズなど人気コンサートに行く際に経験したが、アーチストによっては申し込み段階で入場者名を登録することはもちろん、当日は会場で写真入りの身分証明書を提示しなければならない。その身分証明書もコピーは認められない。一緒に入るグループの代表者のみが提示すればいいケースもあるが、ひとりひとりが自らの身分を証明しなければならないケースも増えている。ファンにとっても主催者にとっても大変な手間と時間がかかる、その原因となっているのが高額転売問題なのだ。

転売の闇に対抗できるか

新しい「チケット不正転売禁止法」が効力を発揮するかどうかは未知数である。東京五輪の組織委員会では、チケットを購入した人が当日何らかの都合で行けなくなった時のために、チケットを適正に譲ることができる「公式リセールサイト」を設けるが、過去のオリンピックでは組織委員会を騙る偽のサイトまで登場している。それほどインターネットという世界での転売の闇は深い。
過去に「チケット完売」というスポーツイベントで観客席の一角がすっぽりと空席だった風景に出会ったが、誰かが買い占めたものの転売がうまくいかなかったものと推察した。観たい人が観たい競技やコンサートなどを適正な値段で観るという当たり前の方向に進んでくれればいいと願う。

さて直近のテーマは、東京五輪のどの競技チケットにエントリーするかである。
柔道、レスリング、水泳、体操、卓球、バドミントン、陸上、そして3大会ぶりに復活する野球・・・。迷う時間はまだまだありそうで短い。
競技スケジュール表に向き合う時間は、近づくオリンピックを実感する貴重な時間になるだろうと思うものの、さて何を選ぼうか?

【東西南北論説風(99)  by CBCテレビ論説室長・北辻利寿】

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