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和菓子とスナック菓子~美味しい味の先にある令和時代のキーワード

和菓子とスナック菓子~美味しい味の先にある令和時代のキーワード
画像『写真AC』

【CBCテレビ チャント!金曜論説室】
※6月14日放送の「チャント!~金曜論説室コーナー」に基づく原稿内容です

6月は私たちが日頃から親しんでいる“味”ゆかりの日が続きます。6月16日「和菓子の日」そして21日「スナックの日」です。

和菓子の日は誕生40年

画像『チャント!』

「和菓子の日」は、平安時代の嘉祥元年(848年)6月16日に、仁明天皇が16個のお菓子を供えて疫病除けと健康を祈願したことに由来すると言われています。全国和菓子協会によりますと、1979年に制定されてちょうど40年を迎えました。
和菓子を取り巻く最近の状況ですが、「ようかん」「まんじゅう」など和菓子全体の売り上げは微減。協会によりますと、やはり若い世代を中心に和菓子より洋菓子に人気が集まるためということですが、それでも堅実な売り上げを維持しているということです。やはり歴史と伝統の強さでしょうか。

和菓子を取り巻く甘くない現状

画像『チャント!』

和菓子業界の課題は後継者不足と言われています。和菓子製造を営む人の内、小規模事業者が95%を占めているため、店によっては跡を継ぐ人がおらず閉店するケースもあるそうです。
和菓子の売れ行きにも大きく左右される課題なのですが、最近は人と人とが行き来する機会が減ってきていることも影を落としていると協会では分析しています。例えば、昔は取引先などへの集金の際に「手土産として和菓子」ということが多くありましたが、銀行振込などが主流になった昨今、こうした交流の機会も減りました。
一方、和菓子はその姿の美しさや繊細な細工などから、海外からの旅行客インバウンドからも注目されていますが、「日持ちしないため、国に持ち帰ることができない品」という事情もあって、なかなか売り上げ上昇までには至らないということです。

スナック菓子は過去最高の消費

画像『チャント!』

一方「スナックの日」は、夏至のお祝いに「歯固め」のため固いものを食べたことが由来とも言われていますが、日本スナック・シリアルフーズ協会によりますと、いつ制定されたのかなど詳しい歴史ははっきりしないということです。
スナック菓子は「ポテト系」「コーン系」「小麦系」と大きく3つの分野に分けられます。2年前、北海道で台風や大雨によってジャガイモが不作だったこともあり一時ポテトチップスなどが品薄になった時期もありましたが、昨年2018年度は過去最高の生産量でした。

スナック菓子を愛する世代とは?

画像『チャント!』

総務省の2018年の「家計調査」によりますと、その人気を支えているのは子供や若い世代ではなく、実は30歳から49歳という世代だということです。協会では「家計に余裕が出始めた世代」と分析していますが、幼い頃にスナック菓子に親しんだ世代が年をとっても愛しているがゆえ食べ続けるとも言えるようです。

令和時代のキーワード

画像『チャント!』

将来に向けて、和菓子業界では「和菓子は高齢層に人気なので、これからの超高齢社会で売り上げが伸びるのでは?」と期待し、スナック菓子業界では「今の人気を支える30~40代が高齢層になったらどうなるのだろう?」と少し心配しています。
そこに共通するのは「少子高齢化」そして「人口減少」というキーワードです。今の日本社会が直面している課題が、そのまま和菓子そしてスナック菓子という業界にも当てはまっています。
そんな現状や背景を知った上で、「和菓子の日」「スナックの日」それぞれの日に、お好きな味を楽しんでみてはいかがでしょうか。

【チャント!「金曜論説室」より  by CBCテレビ論説室長・北辻利寿】

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