「神田明神」の前にあるクランクの謎とは?江戸時代に整備された「中山道」の歴史を紐解く旅
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、歴史の痕跡を残す“古道”を愛してやまない道マニアの荻窪圭さんが、五街道の中で特にオススメという東京の「中山道」を巡りながら、知られざる地名の由来や江戸の歴史を紐解きます。
江戸・日本橋と京都・三条大橋をつなぐ「中山道」

訪れたのは、東京都日本橋。
(道マニア・荻窪圭さん)
「こちらは、江戸時代の五街道の中心だった日本橋。日本各地への起点と言う意味で“日本橋”と呼ばれるようになったと言われている。今回は『中山道(なかせんどう)』を歩きながら、江戸の歴史や地名の由来を探っていきたい」

1601年、徳川家康によって整備された五街道。中でも、江戸の日本橋から京都の三条大橋へ至る中山道は最長(約534km)を誇り、過酷な山岳ルートであったこの道には69の宿場が設けられ、参勤交代などの往来に重宝されました。
そのルーツは、かつて奈良から東北まで伸びていた「東山道(とうさんどう)」と言われ、江戸幕府が開かれる際、江戸を起点としたルートに整備。「東山道」と「東海道」の間の山の中を通ることから、「中山道」と名付けられました。
また、「中仙道」という書き方があったとも。「そういう書き方をする人がいっぱい出てきたので、幕府が“仙”ではなく“山”が正しいとわざわざお触れを出した」と言います。
今回は、五街道の中で特にオススメという東京の中山道を巡り、江戸の歴史や知られざる地名の由来を深掘りします。
“始まり”の場所 五街道の起点「日本橋」

中山道の起点となる日本橋に行くと、「五街道の起点として、大正時代に東京市がこの柱を建てた」と荻窪さん。
大正時代、日本橋の中央部に設置された「東京市道路元標(げんぴょう)」の柱。旧東京市が管理する市道の距離を測る起点という意味が込められた特別なもので、現在は日本橋の北に移設されていますが、「昔は橋のど真ん中にこの柱があった」と言います。

日本橋は、明治9年に日本で初めて“国道”が定められた際、東京を起点とする主要幹線の出発点となった、日本の道路史における“始まり”を象徴する極めて重要な場所。
現在は、柱の代わりに「日本国道路元標」と刻まれたプレートが日本橋の中央に埋め込まれています。
さらに、日本橋には獅子と麒麟の像があり…

(道マニア・荻窪圭さん)
「獅子が手に持っているのは、東京市のマーク。今の東京都の正式な紋章になっている」
一説には、ロンドンやパリの石橋を参考に設計されたという日本橋。東洋の麒麟や西洋の獅子を掛け合わせたデザインは、首都の繁栄や近代国家への躍進を象徴していると言われています。
「神田明神」前のクランクの秘密 「巣鴨」の由来も

中山道を辿って北上し、秋葉原駅の近くへ。神田エリアに着くと、人工の神田川に架かる「昌平橋」が現れます。
(道マニア・荻窪圭さん)
「ここに昌平坂があったから『昌平橋』。採れたお米を神社に納めるための田んぼが、この辺りにいっぱいあった。だから、“神”の“田んぼ”で『神田』」

神田川を越えると、辿り着いたのは「神田明神」。
(道マニア・荻窪圭さん)
「江戸時代から続く老舗甘酒店『天野屋』の脇に入る道こそが本来の中山道」
鳥居横にある天野屋の脇に入ると、不可解なクランク状の道筋になっています。
(道マニア・荻窪圭さん)
「江戸時代の途中から、南にある『湯島聖堂』が広くなって、中山道は迂回するようなカーブの道になった。明治時代になって道を真っ直ぐにした」

さらに中山道を進み、「巣鴨」へ。道が2つに分かれます。
(道マニア・荻窪圭さん)
「斜めに入る『巣鴨地蔵通商店街』の道が本来の中山道。真っ直ぐに続いている方が新しい道。巣鴨には“菅(すが)”がいっぱい“生えている”低湿地があったから、“すが”と“お(生)”で『すがも』という説がある。江戸時代に、今の『巣鴨』の字になった」

商店街の人に聞くと、昔から中山道の道幅は変わっていないそうですが、人の流れを円滑にするため、歩道の拡幅工事が行われたとのこと。
その他にも、歴史的な景観を損なわぬよう電線を地下に埋める工事も施すなど、商店街をあげて中山道の雰囲気を残す街づくりが進められています。
「板橋」は橋の名前が由来!?橋が2つ架かるワケとは

池袋から北に位置するかつての宿場町・板橋へ。仲宿商店街を通り、石神井川(しゃくじいがわ)に差し掛かると、「板橋」と書かれた橋が現れます。
(道マニア・荻窪圭さん)
「『板橋』という地名は、この板橋に由来すると言われている」
江戸時代以前からこの場所に掛かり、地名の由来にもなっている「板橋」。これまで何度も改修され、現在は手前と奥の2か所に架けられています。
(道マニア・荻窪圭さん)
「公園に架けられている方が、もともとの『板橋』。この石神井川は昔、蛇行していた。水害が起きないようにまっすぐに直したのが、今の石神井川。古い流路はそのまま公園になった」
志村坂上駅から北上すると、「旧中山道の中で最初の難所」と荻窪さん。「すごい崖で、傾斜が続く」と言います。

その後は、東京と埼玉を隔てる荒川へ。
(道マニア・荻窪圭さん)
「この川を渡った後、中山道は埼玉を北上。山を登って群馬から長野に入る。長野を横断して岐阜を抜け、滋賀を通って京都の三条大橋に繋がる」
CBCテレビ「道との遭遇」2026年2月10日(火)午後11時56分放送より





