120年の歴史に幕…岐阜のシャッター街に眠る銭湯「柳ヶ瀬浴場」へ特別潜入 西柳ヶ瀬に唯一残るキャバレー跡も
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全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道を紹介。今回は、岐阜の発展を支えてきた“柳ヶ瀬”を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)
金津遊郭から発展 西柳ヶ瀬「スタープレイス柳ヶ瀬商店街」
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昔から岐阜の経済を支えてきた柳ヶ瀬。明治21年に造られた金津遊郭を礎とし、最盛期は“東海一の歓楽街”と呼ばれるほど栄えました。最盛期には柳ヶ瀬一帯に劇場や映画館が12棟、キャバレーが11店舗、BARは300店舗以上も存在していたと言われています。
しかし現在、金華橋通りの西側にある通称“西柳ヶ瀬”と呼ばれる「スタープレイス柳ヶ瀬商店街」は、日本一のシャッター街と言われるほどに衰退。営業している店舗が激減し、建物が一部崩壊して内部がむき出しの状態になっている場所も。
「柳ヶ瀬は、全部にアーケードがある。これは、全国的に見ても非常に珍しい」と道マニア。
柳ヶ瀬に残る唯一のキャバレー跡「ムーランルージュ」
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西柳ヶ瀬のメイン通りに面する「ムーランルージュ」は、柳ヶ瀬に残っている唯一のキャバレー跡。繊維問屋街と共に栄え、バブル期には40人ほどのホステスが在籍して、大いに繁盛していたそう。
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特別に潜入させてもらうと、店内にはお酒のボトルやたばこの吸いがら、煌びやかな装飾などが今も残ります。また、ロッカールームには制服や私物と思われるものも。壁にかけられている2019年10月のままのカレンダーが、物悲しさを語っています。
長きにわたって繊維問屋街と共に発展してきた柳ヶ瀬は、2つの町の相乗効果により、岐阜の経済は爆発的に成長。しかし、バブル崩壊後に繊維産業が衰退し、柳ヶ瀬の来訪者も激減。
さらに2012年、岐阜市で開催される国体に合わせて、市が柳ヶ瀬の浄化作戦を敢行。これにより性風俗店が一掃され、一気に来訪者が減少し、飲み屋など夜のお店が次々に閉店していくことに。
さらに新型コロナが追い打ちをかけ、「ムーランルージュ」は朝のモーニング営業へと転化したものの、約4年前に廃業することとなりました。
明治時代から120年続いた銭湯「柳ヶ瀬浴場」
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「『柳ヶ瀬浴場』は、柳ヶ瀬の歴史を語る上で欠かせない場所」と道マニア。西柳ヶ瀬にある廃墟「柳五(やなご)ビル」の1階はかつてスナック街があり、その2階には「柳ヶ瀬浴場」がありました。
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深さのある浴槽が最大の特徴。多くの人が入れるよう、立った状態で入れる設計になっているそう。また、洗い場の床の真ん中が高くなっており、両サイドに排水溝があるのは、「性風俗店がたくさんあった場所なので、性病や感染症を予防するため、流れた水が交わらないような造りになっている」と道マニア。歓楽街ならではの工夫がされていることがうかがえます。
柳ヶ瀬浴場の歴史は古く、始まりは明治16年。当時は平屋の木造の銭湯で、昭和50年に平屋からビルに建て替えられました。
柳ヶ瀬の人たちの憩いの場として長く愛され続けましたが、経営が困難に。テナント料などで経営が継続されたものの、平成15年に120年の歴史に幕を閉じたとのことです。
CBCテレビ「道との遭遇」2025年2月11日(火)午後11時56分放送より
番組紹介
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