新東名の“謎の高側道”を調査 神奈川にある行き止まりの道の正体とは
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、珍しい道や変わった標識などを求めて全国を巡る道マニア歴21年の石井良依(らい)さんと、高速道路の脇を走る側道"高側道"を愛してやまない道マニア歴16年の橋本貴志さんが、神奈川県にある新東名高速道路(=新東名)の“謎の高側道”を調査します。
道があるのに行き止まり!?新秦野ICの近くにある“謎の高側道”
2人が訪れたのは、神奈川県秦野市。
(道マニア・石井さん)
「開通前から新東名の沿線を探検していて、謎の高側道を見つけた。高側道マニアの橋本さんと一緒に、その謎を解明したい」
2027年度に全線開通を予定している、神奈川県海老名市から愛知県豊田市までを結ぶ「新東名高速道路」。2022年4月に開通した新東名高速道路の伊勢原大山ICと新秦野ICの区間の場所に、高側道好きでもある石井さんが、橋本さんとどうしても行きたい高側道があると言います。
目的の道は、新秦野ICの手前にある小原トンネルの近く。新東名を跨ぐ橋から側道へ行ってみると、マップサイトを見ても何も記されていない謎の道が続いています。
急勾配の下り坂を進むと分岐点にぶつかり、2人は右側の道へ行ってみることに。上下線に分かれた2つのボックスカルバート(箱の形をしたコンクリート構造物)をくぐり抜け、舗装された道を進み続けると、突然舗装区間が終わり行き止まりに。すぐ脇に急な階段がありますが、上った先は竹藪で道らしきものは見当たりません。
途中に未舗装区間 謎の道が存在するワケとは
石井さんが、1年以上前に見つけてからずっと気になっていたというこの謎の高側道。2人は分岐点まで一度戻り、今度は左側の道へ行ってみることに。すると、舗装されていない山道が現れ、さらに進むと再び舗装された道が現れます。しかし、進み続けたその先は行き止まりに。
(道マニア・石井さん)
「結局どこにも繋がっていない。最後のコンクリート区間が孤立しているのは不思議」
分岐点からどちらの道へ進んでも途中までしか舗装されておらず、行き止まりになっている謎の道。「おそらく分岐点から右側の道は、民地にアクセスするための機能補償道路。反対側は、道の周囲が高速道路会社の敷地になっているので、敷地を管理するために造ったのではないか」と石井さん。さらに、「未舗装区間は普通の車が入りづらいようにして、ゴミとかを捨てられないようにしているのではないか」と考察します。
ここで、橋本さんが山の中に「秦野市森林組合」と書かれた杭を発見!「森林組合の管理で山を守っているのでは。山に入るための林道として造られた可能性があるんじゃないか」と考察を深めます。
道が行き止まりになっている謎を解明するべく、2人は近くの集落で聞き込みすることに。この地区でかつて自治会長を務めていた方から、詳細を聞くことができました。
新東名が開通した場所は現在山林地帯ですが、50年前までこの一帯は農地として畑が広がっていたそう。新東名の建設に伴い、畑へ行くための道がなくなってしまうので、その代わりとして林道が新たに造られました。
舗装された区間は、新東名の建設によって新しく造られた代替の道路。未舗装部分は建設の影響を受けなかった区間で、元の道のまま残し、舗装路とつなげたので現在の状態になったそう。
また、神奈川県では手入れが行き届かない水源地域の私有林を整備するための支援を行っており、秦野市にある畑として使われなくなった私有林も整備する計画があるため目印として、森林組合と書かれた杭が打たれているとのことです。
2024年11月12日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より