「誰からも相手にされない感じがいい」昔は川だった?市街地に眠る“暗渠道”に感じるロマン
ミキの昴生と亜生の2人がMCを務める『道との遭遇』。全国の道に特化したVTRをミキが様々な視点で楽しんでいきます。今回は道マニア歴13年の髙山英男さんと、名古屋市にある“暗渠(あんきょ)道”を巡ります。
変な曲がり方をしている道は暗渠サイン!?
もともと川が流れていた場所の上にフタをして造られた暗渠道を、こよなく愛する髙山さん。街で声をかけて快諾してくれた、一般の男性と一緒に旅をします。
(道マニア・髙山英男さん)
「名古屋には特徴的な暗渠が多い」
名古屋駅周辺は日本屈指の暗渠道がはりめぐらされている、知る人ぞ知るディープスポットだと髙山さんは言います。
2人が最初に訪れたのは、名古屋駅のすぐ近くにある「笈瀬(おいせ)川筋」。そこで見つけたのは、かっぱの銅像。笈瀬川にかっぱが住んでいたという伝説に基づいて置かれたそうです。これも川の痕跡=暗渠サインの一つですが、地図を見ると他にも暗渠と思われる場所が。
(道マニア・髙山英男さん)
「周りの道と違って笈瀬本通は少し曲がっていますよね。これが川だった証拠」
変な曲がり方をしている道は、暗渠サインとのこと。
暗渠道には川の痕跡がたくさん!
「ここも怪しそう」と男性が地図を見て目をつけた「中井筋」へ行ってみることに。
(道マニア・髙山英男さん)
「現地に来ると川の証拠が残っていて、それを見ることができる」
見つけたのは、波模様が描かれた路面や立ち並ぶ車止め。暗渠道は重量のある車両が通ると崩れてしまう可能性があるため、乗り入れられないよう車止めを設置していることが多いのだとか。
さらに“楠橋”と書かれた橋跡も発見し、数ある暗渠サインの中でも橋跡は髙山さんにとって特にテンションが上がるものだそう。近所の方に話を聞いてみると、中井筋は約50年前までは川があり、一度コンクリートでフタがされた後、その上に暗渠道が造られたということが分かりました。
トンネルが2つ並行も暗渠サイン!?
続いては、髙山さんがまだ行ったことのない名古屋の暗渠道を開拓するため、地図でめぼしいところを探してから向かいます。気になる場所は、ナゴヤ球場近くの「百曲(ひゃくまがり)街道」。実際に行ってみると、トンネルが並行して2つ並んでいる場所が。
(道マニア・髙山英男さん)
「トンネルのどちらかに川が通っていたんじゃないかな」
近くで聞き込みをすると、「昔は川だった。今は土管になって埋まっている」と証言が得られました。約80年前の航空写真を見ると、確かに川が流れています。髙山さんの予想は見事的中!
地図から予想した場所に暗渠道を発見!
最後は、男性が地図上で暗渠道と予想した場所へ。市内の本山駅周辺に目星をつけ、実際に歩いて暗渠サインを探します。
道沿いにはなかなか暗渠サインが見当たらず、近所の方に聞き込みすることに。すると、「昔は川があった。水がキレイで魚もいっぱいおった」という証言が。さらに昔の資料を見せていただけることに。
(道マニア・髙山英男さん)
「“昭和48年猫ヶ洞池から本山の方へ掘割の用水路があり、いつも水が流れていました”と、暗渠道になる前の川の様子がしっかり写っています」
男性が予想した道が正真正銘の暗渠道と判明したところで、暗渠道巡りは終了です。
(道マニア・髙山英男さん)
「(暗渠道は)誰からも相手にされない感じがいい。そこを俺は分かっているんだ!て愛でてあげたい」
ミキの2人も、「暗渠道面白いな。ロマン感じる」とすっかり暗渠道の虜に。そして、突然の声掛けにも関わらず同行してくれた男性が、これを機に暗渠道マニアになるかもしれないと予想するのでした。
2月21日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より