“日本一”と“日本唯一”を併せ持つ道!? 急勾配すぎる&情緒あふれる国道指定の酷道とは
ミキの昴生と亜生の2人がMCを務める『道との遭遇』。全国の道に特化したVTRをミキが様々な視点で楽しんでいきます。今回は全国100万キロ以上の道を巡ってきた道マニア歴24年の鹿取茂雄さんと、大阪府にある“酷道”を巡ります。
日本一急勾配すぎる酷道
鹿取さんと一緒に旅をするのは、プロのギャル・ぱにぱにぱにぱにともちんぱさん。鹿取さんが厳選した大阪府の四大大阪道のひとつ、“日本一”と“日本唯一”を併せ持つ酷道を目指します。
訪れたのは、大阪の端に位置する大阪府東大阪市。奈良県生駒市との県境にある生駒山が今回の目的地。「峠までの道が酷道」と鹿取さんは言います。
国道308号をしばらく走ると、日本トップクラスの狭すぎる国道に。一般的な国道の1車線の幅3.5mに対し、こちらの幅は一方通行でないにもかかわらずたった2mほどしかありません。さらに進み山の酷道区間に入ると、険しい坂道が続きます。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「スゴイ。車転がりそうなくらい坂道になってる」
(ともちんぱさん)
「ジェットコースター乗ってる気分でシートベルト掴んじゃってる」
坂の最大角度は17.2度、最大勾配は31%。これは、水平に100m進むと高さ31mまで上る計算になります。あまりの急勾配に、VTRを見ていたミキの2人も「壁やん!壁のぼってる!」とツッコむほど。
2人は途中で車を降り、鹿取さんがこの坂道で一番の見どころだと語る場所へ向かいます。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「この急坂を体感してもらいたい」
辿り 着いたカーブこそが、全国459路線ある国道の中で日本一急勾配な場所。あまりの傾斜で車が上れず、道路の内側にはタイヤが空回りした跡がいくつも残っています。最も急な場所の勾配を、鹿取さんがスマホのアプリを使って測ってみると、そこはなんと45%超え!
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「40%超える坂道ってまずない。国道じゃなくてもそうそうない」
昭和45年10月、道路構造令で国道を造る際は勾配12%までと制定されましたが、この道が国道指定されたのはそれ以前のため、例外として存在しているとのこと。この急勾配な坂道が国道に指定されているのが、道マニアにはたまらないと鹿取さんは言います。
生駒山の峠にある“日本唯一”のものとは?
2人は生駒山の酷道をさらに進み、鹿取さんが言う「国道の中では全国でここにしかないもの」がある峠を目指します。20分ほど歩き、峠に近くなったところで道が平坦に。ここでともちんぱさんが道の違いに気づきます。
(ともちんぱさん)
「分かった、石畳!」
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「国道が石畳になっているのが日本でここにしかない」
そこは国道の中で唯一、石畳が敷かれている道「暗峠(くらがりとうげ)」。コンクリートの道が、途中から石畳に切り替わっていることが分かります。
国道308号のルーツとなっているのが、奈良時代に「平城京」と当時の港「難波津」を結ぶ道として造られた「暗越奈良街道」。最速最短で行き来できる道を目的に生駒山地を切り開いて造ったため、このような急勾配が続く坂道になったと言われています。
そして時代は進んでも重要な道として使われたそうで、江戸時代には奈良と大阪をつなぐ幹線道路として重要な役割を担い、参勤交代で殿様を運ぶ際に滑らないよう峠だけ石畳が敷かれたのだとか。
さらに松尾芭蕉が俳句を詠んだ地としても有名で、今では日本の道100選に選ばれるなど観光スポットになっています。
昭和45年4月に国道指定されてからも、歴史情緒を感じられるようあえて石畳を残している「暗峠」。多くの人を魅了し続けていることが分かったところで、2人の四大大阪道巡りの1か所目は終了です。
11月8日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より