コロナ禍で増加「脂肪肝」…肝臓トラブルの意外な落とし穴!肝臓をゲンキにする最強食材もご紹介
サマリーSummary
ドクター:横浜市立大学附属病院 国際臨床肝疾患センター 准教授 医学博士 米田正人
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは横浜市立大学附属病院 国際臨床肝疾患センター 准教授 米田正人先生です。
今回のテーマは「〜標準体重でも油断禁物!〜肝臓トラブルの意外な落とし穴」
今増えている肝疾患が「脂肪肝」。脂肪肝とは、肝臓に脂肪が溜まった状態の事で日本人の約2000万人が患っているといわれているそうです。脂肪肝が恐ろしいのは、自覚症状が一切ない事。そのため、放置してしまい肝硬変に進行、最悪の場合命を落とす可能性もあるのだとか。そこで今回は、肝臓トラブルについて専門医に教えてもらいました。
肝臓の基礎知識
<肝臓の機能は500種類以上!?>
肝臓にはアルコールや有害な物質を解毒し、栄養を身体中に送る機能があります。他にも重要な機能がたくさんあり、その数は500種類以上といわれているのだとか。それだけ重要な臓器であることから、肝臓は人体の化学工場とも呼ばれているそうです。
<脂肪肝とは?>
脂肪肝とは、肝臓に過剰な脂肪が溜まっている状態の事。放置すると肝硬変につながる可能性もあるのだとか。動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを増加させる事から、全ての生活習慣病の入り口といわれているそうです。
<肝硬変とは?>
肝硬変とは、肝細胞が炎症を起こし線維化して肝臓が硬くなった状態の事。表面がボコボコになり、肝機能が半減。10年生存率が約50%ともいわれるほど恐ろしい病気だそうです。
脂肪肝を招く意外な原因(1)運動不足
先生によると、コロナ禍で生活が変化した事によって非アルコール性の脂肪肝になる人が増えているのだとか。運動不足もその1つで、運動量が減少すると脂肪が肝臓に蓄積されてしまい、脂肪肝になってしまうそうです。
<脂肪肝の予防対策に効果的な運動とは?>
脂肪肝に良い運動は2種類あるそうです。1つは今ある筋肉を有効に使う有酸素運動。
もう1つは少ない筋肉を増やす筋肉トレーニング。ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動は、脂肪をエネルギーとして使用するため身体全体の脂肪が燃焼しやすくなるそうです。一方筋トレは、筋肉量を増やす事で基礎代謝があがり脂肪の燃焼を助けてくれるのだとか。先生によると、筋肉量の多い男性は有酸素運動、少ない女性は筋トレを行うのが効果的だそうです。
脂肪肝を招く意外な原因(2)食生活
テレワークが増えた事で、好きな時に食事ができるなど食生活が乱れてしまって脂肪肝になる人もいるそうです。
<フルーツの食べ過ぎが脂肪肝に!?>
フルーツは、ビタミンや食物繊維、適度な糖分が含まれており適量であれば問題はないそうです。ただし、食べ過ぎは禁物。フルーツに含まれる果糖は、そのほとんどが肝臓でのみ代謝されるのだとか。そのため、肝臓に脂肪が溜まりやすく、健康に良いと思って食べ過ぎると脂肪肝を招く恐れがあるそうです。1日のフルーツの摂取量は200グラムまでが適量。みかんなら2個、りんごなら1個程度で抑えるように心がけましょう。
2020年に提唱された新たな疾患「MAFLD」
2020年に脂肪肝が原因で起こる新たな疾患が提唱されました。それが「MAFLD(マッフルド)」。MAFLDとは、肝臓の中に脂肪が溜まっているだけではなく、糖尿病・肥満・代謝疾患を併せ持った脂肪肝。MAFLDになると、肝硬変に進行するリスクをさらに上げ、脳梗塞や心筋梗塞などの他の病気のリスクも全て上昇すると考えられているそうです。
<肝臓の状態を知るには詳しい検査を!>
γ-GTPや血液の検査が正常でも隠れ脂肪肝の場合があるそうです。そうならないためにも、超音波検査などを受けて肝臓の状態を把握しておきましょう。
新潟県に学ぶ!肝臓をゲンキにする最強食材
日本の米どころ新潟県。酒づくりの土地としても有名で日本酒の消費量も全国1位。肝臓に負担が多いイメージですが、他の都道府県と比べると男女ともに肝疾患を抱える人が少ないのだとか。そんな新潟県の人々の暮らしには、肝臓をゲンキにする3つの食材が根付いているようです。
<肝臓をゲンキにする最強食材(1)豚肉>
新潟県は、日本有数のブランド豚の生産地で購入量もトップクラス。そんな豚肉に含まれる「ポークペプチド」は、肝機能を若返らせる効果が期待できるのだとか。先生によると、ポークペプチドは豚肉にのみ含まれる栄養素でたんぱく質の一種。肝臓を活発化させ、脂肪を燃焼させるだけでなく、アルコールの分解を早める力を持っているとの事。つまり、豚肉を食べる習慣が肝疾患の予防になっているようです。
<肝臓をゲンキにする最強食材(2)枝豆>
新潟県は、枝豆の消費量・生産量が共に上位の枝豆大国。枝豆には肝臓の脂肪の蓄積を防ぐ働きがあり、脂肪を分解するコリンや余分な脂肪を燃やすレシチンなどが含まれているのだとか。さらに枝豆にはアルコールの分解を促す成分も含まれているため、肝臓にとてもいい食材だそうです。
<肝臓をゲンキにする最強食材(3)お米>
お米は麺類と違って粒のまま摂取するので、ゆっくり消化・吸収されていきます。そのため、お腹が空きにくく腹持ちが良い事から間食が少なくなると言われているのだとか。また、ゆっくり吸収される事で肝臓への負担が少なく、脂肪肝の予防につながるそうです。さらに、お米に合う和食は肝臓に必要な栄養素を多く含んでいるため、肝疾患のリスクを下げることにもつながります。例えば、焼き魚や味噌汁は、良質なたんぱく質やビタミンなどが豊富で肝臓をゲンキにするために効果的だそうです。
(2023年2月5日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)