健康鍋
サマリーSummary
ゲンキリサーチャー:中村昌也
ドクター:食品医学研究所 所長 医学博士 平柳 要
いつもの鍋をパワーUP!「健康鍋」のポイント~下ごしらえ編~
・ニンジンは皮ごと輪切りで抗酸化作用UP
専門家によると、皮の側は栄養価が高く、抗酸化作用のあるβ-カロテンやポリフェノールが多く存在しているとの事。そのため、ニンジンは皮ごと入れるのがオススメです。さらに、中心にも栄養素が集まっているので、外へ漏れないように輪切りにすると良いそうです。
・大根は具材よりもタレに活用するのがオススメ!
大根には、胃腸の消化を助けるジアスターゼが含まれています。しかし、ジアスターゼは熱に弱く加熱すると壊れてしまうので、大根おろしにしてタレに活用するのがオススメだそうです。
・ネギは叩いて抗酸化作用UP
ネギのニオイ成分であるイソアリシンには、強い抗酸化作用や抗炎症作用があります。ただし、イソアリシンは、ネギの白い部分の細胞を壊さないと作られないのだか。そのため、包丁の背で叩いたり、手で押さえたりして、白い部分を傷つけてから切るのがオススメ。さらに、切った後に10分ほど空気に触れさせておくとイソアリシンが増加するそうです。
・キノコは冷凍加熱で血液サラサラUP
キノコに含まれるグアニル酸には、血小板の凝集を抑える作用があり、血液サラサラ効果が期待できます。グアニル酸は、一度冷凍して細胞の壁を壊す事によって効果を発揮できるそうなので、冷凍してからお鍋に入れるのがオススメです。
・タラは煮崩れを予防して栄養キープ!
タラは、骨の材料となるコラーゲンが豊富で骨密度の低下を抑える効果が期待できます。その健康効果をキープするには、煮崩れを防ぐ事が大切なのだとか。先生オススメの方法は、湯引きをする事。表面のたんぱく質が固まって、熱によって壊れるコラーゲンが煮汁に溶け出すのを防いでくれるそうです。具体的には、片栗粉を軽くまぶして、80℃程度のお湯に通した後、冷水にひたしてください。
いつもの鍋をパワーUP!「健康鍋」のポイント~出汁作り編~
・合わせ出汁でうま味UP・減塩に!
オススメの出汁は、昆布・干ししいたけ・鶏もも肉を使った合わせ出汁。昆布のグルタミン酸、干ししいたけのグアニル酸、鶏もも肉のイノシン酸と3つのうま味成分が含まれているので、相乗効果でうま味が芳醇になり、少ない調味料でも満足感を得られ減塩につながります。出汁を取る際は、水の状態から食材を入れるのがポイントだそうです。
いつもの鍋をパワーUP!「健康鍋」のポイント~タイミング編~
・葉物野菜は食べる直前に投入!
春菊・水菜などの葉物野菜は、水溶性の成分が多いため煮込みすぎると汁の中に成分が溶け出してしまうそうです。そのため、本来の栄養を摂るには食べる直前に入れるのがオススメです。
いつもの寄せ鍋がパワーUP!お悩み別オススメ「つけダレ」
・風邪などで食欲低下の方に!「ピリ辛おろしダレ」
<材料(2人分)>
大根おろし100g
醤油 小さじ2弱
青ネギ 適量
ラー油 少々
レモン汁 小さじ2
生姜おろし 少々
<ポイント>
大根おろしに含まれるジアスターゼには、疲れた胃腸をいたわり消化を促進する作用が期待できるそうです。
・血圧やコレステロールが高めの方へ!「たっぷりトマトダレ」
<材料(2人分)>
ミニトマト 8~10個
オリーブ油 小さじ2強
にんにくおろし 少々
トマトピューレ 大さじ2強
ポン酢 大さじ1
<ポイント>
トマトのリコピンには抗酸化作用があり、血圧や悪玉コレステロールを下げる効果が期待できます。さらに、油と一緒に摂取する事でリコピンの腸での吸収率が上がるそうです。
・抗酸化作用で若返りを求める方に!「濃厚ごまダレ」
<材料(2人前)>
練りごま 大さじ2強
ポン酢 大さじ1
黒酢 大さじ1
すりごま 大さじ1
生姜おろし 少々
青ネギ 少々
<ポイント>
ごまは、ゴマリグナンのほかビタミンB1、Eが豊富で抗酸化力に優れています。さらに、薬味のネギや生姜はビタミンB1の吸収を高めてくれるそうです。また、お好みでごま油をちょい足しするのもオススメ。香ばしい香りで食も進みます。
ドクターオススメ!感染症対策に「免疫力UP鍋」
この冬に先生がオススメするのは、牡蠣・鮭・マイタケを使った「免疫力UP鍋」。隠し味に薄切りにした生姜を入れるのがポイントです。ウイルスから身を守り、健康な身体を維持しましょう。
<免疫力UP鍋のポイント>
・牡蠣
牡蠣に多い亜鉛は、免疫細胞の働きを高める効果が期待できます。
・鮭
鮭に多く含まれるビタミンDには、抗ウイルス作用があります。
・マイタケ
マイタケに含まれるMDフラクションという成分には、免疫機能をUPさせる効果が期待できます。水溶性で汁に溶け出しやすいので、汁も一緒にいただくのがオススメです。
・生姜
生の生姜に含まれるジンゲロールには、免疫細胞を活性化させる働きがあります。さらに、生姜を水から入れる事で、ジンゲロールの一部が血流促進や身体を温めるショウガオールに変化するそうです。