“4番より打てばそれで良い”ドラゴンズ逆襲のキーマン・中田翔選手がシン昇竜打線の核となる!
【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)
いよいよ1か月を切った開幕
暦は弥生3月。2024年シーズン開幕まで1か月を切った。ドラゴンズナインはキャンブ地沖縄を離れ、地元名古屋へ戻りミニキャンプを行った後、最終調整となるオープン戦をこなし、いよいよ3月29日敵地神宮球場に乗り込み、スワローズとの開幕戦を迎えることになる。ハラハラドキドキの1年がまた始まるのだ。今年こそガッカリする日が少なく、機嫌の良い日々が過ごせるよう、ドラゴンズには勝って、勝って、勝ちまくってもらいたいものだ。
さて今週のサンドラ、新シリーズ“逆襲のキーマン”を取り上げてみる。第一回目はこの日のゲスト解説者・谷繁元信さんも指名した中田翔内野手。シン昇竜打線の核と期待され、もう一回花を咲かせてやろうと意気込むスラッガーが語ってくれたのは興味深いものばかりだった。
今一度スタートラインに立てる
中田翔がドラゴンズの地元である名古屋へやってきたのは去年12月。この言葉がドラゴンズ人生の始まりだった。
中田選手「フレッシュな気持ちというか、一から頑張りたいなという気持ちでいっぱいです」
出場機会を求めて、ジャイアンツから異例となる移籍。決め手となったのは立浪監督の言葉だった。“お前と野球をやりたい”“お前の力を貸してくれへんか”という言葉に男気を感じ、今一度スタートラインに立たせてもらえる恩義を感じたという。
中田選手「まだまだできるという気持ちは常にもっており、なんら今でも薄れてはいません。僕に期待してくれたというのはもちろんそうですけど、もう一回花を咲かせてやろうと思っていますけどね」
立浪監督の汚名を払拭させる
プロ野球に足を踏み入れ、ドラゴンズは3球団目。移籍して再起を誓う中田選手には初めてともいえる感情が芽生え始めていた。
中田選手「僕がドラゴンズに行くってなってからも、ジャイアンツファンから“どこに行っても応援するよ”と、心に刺さる言葉を言ってくれました」
これまでの野球人生、激励の言葉をかけられても、ただ御礼を返す思いだけだったところが、自分自身でも考え付かないほど深く感じるようになっているという。プロ17年目、30代半ばで生じた“心の変化”は新天地改革というスイッチを押すきっかけとなった。
中田選手「援護という形では全力を尽くして、何とかしたいという気持ちが強いです」
中田選手自身、去年まで敵の立場としてのドラゴン評は、1点でも取られた途端、何かソワソワして落ち着きのないように見えていた。その印象を今シーズンは自らのバットで払拭していきたいと意気込む。
そして払拭したいことが中田選手にはもうひとつある。それは立浪監督をなんとか男にしたい。今まで叩かれまくった汚名をなんとか払い除けたいと心に誓う。
中田選手「立浪さんが叩かれまくっていたから。色々見たり聞いたりして、“なんでこんな事で叩かれるんだろう?”と見ていましたけど、監督ではなく、もっと話題は選手にいかないといけない」
監督がクローズアップされるのではなく、選手が取り上げられなくては、チームは強くならない。まさに修羅場をくぐりぬけてきた中田選手しか言えない言葉といえよう。
4番より打てば良い
2月沖縄。キャンプ地北谷に訪れたファンの視線は中田選手にくぎ付けとなり、話題をひとり占めにした。そして実戦が始まると、その期待感は高まり続け、一打席一打席が待ち遠しささえ感じられるようになっていった。まさにドラゴンズに待望久しいスラッガーのお出ましである。
中田選手「(ドラゴンズに移籍した)今の方が試合に出る喜びをすごく感じているので、とにかく試合に出場できれば打順は何番でもいいですね。4番じゃなくても4番より打てば良いんじゃないのかなと僕は思うタイプなので」
4番より打てば良い。とても深い言葉である。ホームランばかり打てば良いわけでないことも重々承知しているに違いない。ここという場面で相手チームから戦意喪失させる一打を放つことこそ役割だと認識しているはずだ。昨年まで彼の一打でどれだけ苦い思いをしたものか。それが今シーズンから味方になるわけだ。これほど頼もしい男はいない。
そして中田選手が背負うものは重い。でも彼しか背負われないはず。それはドラゴンズ再建という大仕事。野球人生をかけてバットを振りまくってもらいたい。
本拠地バンテリンドームで鳴り響く登場曲はファイターズ時代からおなじみのビーグルクルーの「My HERO」。さあ、見せてくれ!とっておきの“翔タイム”を!
がんばれ中田翔!
がんばれドラゴンズ!
燃えよドラゴンズ!
竹内 茂喜