「投げる体力は誰にも負けない」ミスターゼロの異名を持つ竜ドラ1・草加勝を徹底解剖
【サンドラを観られなかった全国のドラ友と共有したい番組のコト】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム
このコラム(?)は「サンドラ」を観られなかった全国のドラ友に話したい! との思いから番組の内容を綴る、竜党のみなさんに向けた、竜党による、竜党のためのコラム(?)である。
10月29日の放送回はドラゴンズのドラフト1位指名・草加勝投手がサンドラ生出演。“ミスターゼロ”の異名を持つ即戦力右腕はいかにしてドラ1投手へと成長を遂げたのか―。草加投手を奮い立たせたライバルの存在と原点に触れながら、サンドラで高らかに宣言したプロでの意気込みを紹介したい。
原点は高校時代の悔しさ
名門・亜細亜大学のエースとして大学日本代表にも名を連ねた草加投手は岡山県・和気町出身。小学1年生で野球を始めると、地元の強豪・創志学園高校に進んだ。2年生の夏に甲子園に出場したのだが、チームのエースを張っていたのは2019年にタイガースからドラフト1位指名を受けた西純矢投手。草加投手に出番は回ってこなかった。この悔しさこそ草加投手が大学で飛躍を遂げた礎である。
草加投手「今、自分がプロに進めたのは西純矢の存在が大きい。西に勝ちたいという気持ちでやってきた結果だと思います。(当時は)背番号1番をつけたい気持ちはあったんですけど、あの時の自分の実力を考えれば1番をつけられる力もなかったですし、西が1番をつけて当然なのかなと思っていました。ただやっぱり悔しかった気持ちはありますね。自分も同じ舞台に立ってやろうと思いました」
驚異の日々300球の投げ込みで得た最大の強み
亜細亜大学に進学した草加投手はほぼ毎日打撃投手としてボールを投げ続けた。投げ込んだ数は300球。驚異的な数の投げ込みが現在の草加投手を作り上げたのである。
草加投手「打撃投手をして球数を投げていましたので、その中で体力がついたのかなと思います。投げれば投げるほどボールの感覚をつかめましたし、バッターを見ながら投げられる力がついた。(試合で)9回を投げても全然疲れなかったので、その練習は間違っていなかったのかなと思います」
努力が実を結んだのは3年生秋のリーグ戦。7試合に登板して防御率0.29の好成績を残し東都リーグ最優秀防御率に輝いた。さらに4年生春のリーグ戦では歴代タイ記録の4完封。ついた異名は“ミスターゼロ”だ。
草加投手「1点取られたら負けだと思っていたので。マウンドに立って自信を持って投げた結果が最優秀防御率につながったのかなと思います」
草加投手がマウンドで見せる堂々たるエースとしての立ち居振る舞いに亜細亜大・鈴木一央監督は「これだけレベルの高い東都リーグ1部で失点をしないということが、いかに難しいかということは分かっているつもりですけど。草加だったら抑えてくれると周りも信じて守っていた。そのような形でチームを引っ張っていってくれた」と全幅の信頼を寄せるほどだった。
最速153キロのストレートと高い制球力を武器とする草加投手だが、自身が本当の強みとしているのは別にある。
草加投手「ストレートのキレとコントロールに自信があるんですけど、それ以上に投げる体力は誰にも負けない自信があります」
亜細亜大学の日々の練習で培った“無尽蔵のスタミナ”こそ草加投手の最大の武器。
草加投手「息の長い選手というのが自分の目標なので。まずは1年目からしっかり活躍できるように。点を取られなければ負けることはないので、完封をできればしたいなと思っています」
プロの世界でも堂々と自身の信条を貫く心構えだ。
草加勝はどんな人?
この章では草加勝投手をよく知る人物によるエピソードを紹介。大学のあるチームメイトは草加投手の性格面について「ゆっくりとした性格なので落ち着いています」と話します。また別のチームメイトからは「自分のやることを黙々とする。自分はそんな草加が好きで、まさに“Theピッチャー”」と自分の世界に入り込むタイプとの情報も。
その他、草加投手の好きなものの情報として「草加は結構お風呂が好きで、いつもスピーカーを持って行って音楽を聴きながら1時間くらいずっと入っています」とプライベートの一面が明かされた。
さらに草加投手のことを知る現役ドラ戦士がひとり。去年まで亜細亜大学のキャプテンを務めていたルーキー田中幹也選手が草加投手の意外な長所について語った。
田中選手「草加は僕より足が速いです。それがやっぱり体的には細くても馬力があって球速がでるのかなと思います。足はめちゃくちゃ速いです」
次の章では草加投手のキャラクターをもっと知ることができる質問と回答を紹介する。
草加勝投手に8の質問
Q1.対戦したい選手は?
A1.タイガース佐藤輝明選手
草加投手「最初は西純矢を挙げようと思ったんですけど、西は投げ勝ちたいので。西と同じチームの佐藤さんを挙げさせていただきました」
Q2.つけたい背番号は?
A2.18
草加投手「18はエースナンバーだと思っているので」
Q3.獲りたいタイトルは?
A3.新人王
草加投手「(1年目の数字の目標は)ハッキリとはまだ決まっていないんですけど、まずは1年目からしっかり活躍をしてドラゴンズの力になれればなと思っています」
Q4.性格は?
A4.やる時はやる
草加投手「積極的に前に出るタイプでは無いんですけど、マウンドに立ったらマウンドを譲りたくないですし、自分がやるんだという気持ちで立たせてもらっています」
Q5.尊敬する人は?
A5.母親
草加投手「女手ひとつで育ててもらって、自分は3兄弟いるんですけど。自分と兄が大学に進学をして金銭面でも苦労をかけたと思うんですが、それでも弱音をひとつも吐くことなく育ててくれたので。(ドラフト指名後の会話は)おめでとうと同時にありがとうという言葉をもらいました」
Q6.好きな野球選手は?
A6.ホークス東浜巨投手
草加投手「大学の先輩で監督さんからいろいろとお話を聞いているんですけど、東浜さんよりすごいピッチャーは見たことがないと言われていたのを記憶させてもらっています」
Q7.好きな芸能人は?
A7.千鳥
草加投手「同郷の同じ岡山県出身なので」
Q8.好きな言葉は?
A8.無事是名馬
球界のレジェンド山田久志氏による草加投手の評価
この日のスタジオ解説はドラゴンズで監督も務められた球界のレジェンド山田久志さん。草加投手が故障をすることなく300球の投げ込みを可能にしたその要因をプロの目線から解説していただきました。
山田久志氏「草加投手本人にどうして球数を多く投げられるのか聞いてみたら、やっぱりバランスがいいからだね。バランスが良くないと長いイニングも投げられないし、球数も投げられない。上(半身)と下(半身)のバランスがいい!これに尽きるね」
Q.他人にマウンドを譲りたくないという性格については?
山田久志氏「良い性格だね。ピッチャーにうってつけだね」
イチ視聴者(筆者)の番組感想まとめ。 やっぱりエースの観察眼は違う!!
草加投手が番組の最後に掲げたプロでの目標はズバリ「沢村賞」。「投手をしている以上、一度は獲りたい賞」と抱負を語ってくれました。今回のサンドラで筆者が草加投手の言葉で一番印象に残ったのはコレです。
「点を取られなければ負けることはないので、完封をできればしたいなと思っています」
ミスターゼロの異名を持つ即戦力右腕はプロでも変わらず完封を狙っていくことを表明してくれました。得点力不足が積年の課題であるドラゴンズも点を取られなければ負けることはない!もしもルーキーがそれを実際に体現したとあれば、投手陣全体に大きな波及効果をもたらしてくれるのではないでしょうか。
「防御率は悪くないのだから投手陣は頑張っている」と評価をされていてもチームは2年連続の最下位。もちろん打線の得点力向上を怠ってほしくはないのですが、「点を与えなければ負けない」を合言葉に投手陣が今よりもより一層強固なものになればかつての強いドラゴンズが取り戻せるのではないのか―と思ってみたりもしました。
新人王獲得を宣言した草加投手には1年目から大いなる活躍を期待しています!!
(このコラムを書いたのは・・・サンドラ視聴歴約30年の40代竜党)