奇跡の“青い糸”は結ばれるのか?ドラゴンズ1位指名候補・武内夏暉投手に直撃インタビュー!
【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)
サンドラ恒例の“アレ”
10月26日、いよいよ間近と迫ってきたプロ野球ドラフト会議。ドラフトといえば番組恒例の“アレ”。今やドラゴンズ球団関係者からもお願いされるほど絶大なる効果が期待される、サンデードラゴンズMC若狭敬一アナウンサーの滝行が10月某日、お馴染みとなった名古屋市守山区にある倶利加羅不動寺にて執り行われた。
若狭アナが滝行衣を身にまとうのも今年で6年目。1年目、2年目に見事根尾昂投手、石川昂弥選手を引き当て、それ以降もドラフト1位指名選手を全員無事獲得しているだけにもうやめるにやめられなくなったこの滝行。しかしここ3年、ドラフト1位はすべてクジなしの無風が続いているだけに効果が残っているのか心配との声も聞こえ始めているのも確か。さて今年は4年ぶりとなるクジ引きか、それともクジなしの単独指名となるのか!注目していきたい。
今週のサンドラはドラフト会議直前スペシャルと題し、赤星憲広さん、そしてスタジオゲストの吉見一起さんの解説つきで指名が予想される有力選手を紹介する!
注目は東都6人衆
今年ドラゴンズが補強ポイントに挙げているのが即戦力投手。狙うは豊作との声が上がる大学生投手だ。その中で東都6人衆と呼ばれる投手たちがドラフト注目の的となっている。ただし彼らを獲得するには競合は必至!この中にドラゴンズが狙うドラフト1位がいるはずだ。ではひとりずつ紹介していこう。
■常廣 羽也斗(つねひろ はやと)
投手 青山学院大学
180センチ 73キロ 右投右打
<赤星解説>
今回のドラフト候補の右投手ではナンバーワン。投球フォームがイーグルス岸投手に似ている。制球力も抜群で競合必至。すでにカープが1位指名を公言。
<吉見解説>
今ドラフトナンバーワンと言って良い逸材。赤星さんと同じ印象でまさにイーグルスの岸投手を彷彿させるピッチャー。1年目から2桁勝てる力を持っている。
■下村 海翔(しもむら かいと)
投手 青山学院大学
174センチ 73キロ 右投右打
<赤星解説>
ストレートは最速155キロ。鋭く曲がるカットボール、スライダーも一級品。投げっぷりも良く、ドラフト1位で消える逸材。
■草加 勝(くさか しょう)
投手 亜細亜大学
182センチ 75キロ 右投右打
ゲームメイク能力に長けた最速153キロ右腕。巧みな投球術を武器に打者を手玉に取る。
■西舘 勇陽(にしだて ゆうひ)
投手 中央大学
185センチ 79キロ 右投右打
<赤星解説>
タイプはパワーピッチャーだが比較的制球力は安定している。落ちるボールも制度が高く、先発、リリーフどこでもこなす器用なピッチャー。
■細野 晴希(ほその はるき)
投手 東洋大学
180センチ 85キロ 左投左打
アマチュア左腕最速の158キロを計測した剛腕。ドラフト1位候補ながら、その伸びしろは無限大。スケールの大きいサウスポーだ。
そしてサンドラが大注目するのはこの投手だ!
■武内 夏暉(たけうち なつき)
投手 国学院大学
185センチ 90キロ 左投左打
<赤星解説>
今年のドラフトでは右の常廣投手、左ではこの武内投手がベストピッチャーではないでしょうか。最速153キロを投げ、抜群の制球力が魅力。カーブ、スライダー、チェンジアップ等、多彩な変化球の制度も高く、ドラフト候補の中でも即戦力として一軍ですぐに起用されるはず。
<吉見解説>
ストレートとチェンジアップが素晴らしくて、インコースにしっかり投げ切れるコントロ―ルが絶妙。
赤星さんから即戦力候補として高い評価を受けた武内投手をサンドラは直撃!間近に迫ったドラフトについて胸中を語ってもらった。
ドラとは縁もゆかりもないと思いきや
高校は九州・八幡南高出身の武内投手。何ひとつドラゴンズと縁もゆかりもないと思いきや、取材を始めていくと驚きの事実が明らかとなっていく。
武内投手「高校時代にドラゴンズスカウトの三瀬さんから紹介を頂いて、国学院大学のセレクションを受けられることになりました」
なにやら急にドラゴンズ臭が漂い始める武内投手。もしや相思相愛、指名してもすんなりと入団のパターンなのかもしれない。
そんな武内投手、高校時代までは全国的にはまったくの無名投手。中学の時に左ひじ手術をしたこともあり、本格的にピッチャーを始めたのは高校2年とキャリアは浅い。
武内投手「(高校当時は)コントロールもまだまだですし、球の力もなかったので、全然プロには程遠いレベルでした」
転機は大学入学後。三瀬スカウトの一言がきっかけで国学院大学の門をたたいたことから始まる。
武内投手「まずセレクションに来て、すごくレベルが高くて、合格した時は自分で大丈夫かなと思いました。ただ三瀬さんに見てもらえて、更に成長しようと思いましたし、より一層練習に力が入りました」
つながるか?運命の“青い糸”
努力は結果となって現れた。大学2年の全国大会で8回途中までパーフェクトに抑え、見事完封勝利。その名を全国に知らしめ、3年からはチームのエースとして活躍。磨き上げたコントロールを武器に今ドラフト注目投手として評価を高めた。
武内投手「試合を作る上でコントロールは大事。勝つために必要な材料だと感じています」
今や実力は折り紙付き。気になるのは武内投手の性格だ。猛者が揃うプロの世界、すぐ心が折れるような心の持ち主では困ってしまう。しかし彼の口から出た言葉にひと安心!
武内投手「周りに左右されずに、1人で黙々と練習ができるタイプです。1日1日何か成長できることが積み重なって、徐々に力がついていったと感じています」
好投手が揃う東都大学野球で投げた経験が実力を高めてくれたと武内投手は振り返る。
武内投手「東都のピッチャーがいたから、自分もここまで成長できたと思います。意識しあえるライバルがいなかったら、ここまで来られていないと思うので、恵まれているなと感じています」
在名スポーツ紙1面トップでドラフト1位指名有力候補として紹介された武内投手。それを伝えると、すでに家族から当日の新聞が送られていたのが明らかに。これはやっぱり相思相愛ムードプンプンか?そこでズバリ、好きな球団を聞いてみた。
武内投手「ソフトバンクホークスです」
そりゃそうだ。なんてたって地元球団。
とはいえ、ドラゴンズが指名した場合は問題なくプロの門をたたいてくれるはず。
武内投手「もしドラゴンズに入団した際には、1年目から即戦力として、チームの優勝に貢献できるよう頑張りたいと思います」
社交辞令といえども、うれしいセリフ!ドラフト会議でCDマークの帽子をかぶってくれることを祈るばかりだ。
気になる他のドラフト候補
サンドラでは武内投手を1位指名と予想。若狭アナのズバ抜けた(?)滝行効果を考えれば外すことは考えられないし、考えたくもない。ただ、もしかしての外れ1位を考えなければいけない。その候補として吉見さんが挙げたのは、下村海翔投手(青山学院大学)、古謝達(こじゃ たつき)投手(桐蔭横浜大)の2人。
そして2位指名以降は完全ウエーバー制。他球団の指名如何で欲しい選手を取られてしまうこともあれば、この順位で残っているなんて奇跡と感じる選手も出てくるはず。
即戦力投手とともに打てる打者の獲得が求められているドラゴンズ。今ドラフトナンバーワン打者として呼び声の高い、度会隆輝(わたらい りゅうき)外野手(ENEOS)が2位指名で獲得できれば万々歳だ。ウエーバー順位が2巡目トップだけに1位指名で消えないことを祈るばかりだ。
その他有力選手を挙げれば、チャンスに強いバッティングが魅力な上田希由翔(うえだ きゅうと)内野手(明治大)は地元愛産大三河高出身だけに人気が出そう。また高校ナンバーワンショートと評価の高い、横山聖哉(よこやま せいや)内野手も将来性を考えれば、ぜひとも獲得したい選手のひとりだ。
来季はAクラス入りが最低条件ともいえる立浪ドラゴンズ。まずはこのドラフトで有望選手を獲得し、勝利に向けての狼煙を威勢良くあげたい。そして10年後、2023年は最高だったと言えるドラフトになるよう、素晴らしい結果を残してもらいたい。
がんばれドラゴンズ!
燃えよドラゴンズ!
竹内 茂喜