今季初登板で好投見せた根尾投手 一軍合流までの一週間に徹底密着!
【サンドラを観られなかった全国のドラ友と共有したい番組のコト】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム
このコラム(?)は「サンドラ」を観られなかった全国のドラ友に話したい! との思いから番組の内容を綴る、竜党のみなさんに向けた、竜党による、竜党のためのコラム(?)である。
9月17日の放送回で共有したいトピックスは、根尾昂投手の一週間徹底密着企画。サンドラ取材班が9月9日から根尾投手の行動を追うと一軍合流と本拠地初先発が決定した。先発転向の取り組み、そして一軍の先発マウンドに上がる胸中が語られた。まずはウエスタン・リーグのタイガース戦に先発登板した9日の試合レポートから。
タイガース二軍を相手に6回5失点。98球目に最速153キロを計測
9日の試合が行なわれたのはタイガースのキャンプ地でもある高知県安芸市の安芸タイガース球場。根尾投手は初回にいきなり2ラン本塁打を浴びると、6回を110球、被安打3、奪三振7、失点5の結果に終わった。この試合で目を見張ったのは98球目に投じたボールが、この試合の最速153キロを計測。先発投手としてスタミナ面の不安は無さそうである。試合後の根尾投手のコメントは以下。
――今日のピッチングを振り返って
根尾投手:先に点を取られましたし、もっと失点を防いでいかないといけないと思います。まだ勝っていないので早く勝って、もっと自分のピッチングを確立していきたいと思います。
先発翌日、根尾投手の姿がない・・・
9月10日は雨天で試合が中止となり、安芸ドームでの室内練習に。先発翌日の根尾投手の練習風景に注目したのだが、全体練習をするチームの中に根尾投手の姿がない。じつは前日のうちに名古屋に帰ったとのこと。そこでサンドラ取材班は根尾選手に関わる情報を集めるため、前日の試合で根尾投手とバッテリーを組んだ山浅龍之介選手に取材を敢行。山浅選手から見た根尾選手の現状のコメントが以下。
山浅選手:一時期ボールが荒れていた時期もあって、そこから先発で毎回試合はキャッチャーが誰であろうと作れるピッチャーなので。後はキャッチャーがどれだけ根尾さんの良さを引き出せるかだと思います。
浅尾コーチが根尾投手を語る
9月12日、火曜日のナゴヤ球場にて。サンドラ取材班はあらためて根尾投手に密着取材を放送する旨を説明。すると「何も映す事ないと思います。野球をしているだけなので」と笑顔で回答。休日だった前日の過ごし方を尋ねたところ、「ほぼほぼ爆睡していました。夜、ご飯を食べに行ったくらいです」とのこと。
この日の根尾投手はブルペンに入り約30球を投げ込んだ後に、鏡に向かってフォームをチェックした。根尾投手の投球フォームについて浅尾拓也二軍投手コーチが次のように語った。
浅尾投手コーチ:沖縄春季キャンプの時に調子を崩して、自分でしっかりと考える時間を作って。気が付いたら、あのフォームになっていた。自分が良くなるために何をすればいいのかというのをよく考えているなと思います。
カーブ改良に磨きをかける
9月13日、水曜日。この日の根尾投手は室内練習場で“ある球”に磨きをかけていた。投げていたのはこれまでよりも“速くてキレのあるカーブ”。ゆっくり落ちるのではなく、キレがあって落ちるカーブとのこと。カーブ改良の意図を次のように明かした。
根尾投手:バッターがより嫌がるように、抑える確率を上げていくためにやっています。自分の配球の中で、その中の一つというか。そういう球種に、自信のあるボールになっていくように、どんどん精度を上げていこうと思います
9番目の野手として準備万端
9月14日、木曜日。根尾投手が室内練習場で行なっていたのはバッティング練習だった。一軍での先発はおのずと打席に入ることを意味する。サンドラ取材班は根尾投手に直球の質問をした。
――バッティング練習は好きですか?
根尾投手:僕は好きな方だと思います。二軍では打席に立っていないですけど、一軍で打席に立ったら、9番目の野手として役割を果たせるように頑張ります。
この日の練習中には近所の小学生がナゴヤ球場に社会見学に訪れていた。声援を送る子ども達に根尾投手は優しく手を振っていた一幕も。
根尾投手:(子供たちの声援は)嬉しいですね。カワイイっすね。
満を持して本拠地・初先発の舞台へ
9月15日、金曜日。遠征から帰ってきたチームと合流を果たした根尾投手は、ある選手のもとへ。今シーズン限りでの引退を表明した谷元圭介投手と握手を交わす姿があった。バッティング練習の合間にはメヒア投手と変化球について話す場面も。サンドラ取材班が練習後に直撃するとの根尾投手の口から重大発表が。
根尾投手:明日ですかね(一軍に)合流するのは。やってきた事をしっかり出せるように頑張ります。
9月16日、土曜日。ナゴヤドームで一軍に合流した根尾投手はチームメイトやスタッフに挨拶。ビシエドとは熱い抱擁を交わしていた。本拠地・初先発に向けて汗を流した根尾投手は自信に満ちた表情で意気込みを語った。
根尾投手:ファンの皆さんの前で投げられる事をしっかり噛み締めて、自分の役割を全うできるようにしっかり投げます。
谷繁氏から根尾投手へ「120パーセントを出そうとしないこと」
スタジオでVTRを見ていたサンドラ解説陣の谷繁元信さんが本拠地・初先発に臨む根尾投手に期待することを次のように語った。
谷繁氏:まずは一年間やってきたことを出す、それだけだと思いますね。120パーセントのものを出そうとするとあまり良くないんで、とにかく今持っている力を100パーセント出す。結果も必要でしょうけど、そこはあまり気にせずに投げてほしいですね。
そして9月18日、月曜日。根尾投手は本拠地で行われた広島戦に先発。今季初登板は、6回2/3、 4失点(自責点0)で、4安打3四球2三振と好投するも初勝利は消えた。
イチ視聴者(筆者)の番組感想まとめ。ベテラン選手の引退に思う、これが正しい世代交代なのか?
今回のサンドラを観た感想・・・。正直、モヤモヤした感情をまったくもって解消することができません。モヤモヤの原因はドラゴンズ一筋17年、堂上直倫選手の引退。
この日のサンドラでは堂上選手が当時12歳の2000年にサンドラに初出演した映像が流れ、それから7年が経過した秋。ドラフトでジャイアンツとタイガースと競合した末にドラゴンズが引き当てたあの感動は筆者にとって後にも先にも、これほど興奮と歓喜に満ちたドラフトはありません。2010年の優勝では間違いなく立役者の一人でしたし、その後も堅実な守備はチームトップクラスを誇っていたでしょう。2019年には自己最多の12本塁打を放ちドラゴンズにとって数少ないホームランを期待できる打者として存在感を示していたと思います。
堂上選手は引退を決めた理由として「一軍の戦力になれないと感じたことが一番」と話していましたが、イチ堂上ファンとしては今季、いや昨季からその判断に納得できるほどチャンスが与えられたかと思うといささか疑問でしかありません。若手との競争の上で負けたならまだしも、勝負すらさせてもらえなかったように感じるのです。拙守が目立った今季、堂上選手が試合の大事な場面で守備固めでも起用されたら何か変わったのではないか。そういったベテランを若手が実力で追いやってこそ世代交代は正しく行なわれ、チームは強くなるのではないかと思いながら今季のドラゴンズを見ていたのです。
堂上選手は「限界までやれたので心残りはない」と胸を張り、自身が監督時代には堂上選手をレギュラーに育てようとしていた谷繁さんも「本人も言ってましたが悔いは無いというのが一番だと思います」と讃えておられたので、これ以上部外者が不満を漏らすのは無粋でしょう。それでも、たしかなことは、筆者にとって「この選手が試合に出るのなら球場に観に行きたい!球場に行けないのであればせめてテレビでは見逃したくない!」、そう思えるプロ野球選手は堂上直倫選手だけでした。17年間、応援させていただき本当にありがとうございました!! ドラゴンズファンになって良かったと思えたのはあなたがいたからです。
(このコラムを書いたのは・・・サンドラ視聴歴約30年の40代竜党)