立浪ドラゴンズ今シーズンの振り返りとドラフトでの補強ポイントを直撃!
「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム
10月9日放送回のサンドラでは、最下位に終わってしまった今シーズンの反省点や良かった点を振り返る立浪監督のインタビューと、直前に迫ってきたドラフトのドラゴンズが狙っているポジションの指名候補選手を特集それでは早速振り返る。
「投手陣の奮闘」「打撃の課題」初年度のシーズンを立浪監督が総括!
「全力でやっては来たんですけど、ご覧のように最下位に終わってしまった責任は私にある。」
立浪監督はそう反省するが、3位とのゲーム差はわずか3、若手を積極起用して世代交代を図りながら奮闘した。そんな戦いの中でも、チーム防御率はリーグ2位とした。その中でも小笠原慎之介投手は2年連続の規定投球回達成と、自身初の二桁勝利をマークした。
「この打線の中で二桁勝利、また1ヶ月コロナでシーズン抜けた中でこの成績は非常に評価できる。」
また、高卒2年目の髙橋宏斗投手は6勝をあげ侍ジャパン強化試合にドラゴンズから唯一選出された。髙橋投手自身はこんなコメントを残した。
「最初はすごくびっくりしました。試合に出始めて一年目だったのでまさかという感じではいましたね。本戦ではないんですけどしっかりアピールしていきたい」
さらにリリーフ陣は、ジャリエル・ロドリゲス投手が最優秀中継ぎ投手、R・マルティネス投手が最多セーブ投手とタイトルを獲得した。
「ロドリゲスは、シーズンを通して一度離脱があったが、今年は中継ぎに転向して嬉しい誤算と言いますか、本当に申し分ない働きをしてくれた。R・マルティネスは、セ・リーグだけじゃなく12球団見ても1、2位を争う安定感のあるピッチャーですから」
課題のバッティングについては、チーム打率はリーグ4位と他チームに比べ大きな差があったわけではない。大島洋平選手が最後まで首位打者争いを繰り広げ、岡林勇希選手はイチロー氏以来の高卒3年目での最多安打のタイトルを手にした。そのことについて岡林選手本人はこう語る。
「最多安打のタイトルを取れたらラッキーぐらいに思っていたが、取りたかったのですごく嬉しかった。ずっと試合に出続けることを本当に目標としていたので(最多安打という)遥か先のことが最終5試合くらいで見えてきたのでそこで取れたのですごく自信になりました」
そんな岡林選手に特に期待していた立浪監督はこう評価した。
「シーズン前に指を走塁で怪我したところからスタートしたが、よくその怪我を乗り越えて開幕から活躍してくれましたしシーズン途中へばっている時期は何度かあったんですけど(主力となって)ここまで一年目からできるとは思っていなかったので素晴らしい働きをしてくれた」
好成績を残した1、2番でチャンスを作ったものの、得点数はリーグワーストであった。
「明らかにホームラン数が圧倒的に少ないので、試合をひっくり返すような一発がほとんどなかったに等しい。ここ一本が今年も出なかった。そこが一番最下位になった原因じゃないかなと思っています。その辺は、外国人の補強も含めてドラフトも含めていろんな策を練り直していきたい。変わっていかないとと自分も感じていますし、もちろん選手も本当に変わってくれないとこっちもどんどん変えていこうと思うシーズンでした」
そんな立浪監督が打った一つ目の手は打撃コーチのテコ入れだ。来シーズンの一軍打撃コーチに招へいすることが決まった和田一浩氏は、通算2050安打、319本塁打、打率.303と勝負強いバッティングが持ち味の現役時代だった。石川昂弥選手や鵜飼航丞選手など若手の長距離砲の育成に大きく影響を及ぼすだろう。今シーズン苦しい戦いとなってしまった要因の戦力補強不足にも今後期待がかかる。
ドラフト上位指名候補は二遊間!天理大・友杉選手に迫る!
ドラゴンズは今シーズン、高卒2年目の土田龍空選手の台頭こそあったが二遊間を固定することができなかった。立浪監督自ら、即戦力内野手を視察するなど明確な補強ポイントとなっている。そこで上位指名が有力視される即戦力内野手をピックアップする。
まずは、立教大学の山田健太選手。183cm、88kg、右投右打で大阪桐蔭時代は根尾昂選手とともに活躍、大学進学後は一年春からスタメンに定着し長打が魅力の大型セカンドとして注目を浴びる。
つぎに、亜細亜大学の田中幹也選手。166cm、64kg、右投右打で最大のセールスポイントは軽快な動きを見せる守備。4年春の全国大会ではキャプテンとして全国制覇&MVP獲得している。
最後に立浪監督が一番に見た、天理大学の友杉篤輝選手。171cm、70kg、右投右打で50mを5.9秒の足を生かした、躍動感あるプレーが持ち味の遊撃手。天理大学では一年春から頭角を表すと、首位打者2回、打率4割越えを3度マークし小柄ながら卓越した打撃センスを持つ選手で立浪監督も評価する逸材。
「守備でも足を生かして、打撃でも足を生かす。走力が一番の武器です」
「自分でも小柄だと思いますけど、小柄だからダメというのはないと思うので小柄な選手は打撃が課題と言われがちですけど、しっかりヒット量産して小柄でも打てるんだぞというところを見せたい」
そんな友杉選手は、立正大淞南高時代は無名だったが天理大学への進学が転機となった。
「甲子園に出ていないし、あまり全国レベルというのがどのレベルかわからなかった。天理大に入ってみて、同級生に甲子園に出ている選手がいっぱいいて、その中で一年生からベンチに入ったり試合に出させてもらったことが自信になった。大学に来てプロを目指すのを意識し始めた」
大学2年の春課題だった、打撃向上のあるきっかけを掴んだ。
「新型コロナの影響でリーグ戦がなかった。そこで全体練習が止まってしまって個人で練習するしかなかったので、バットを振る数が増えてスイングが速くなったのがきっかけの一つでした」
その努力が結果となって現れ、2年秋のリーグ戦で首位打者を獲得。3年春には全国大会で10打数8安打という脅威の成績を残しドラフト注目選手まで駆け上がった。
「そのあたりから注目されるようになったので、そこで絶対にプロへ行くという気持ちになりました。高校生の頃から走塁だったり守備には自信があったので、そこに打撃がついてきて守備が良い、走塁が良いってなったと思うので打撃が一番大学で成長して注目されるきっかけになったと思います。」
「すごく素直な気持ちで練習や試合に取り組む選手」とチームメイトから太鼓判を押される性格面も成長を後押しした。
「素直にというか、野球に関しては誰のアドバイスでもちょっと一つやってみて、後輩でも自分が調子悪かったら『こうなっているよ』って言ってくれるので、チームメイトみんなに感謝したいです。自分結構ポジティブなんで、そういうのは自信持ってやらせてもらってます」
直向きに努力を重ね、ドラフト注目の的へと進化した21歳、ドラゴンズについての印象は。
「井端選手と荒木選手の二遊間はすごく魅力のある良い二遊間だったのでそのイメージです。今は土田選手がショートを守っていたり、同級生の根尾選手がピッチャーに転向してやっぱりスター選手なので、すごいなと思っています。真面目そうな性格で野球に対してすごく考えてやっていると思うのでそういう部分で話してみたい」
「プロを目指して今までやってきたので、気負いせずいつも通りプレーしてドラフト会議当日を迎えたいと思います」
赤星憲広氏からのコメントは。
「関西ではかなり名前のあがっている選手なので、今年二遊間があんまりいないっていうのもあるので上位でいかないと獲れないかもしれない。でもドラゴンズからするとセカンド欲しいと考えると取りたい選手。スピードもありますし、バッティングも上達してますからプロでもなんとか活躍できるんじゃないかなと思いますけどね」
赤星氏が挙げたドラフト一位候補はピッチャーだったが、二遊間のスタメン固定は急務であることは間違いない。どんなドラフト戦略になるかは当日までわからないが、近年では高卒でもすぐに結果を出す選手も現れており、大卒の鵜飼選手も一年目で活躍の片鱗を見せてくれた。無理に焦る必要はないが、来シーズンからのドラゴンズを変えていく存在の選手が来てくれることに期待したい。
澤村桃