次世代の正捕手候補!石橋康太 4年目の経験と同世代の刺激について語る!
「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム
9月18日放送回のサンドラでは、入団4年目となる次世代の正捕手候補である石橋康太捕手の一軍昇格したときの意気込みや、同世代から受ける刺激などについて語る単独インタビューをお届けします。
次世代の正捕手候補、石橋康太の4年目の進化
今シーズンキャリアハイとなる27試合に一軍出場した石橋康太捕手は、次世代の正捕手候補として注目されている。入団から3年間は、二軍で2019年46試合、2020年53試合、2021年40試合と修行を積んできたが一軍での出場経験は少ない。また、2022年のオープン戦の打率は.091と結果は出せていなかった。なかなか一軍での実戦経験が積めない、その歯痒い時期の心境を石橋捕手はこう語る。
「バッティングの面でも全然結果を残していなかったので、一軍でしっかり通用するためにはというところを見つめ直した」
そうすると、5月に正捕手である木下拓捕手が新型コロナ陽性で戦線を離脱し、石橋捕手に白羽の矢が立った。
「一軍でも二軍でもやることは同じだったので、しっかり自分にできることをやろうと思った」
その結果が、ドラゴンズ20年ぶりの快挙である神宮球場での2試合連続完封勝利に繋がった。
「試合の中でのマウンドとホームの間での会話というか、実際に言葉は交わしてないですけど『ここ、こういけますか?』とか『ここ、こういきましょう!』だったりジェスチャーとか表情で会話しながら試合に臨めたのかなと思います」
その試合に対して立浪監督の評価はこうだ。
「神宮で2試合連続完封勝利は奇跡的なぐらいのね。石橋も非常にいい経験ができましたし何かあったときにスタメンで使える。あの経験は大きいし、本人にも大事にしてもらいたいと思います」
一方で打撃では課題を露呈してしまったことを石橋捕手自身はこう振り返る。
「チャンスで打てなかったというのは、自分の中ですごく記憶に残っているのでそっちの印象の方が強いです」
再び正捕手の座が遠ざかった石橋捕手にリベンジの機会が訪れた。8月24日のジャイアンツ戦。木下拓捕手が不調により二軍降格すると、石橋捕手がスタメンに抜擢された。
「急遽という立場だったんですけど、色々なボールを使いながら、相手バッターに的を絞らせないまま、イニングやアウトを重ねられたのでよかった」
そう語るようにリードでも存在感を見せると、打撃でのチャンスもしっかりとモノにすることができた。
「チャンスで一本打てるキャッチャーになりたい。これからも欲しいところで一本出せるようにしたいなと思います」
持ち前の長打力も活かしつつ、ここぞというところに強いバッターになってもらいたい。
同世代、後輩のチームメイトとの切磋琢磨
石橋捕手はリードに関して並々ならぬ情熱を注いでおり、若手期待の星、髙橋宏斗投手のリードに関しては特別な思い入れがある。そのことについてはこう語った。
「すごくいいボールを放ってくれるので正直打たれたら僕のせいって思いながら、そのくらい自分にプレッシャーをかけながら試合に臨んでいるんですけど、苦しくなった場面でも宏斗が自信を持って首を振って自分の投げたいボールを言ってくれますし、僕も冷静にバッターのことを見ながら出来ていると思うので、宏斗の強い気持ちがあってこそなのかなと思う」
髙橋投手は、サンドラの過去の放送回でゲームの流れを変える意図で三振をとろうとすることがあると語るなど、高卒2年目ながらもゲームの中の投球意図をしっかりと持って挑んでいる。それに石橋捕手もキャッチャーとしての判断を重ねて、切磋琢磨しながらレベルアップしているのだろう。さらにドラフト同期の根尾昂投手についてはこう語る。
「昂が初登板の時のキャッチャーが僕だったんですけど、最近受けていてもどんどんピッチャーの球になってきている。レベルの急激な上がり方というか、昂も本当にすごいピッチャーなので僕が足を引っ張らないように、二人でもっともっと高みを目指してやっていきたいと思います」
近い世代のチームメイトに刺激を受けつつ、自身の今後についてはこう気持ちを述べた。
「木下拓さんは超えていかなきゃいけない存在だと思いますし、木下拓さんのレベルまでではなくて木下拓さんを超えるように毎日練習しなきゃいけない。自分の実力でチャンスを掴んだ実感はないので、与えられたチャンスじゃなくて自分でチャンスをもぎ取る選手になりたいなと思います」
木下拓捕手という大きな壁がありつつも、純粋な眼差しで超えたいという言葉を放つ石橋捕手には説得力があった。リード、バッティングさらにはフレーミングやブロッキングなどキャッチャーとして身につけていかなければならない技術は沢山あるが、力強く言い切る言葉から日々の努力による裏付けを感じた。一軍での経験を大きな糧として、いち早く木下拓捕手を脅かす存在となってほしい。
澤村桃