吉見さん大爆笑!元中日・伊藤凖規さん、今だから語れるドラフト当日裏話!“頭の中はコアラのマーチでいっぱいでした”
CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」燃えドラch
吉見一起の“ヨシトーーク”伊藤準規・ドラフト指名の裏側編
元ドラゴンズの絶対的エース・吉見一起さんの初々しいトークが評判の燃えドラch『ヨシトーーク!』。現役時代さながらの絶妙なコントロールで球界裏話や同僚、ライバル話をビシバシ投げ込む!
今回も引き続き、元中日ドラゴンズ・伊藤凖規さんを迎え、現役時代の思い出話を語る!今回のトークテーマはドラフト裏話!なんと吉見さんにはドラゴンズとは違う希望球団があった!?希望枠&ドラ1候補だった2人がドラフト指名当日のウラ側にせまる!
ドキドキしなかったドラフト当日
吉見『凖規は何年入団?』
伊藤『2008年ドラフトですね』
吉見『2位だよね?1位は?』
伊藤『野本さんです。2008年から合同ドラフトだったんですよ。それまで高校と大学・社会人は別々だったじゃないですか』
吉見さんは2005年のドラフトの目玉として騒がれ、ドラフト希望入団枠で中日ドラゴンズへ入団。ちなみにその年の高校生ドラフト1位は平田良介外野手と、ドラゴンズにとって満点に近いドラフト指名となった。
吉見『オレはね、逆指名というか希望枠だったから、ドラフトの日は確か関東へ遠征に行っていたんだよね。事前会見していたから、その日は何もなかった。だからドラフトって、当日ドキドキしたとかという思い出があまりなくて』
ドラフト当日に会見がないなんて、全く考えられない!
事前会見しているわけだから、今さら何?という雰囲気だったのか?
伊藤『すごいですね!プロ野球の特待生みたいな感じですよね。今イチ希望枠って分からないんですけど、“1位で獲るから宣言してくれ”“はい、行きます”といえば、決まりという感じですか?』
吉見『記者会見して逆指名宣言して終わり』
伊藤『逆指名って、複数球団ぐらいから1位指名でいきますという話も来るんですか?』
吉見『あるある。オレは社会人2年目まではバリバリに投げていて、8球団ぐらいきたで!』
伊藤『マジっすか!』
ドラ以外に意中の球団があった!?
金光大阪高校時代、エースとしてチームをセンバツ出場へ導く活躍を見せ、プロの目に留まった吉見さん。しかし三年夏の大会前に股関節をまさかの亜脱臼で戦線離脱。プロの道は一旦閉ざされたものの、関東の某有名大学へ進学が決まっていた。それが急転直下、学校側より“トヨタ自動車の練習に行け”と言われ、何が何だかわからないうちにトヨタ自動車へ。それから3年間奮投し、ドラフトの目玉へと成長を遂げたのだった。
吉見『当時、正直言うとスカウトが来ているか来ていないか分からなった。ただ一人、遠征に行くと必ずいるスカウトがいたの。それが米村さん(現チーフスカウト)!』
伊藤『えぇーっ!』
吉見さんをはじめ、大野雄大投手、そして根尾昂選手を担当したのが米村チーフスカウト。日本全国で金の卵を探し続ける、今やアマスカウトのトップ中のトップな存在である。
吉見『オレ、そんなに米村さんのこと知らなかったし、でも関西遠征に行くと必ずいるの。ドラゴンズだけはずっと狙ってくれていた。社会人3年目でドラフトの二か月前ぐらいだったかな、“1位で来て欲しい”と言われて、もう訳も分からず決まってしまった感じだった』
そして、ここで衝撃発言!
吉見『ホントは違う球団が良かったの。もし1位で行けるのならという条件で。ただその球団からは話がなかった。ドラゴンズが1位指名で一番良い条件だったからプロ入りを決めた。だから全然ドキドキせず』
地元が大阪だけに、もしや縦縞のあのチームが憧れだったのか!?
伊藤『ちょっとドキドキ感違いますね、確かに。ボクらとは感覚の違う世界ですね』
もしやのロッテ指名!?
一方の伊藤さんは地元ドラゴンズ一本!それもドラフト1位指名での入団を夢見ていた。
伊藤『11球団から指名される可能性があって、1位もしくは外れ1位でないとドラゴンズには入れないと言われていたんです』
しかし運命の糸はドラフト当日、突然絡み始める。
当時の落合監督が“1位は伊藤ではなく野本”と、急遽指名変更!
楽天も野本さんを指名し、結果競合となり抽選の運びとなった。
伊藤『もう“頼む!頼む!”とクジが外れることを願っていたのですが引き当てて、“これは終わった…”と思っていたんです。2位指名となれば下位球団からだったので(ドラゴンズからの指名は)諦めていたのですが、なんとか指名されず、ドラゴンズが獲ってくれました!』
野球の神様は伊藤少年を見放してはいなかった!
まさに大願成就!夢にまでみたドラゴンズ入りの扉が開いた瞬間であった!
吉見『ドラゴンズからは事前に順位まで言われていたの?』
伊藤『基本的には1位で行くと言われていました』
吉見『言われていたけど、落合さんの一言で……へぇ、そうなんだぁ』
なんとも言えない大人の事情とでも言いましょうか。
これでもしドラゴンズに入っていなかったら、一生恨んでいたかも。
吉見『でも(2位指名までまだ残っていて)来い!来い!って、思ってた?』
伊藤『ボクらの頃はドラフト会議の映像がなくて、誰かが速報を見ていてくれてたんです。ロッテ指名の時でした。急に場の空気が変わったんです』
その時、運が良いのか悪いのか、会見場で隣に座っていた監督の携帯電話のベルが鳴る。
伊藤『“(落胆した感じで)ロッテだ…”と』
吉見『めっちゃ嫌そうやん!(笑)』
伊藤『いやいやいや!嫌じゃないですけど、ドラゴンズに行きたい気持ちが強くて、“ロッテかぁ…”という気持ちに』
もう頭の中はロッテからの指名でいっぱい!
伊藤さんはその時点で既に会見時の挨拶の言葉を考え始めたという(早いわぁ)。
伊藤『(ロッテといえば)コアラのマーチと…なんて、色々考えるじゃないですか。でも監督が“ありがとうございます”と応えた後、“ドラゴンズから2位指名頂きました”の一言で身を乗り出して頭を下げ、心の中では“ヨッシャー”と!(笑)』
地獄から一挙に天へ昇りつめた伊藤さん!
その時のうれしさと言ったら、表現できないほどの喜びだったのでしょうね!
年俸は10万円でも多くもらえ!
吉見『凖規にとっては地元やんか。誰が好きだった?』
伊藤『立浪さん、福留さん、川上さんです。この三人が大好きで、福留さんとだけ現役一緒にできなかったんすよ。入れ替わりで。立浪さんと川上さんとは一緒にできたので、めちゃくちゃ嬉しかったです』
憧れの選手と同じユニホームを着てプレーをする。
野球を愛する者にとってこれほど嬉しいものはない!
『希望枠だと条件とかの提示はされたのですか?』
突然スタッフから金銭話がふられる!
いたいけな少年がようやく想いを遂げた話で盛り上がっている最中に飛び出した条件提示話!
今聞く話じゃ…いや、それは大変興味ありますなぁー!
吉見『交渉前段階だったので、他の球団からは提示がなかったです』
スタッフ『ドラフト指名後の条件交渉は?』
伊藤『仮契約の時、最初の提示は年俸が700万円と言われたんです。ただその数字は12で割り切れないなと言われ、720万円になりました』
吉見『その20万円は大きいよね!』
選手名鑑で必ず年俸は記載される。
それは選手にとっては評価といえるもの。
吉見『(元中日の)高橋聡文さんに言われたことが、“10万円でも多くもらえ”と。たとえば活躍して1000万円ねと言われて、1500万円で契約できたとすれば、その500万円がその後の活躍によって倍・倍になっていくとかなりの差になるんだよと』
2000万円が3000万円に。
そして4000万円が6000万円へと、活躍さえすれば倍々ゲームとなり、差額は自然と開いていく。
吉見『もらえる時はもらっておけと言われてたよね。聡文さんの名言だったよね』
まさに、This is プロ野球!
活躍すればするだけお金が稼げる!
苦労も多いだろうけど、いやあ、夢があるよね!羨ましいの一言!
(竹内茂喜)