バントのサイン!?覚えない!いや、覚えられない!憲伸、今だから語る“オリジナルサイン”のススメ

バントのサイン!?覚えない!いや、覚えられない!憲伸、今だから語る“オリジナルサイン”のススメ

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」燃えドラch
川上・井端のすべらない話シリーズ プロ初話前編

ドラゴンズ黄金時代を支えた投打の両輪でもあり、97年ドラフト同期でもある川上憲伸、井端弘和が、グラブからマイクに代え、イバケンコンビを結成!燃えドラchというフィールドで球界裏話や同僚、ライバル話を大放出!

大好評の川上・井端のすべらない話シリーズ、今回のテーマは、プロ初話について。投手であれば、プロ初登板、初勝利、初完封などなど。打者ならば初安打、初ホームランなど、初物については多くの思い出が語れそう。しかしそこは期待に応えるイバケンコンビ!予想にもしない“プロ初”が聞けそうだ!

予想もしない“プロ初”話

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

フリップからお題を選んだのが“プロ初”話。
開始早々、イバチンから期待通りともいえる(?)予想もしないネタが飛び出す!

井端『プロ初と言えば…山内壮馬』

川上『渋いところ行くね!』

おー!たしかに渋いところをつく!山内壮馬!
2007年、大学・社会人ドラフト会議で、中日ドラゴンズから1位指名を受けて入団。
その後、東北楽天へ移籍。2016年、現役を引退。
現在、名城大学硬式野球部コーチを務めている。
今年カープに入団した栗林投手を育てたっちゅうことで一躍名が広まりましたね。

それにしても何故、山内壮馬さん!?

井端『地方球場だったと思うんだけど、そこで1-0で勝っていて、5回成立した時に雨が降ってきて、試合勝ったのよ』

川上『試合が終わったのね』

井端『先発した山内壮馬が完封っていう扱いになって、なんとそれがプロ初完封!』

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

遡ること10年前。
2011年4月27日、中日vs横浜(豊橋市民球場)。
1-0で迎えた6回裏に降雨コールドが決定。横浜打線を1安打に抑え、自身プロ唯一の完封勝利を飾ったのだ。

井端『プロ初完投初完封、それが最初で最後だったのね。そんな扱いになるんだと思ってね』

川上『ノーヒットノーランの時はどうなるんだろうね?』

井端『なるんじゃないの?』

気になったので調べてみた。
どうやらコールドゲーム、あるいは9回もしくは延長戦まで行っての引き分け試合で無安打無得点を達成した場合は参考記録扱いとなるようだ。

6回であろうと、完封勝ちは完封勝ち。
素直にプロ初達成を喜んだ当時の山内さん。
しかしチームの同僚からは“完封であって、完封じゃねえだろ~”との声が上がっていたとか(笑)。

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

川上『(山内は)どっちかっていうと、すぐに代わりたいっていうタイプだからね』

井端『まあね。勝っていたら、“浅尾さんお願いします~”って感じだったからね』

なんだか山内話に火が付いたお二人さん。
お題を決めても当たり前のように脱線するのがイバケントーク!
はい、ここが売りなんです!(笑)

川上『(山内といえば)クライマックスシリーズ(以下、CS)の巨人戦の時にね、ちょっとした弱いゴロが足に当たったぐらいで…』

井端『知ってる!知ってる!まあまあ強い打球じゃなかった?泣きそうな顔していたよ』

マウンドに集まり、心配そうに山内さんへ声をかけるやいなや、返ってきた言葉はなんと!

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川上『即答で“代わります!”って言ったんだよ』

これまた9年前に戻りましょう!
2012年10月21日 巨人vs中日(CSファイナル第5戦)
0-2で迎えた4回裏の先頭打者・村田の打球を左すねに当て負傷降板!

イニングの進行、そして点差からみて、まだまだ先発投手に頑張ってもらいたい場面。
それがあっさりとヘタレの先発投手が白旗を上げた為、予定外の展開にブルペンはてんてこ舞い!
結局、この交代を機に巨人のペースとなり試合を落とす結果に!
その後チームは2連敗を喫し、シリーズ涙の敗退へ。

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川上『当たりは強かったかもしれへんけど、代わらんでも良かったんじゃないのって感じがしてね』

井端『その前に点数取られていたしね』

川上『山内クンは気持ちが優しいから、その記録が…最後ですよ(薄ら笑い)』

プロ野球は厳しい世界なのよ、壮馬クン!
と憲伸さん、暗に示しているような言葉っすよ、それ!(笑い)

サインには頼らない!頼りは三塁ランナーのみ!

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

ということで次は憲伸さんの番!
何を話してくれるのかな?

川上『オレの初のなんとか…初めての試合でのスクイズかな』

井端『え!?初先発した時?』

川上『ナゴヤドームでの阪神戦。ピッチャー藪さんで、サードランナーが久慈さんだったかな?投げることで必死だったから、サインがさ…』

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井端『サインがさ…って、オレもあれだけど…10数年野球やってさ、サイン覚えていないでしょ!これ、いつもオレ思っていたもん!』

川上『難しいのよ、ホントに!もうね、☆■&%$#!』

苦しい言い訳が続く憲伸さん。
あえて詳細を記す必要はございません(笑)。

試合前に今日のキーはあれやこれやと打ち合わせをしたにも関わらず、ゲームが始まれば、すっかり頭の中から消え失せていたという。
どうも川上憲伸さんという方は、サインを全く覚える気がなかったプロ野球選手だったようです(笑)。

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話はスクイズ場面に戻る。
明らかにスクイズが来そうな展開。
ルーキー憲伸クンは思った。
“これ初球なのかな?2球目なのかな?”と。
頭の中では、正直に“分かりません”と言うべきか、でもそんなこと言ったら、星野監督にドヤされるとか、憲伸クンはプチパニック状態に陥っていたそうだ。

そこで何を思ったか、憲伸クン。

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川上『サードランナーが走ったら、スクイズにしたろー”と思って。オープン気味に構えて、走るかな?走るかな?と思っていたら、“おー!走った!”って瞬間にスクイズしてさ。なんとかゴロが決まって、ベンチのみんなが初打点よくやったと祝ってくれたの』

それが通用したのを良いことに、川上憲伸は悪の世界へ入り込む(笑)。

その後、春季キャンプで行われる、その年一年のサインを決める大事なミーティングにも、ノートを持たずに出席!
コーチから指摘されるものの、チームサインを記したノートは記憶した後、廃棄する習わしを良いことに、“暗記します!”と大口を叩いた憲伸さん。

川上『“お前、暗記できるのかー”って言われても、オレにはあの作戦があるからと思って(笑)。今だから言えるんだけどね』

それぐらい大胆不敵になれるぐらいが超一流の証なのかもね。

憲伸カンピューター緊急作動!

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

憲伸さんのスクイズ話に、ある場面の記憶が蘇ったイバチン!

井端『あれ、一回さあ、CSか巨人戦か何かでバスターやったじゃん。あれは自分の判断で?』

川上『(言葉をためながら、小声で)そう…』

井端『あれバントって分かったの?サイン?』

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川上『たぶんバントやろな…っていう』

憲伸カンピューターが緊急作動していたわけである。

井端『やっぱりそうでしょ!』

川上『だって無死一二塁じゃん!』

当時三塁を守る小笠原道大さんが5メートル前まで迫るシフトを敷いてきたジャイアンツ。
これには到底バントは無理と判断した憲伸さん。
一球目見逃して、二球目にバスターに切り替えて、三遊間に思いっきり引っ張った!

川上『これはやり過ぎだろうと思って、怒られるの覚悟でやったけど。あれはバントのサインたったんだろうな』

専用オリジナルサイン

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」©燃えドラch

実は憲伸さん、三塁ランナーの様子を見て作戦の他に、名古屋弁でいう“こっすい(標準語でいう、ずるい)作戦”持ち合わせていたようだ。

それは憲伸専用オリジナルサイン(笑)

それはまず常日頃から三塁コーチャーと良好関係を築く。
調子づいても大丈夫だなという頃合いを見つけて、独自サインのお願いを申し出たそうだ。
当時の記憶を辿り、サインはこんな感じだったようだ。

〇サインその1…待ての場合
~コーチャーが打っていけ~というポーズを取る。ややこしいなぁ。
〇サインその2…送りバントの場合
~コーチャーズボックス内で足を平行にして立っている。
〇サインその3…スクイズの場合
~コーチャーズボックスから足をはみ出し、ガチャガチャしている時。
〇それ以外、サインが指示されていない場合
~コーチャーズボックス内でただ単にうろうろしている。

これはプロのサインなのか!?(笑)
それぐらい簡素なサインを三塁コーチャーと契りを結んでいた憲伸さん。

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川上『だからサインは20年近く…独自のサインね』

井端『コーチャーはたまったもんじゃない。ただ、ピッチャーが打席に入った時って、バントのケースが多いから傾向が次第に分かって来るよね。ピッチャーだけ違うサインとか大いにありかもね』

川上『だからこの話を聞いて、プロ野球の投手の方はなるべくボクのようなことをした方がいいと思う。ちょっと厳しいコーチはアカンと言うけど』

井端『そういえばメジャーの時はどうだったの?』

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川上『アメリカの時は英語も分からないし、そんなこと言っちゃいけないかなと思ったから、通訳にサインを必死に覚えさせて、サイン出た瞬間に“アイツ、足組んだな”と見るや、バントをしたりとかね』

井端『通訳に覚えさせた!?(大笑)』

川上『ひまわりの種食べながらボケっとして、なんにも関係ないフリしながら、しっかりサインを出す!ここでスクイズかーとか』

まさかの通訳を使ってのサイン伝達!(笑)
どこまで行っても憲伸さんは一枚も二枚も上手です、ハイ!

(竹内茂喜)

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