ドラフトまであと3週間!ドラの恋人は一体誰?今年も地元高校生は逸材だらけ!
【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)
目標が見えない戦い
気づけば、もう風は秋色。
今シーズンも既に30試合を切り、我がドラゴンズは自力CS進出の夢も途絶え、目標がなかなか見つけにくい戦いを続けている。
来季、誰が指揮をするのか?いまだ陣容が決まらな
い中、舵を思いっきり若手にシフトしづらいのも理解できないわけではないが、なんとも今の戦い方に納得できないのがファンの総意ではないだろうか。
少しでも若手に実戦のチャンスを、そして経験を。
また来季への戦力補充に、ドラフトでは誰を獲得するのか?ファンの思い、視線はすべてそれらに向けられていると言っても過言ではない。
10月11日に行われるドラフト会議まで、あと3週間。サンドラは先週紹介した愛工大名電高の寺嶋、田村両投手に続き、地元有力高校生を一挙紹介する!
ドラ1高橋宏を超える逸材
まずは中京大中京高・畔柳亨丞投手。177センチ、86キロ、右投右打。上背はそれほどないものの、躍動感あふれるフォームから放たれる最速152キロのストレートは威力抜群!カーブ、チェンジアップを効果的に用いて、春の選抜では4試合3勝0敗、防御率0.33の数字を残した。
昨年ドラゴンズにドラフト1位で入団した高橋宏斗投手も一年後輩となる畔柳投手を大絶賛。
『一年前の自分と比べると畔柳の方が上回っている。彼の投球から自分も刺激を受けることはありましたね』
先輩高橋宏に続いて、中京大中京高から豪腕投手の2年連続の指名を待ちたい!
岐阜を代表するふたりのスラッガー
岐阜には将来を嘱望されるふたりのスラッガーが存在する。まずは県立岐阜商業高の高木翔斗選手!188センチ、89キロという恵まれた体を持つ右投右打の大型キャッチャー!自慢の強肩強打でチームを春夏甲子園に導き、夏の岐阜県大会決勝ではホームランを放つなど、ここぞという場面で結果を出す勝負強さも魅力!広角に長打を打てる技術も持ち合わせ、右のパワーヒッターを求めるドラゴンズにはもってこいのバッターともいえる。
ふたり目は岐阜第一高の阪口樂選手!187センチ、90キロ、右投左打の内野手。投手もこなす岐阜の二刀流。投げては最速143キロのストレート、打っては高校通算27ホームラン。長打力が魅力の左の大砲。昨年夏に行われた岐阜県独自大会において、今年ドラゴンズに入団した加藤翼投手のストレートをライトスタンドへ放り込んだ実績を持つ。打者一本でプロを目指したい意向で、もしドラゴンズのユニホームに袖を通せば、石川昂とのコンビにはかなりの夢を感じてしまう。待ち望んで久しい長距離砲ユニット結成だ!
プロ入りすれば、とんでもない球を投げるはず
そして今週サンドラが直撃取材を行ったのは、享栄高の竹山日向投手!
名古屋市出身で182センチ、84キロ、右投右打。最速151キロの力強いストレートを武器に、夏の愛知県大会では先発・リリーフどちらもこなし、チームの準優勝に大きく貢献した。
過去、中京大中京高で20年監督を務め、嶋(ヤクルト)、堂林、磯村(共に広島)らをプロに輩出した名将・大藤敏行監督は竹山投手について、こう語る。
『非常に身体能力が高く、スケールの大きなピッチャーですね。未完成なので、まだまだ今からのピッチャーだと思います。素材的には非常に良いものを持っています。バッターから見た力強さというのが一番良いところじゃないですかね』
ホームベース上での球の伸び、キレというものに優れたスキルを持つ竹山投手。さらに大藤監督はプロ入り後の竹山投手の将来性にも触れた。
『夢であるプロへ行って、そこで鍛えてもらえれば、とんでもないようなボールを投げるようになるのではと、楽しみにしています』
ライバル2人と切磋琢磨の3年間
チーム内でエース格に成長した竹山投手だが、高校入学時は他の同級生の方が目立っていたという。実は享栄高には竹山投手以外にも二人、超高校級のピッチャーがいる。
最速152キロ右腕の肥田優心投手、そして最速146キロ右腕の菊田翔友投手だ。
かなりの実力差があった入学時、竹山投手は当時を振り返る。
『一年生の時は二人とかなり差がありましたが、ライバル心は持っていましたね』
ライバル心を燃やす竹山投手を菊田、肥田両投手も同じ思いを心に秘めていたようだ。
『最初入学した時は絶対負けたくないと思っていた(菊田投手)』
『本当に良いライバル関係だと思っていました
(肥田投手)』
入学時の竹山投手を大藤監督も目立つ存在ではなかったと話す。
『中学の時は目立つような存在ではなかった。そのふたりに負けたくないという思いが、彼をここまで成長させたという意味では、良いライバルがチームに二人いたということじゃないですかね』
他の模範となるような選手になりたい
ライバルに負けない為に、大切にしていたのが毎日のキャッチボール。伸びのある球を強く意識することで、持ち味である力強い球を磨いた。
そして最も力を注いだのが体作り。
『最初は63キロで入学したのですが、2年秋の大会まで82キロまで増やしました。その結果、ボールの強さも良くなりましたね』
逞しく成長していった竹山投手。
その過程をライバル肥田、菊田投手もしっかり覚えていた。
『体重を増やして体づくりを頑張っているのを間近で見ていたので、コツコツ努力をする竹山はすごいなと思います。(肥田投手)』
『自分で決めたことは絶対やっていました。努力家で継続力があると思っています。(菊田投手)』
その結果、入学時より体重は20キロ以上増え、それに伴い球速もアップ!急成長を遂げ、プロ注目の投手となった。良きライバルとともに戦った高校生活。今度はその舞台をプロへと移す。
『ずっとプロ野球には行きたいと思っていて、やっと現実になりそうかなと思っています。球界を代表するような投手になって、生活面でも他の模範となるような選手になりたいです』
なかなか高校生で、他の模範になりたいとは言えるものではない。しっかりセルフコントロールができる性格はプロ向きと見るが、ゲストコメンテーターの赤星憲広さんの評価も高い。
『下半身がしっかりしていて、安定感のあるフォームが素晴らしい。数球しか見ていませんが、コントロールに苦しむタイプではないと思います。体の力も十分にありそうです!』
球団主導の若手育成システムの構築
投高打低が顕著に表れている現状のドラゴンズ。今年のドラフトは一にも二にも即戦力の長距離砲外野手獲得が最優先となろう。
もし上位指名で希望選手を獲得することができれば、やはり地元の逸材はなんとか指名したいものだ。巷では、“地元に偏る必要はない”とか“地元の選手はすぐに甘えて大成しない”とネガティブコメントも聞かれる。それでも古くはイチロー選手、最近で千賀投手のように、逃がした魚が大魚になった場合はショックも大きい。
地元選手を獲得しても大成しないのは選手の行いが悪いのか?それともドラゴンズの指導方法が悪いのか?
できることであれば、監督が交代してもドラゴンズの育成システムは何ら変わらない、球団主導となるしっかりとしたマニュアル作りを是非構築して頂けないものか。メジャーリーグでは当たり前ともいえるこのシステム。それぞれの選手に応じた育成プランを築き上げ、その中で選手がどのように成長をしているかを見極めながら内容を決めていく。またスカウト部門の意見も取り入れながら、一緒に考えていく。そんな育成システムがうまく回りだせば、自ずと多くの若竜たちがバンテリンドームで活躍する姿を拝見できるはずだ。
がんばれドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!
竹内 茂喜