井端、ドラフト候補社会人No.1右腕を直接チェック! ドラゴンズ向けオススメ選手も大公開!
「【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム」
Aクラスだけは譲れない!
まずは先週のおさらいから。
トラを倒しきれなかったものの、ハマの星座にはなんとかわずかながらも雲をかけることに成功。讀賣、阪神、横浜DeNAとの9戦をほぼ五分の戦いで終えたドラコンズ。Aクラスはたった1日で終わったもの、残りはたったの28試合。優勝は手が届かないところまで離れてしまったものの、2位フィニッシュを目指し、全力を尽くす!
残り試合の戦いとともに気になるが、三週間後に迫ったドラフト会議(10月26日・月曜日)。今週のサンドラはゲストコメンテーターに井端弘和氏を迎え、今年のドラフト社会人右腕No.1の呼び声が高い栗林良吏投手(トヨタ自動車)を直撃した!
指名モレの悔しさを倍返しだ!
今年のドラフト、特にドラゴンズが本拠地に置く東海地区には才能あふれる金の卵が目白押し。その中でも栗林投手はトップクラスの評価を受けている。
まずは簡単に彼のプロフィールを。177センチ、80キロ。右投右打の24歳。愛知県愛西市出身。愛知黎明高2年の時に内野手から投手へ転向。当時は全国的にも無名な存在であった。
しかし進学した名城大学で才能が開花!元ドラゴンズで活躍した山内壮馬コーチ指導のもと、最速153キロのストレートと新たに習得した変化球を武器に3年でノーヒットノーランを達成。卒業年次の4年では25季ぶりにチームをリーグ優勝へ貢献した。そしてその年、プロ注目のピッチャーとしてドラフト会議を迎えたものの、指名漏れ。つらい経験を味わった。
栗林『悔しさももちろんありましたし、会見場に報道陣などたくさんの人が見えていたので、申し訳ない気持ちが強かったです』
2019年、悔しさを胸に社会人の強豪トヨタ自動車へ入社。一年目から全国大会を経験すると、二年目の今年はエースとして都市対抗野球出場権獲得(第一代表)の原動力となるなど、さらなる進化を見せた。
井端『トヨタ自動車で得たものは?』
二年前の指名モレの悔しさを倍返し。ドラフト一巡目でないと獲得は難しいまでに成長した栗林投手に井端さんは質問を投げかけた。
栗林『ヘッドコーチから“社会人野球は一発勝負だから。気を抜いた一球で負けることがあるから全力で行け!”と言われて、練習からしっかり準備して全力でやっています』
練習から全力でプレーすることで、試合ではより力を発揮する可能性が増す。井端さんは彼の姿勢に感銘し、プロでの活躍に太鼓判を押した。そして彼の投げる球を実際に見て、その思いはより強くなったようだ。
大きく影響を与えた、ふたりのプロ経験者
バッターボックスに入ってピッチング練習を間近で見た井端さん。プロの目として率直なる感想を述べた。
まずはストレート。コントロール、角度ともよく、右打者への内角ストレートは抜群。最も自信のある球種フォークボールにはスピードもあり、落差もあって、プロの打者でも手こずると高評価。続けて総括を口にした。
井端『しなやかさもあり、パワーもあるピッチャー。大瀬良(広島)、マエケン(前田健太・ミネソタツインズ)タイプ。これにさらにパワーをつければ菅野(讀賣)級に』
さらに続ける。
井端『ストレートについて、アウトコースはカット気味に、そしてインコースには食い込んでくるんで、内外角に甘く入ってこないのが印象に残りました。また本人曰く、フォークボールに自信がないと言っていましたが、カウントを取るフォークが速くて、シンカー気味に来ます。このボールを有効に使っていけば間違いなく新人王、将来はエース級になれる器』
大瀬良?マエケン?菅野?新人王?そしてエース級!?絶賛の嵐とはこのことを指すのか。
無名だった高校時代からドラ1級のピッチャーに成長した理由には先述の山内さん、そしてトヨタ自動車でバッテリーを組む、ベイスターズからホークスでプレーした実績を持つ細山田さん、ふたりの“プロ経験者”の教えに影響があったのは確かだ。投手としての考え方プラス、打者を抑えるためのリードを理解した結果がスキルアップにつながったのは言うまでもない。ふたりに出会ったことで栗林投手は確実にピッチャーとしての“経験値”は高まった。
目標は大事な試合で勝てるピッチャー
どんなピッチャーになりたいかの問いに、大事な試合を任され勝てるピッチャーと答え、希望のチームにはもちろん地元ドラゴンズに入れたら一番うれしいと即答。
ここまで熱望されるならば、期待に応え、指名して欲しいもの。栗林投手本人にとっても地元だけでなく、ドラゴンズにはベテラン吉見をはじめ、祖父江、木下とトヨタ自動車出身が多いのも心強いはずだろう。
地元愛知には全国レベルの大物ピッチャー、高橋宏斗投手(中京大中京高)がいるものの、いまだプロ志望届が未提出。彼の動向如何では栗林投手の指名に拍車がかかるかも!?
ただ投手補強を優先できるチーム事情であるのか。一ファンとしては打てて走れて守れる、三拍子揃った外野手を最優先として指名してもらいたいところだが…。
井端さんオススメの選手は三拍子揃った遊撃手
番組中で井端さんに今ドラフトでのオススメ選手を紹介してもらったところ、投手ではなく野手の名前を挙げた。それも自身と同じ遊撃手を推薦した。
中野拓夢内野手。24歳。172センチ、68キロ。右投左打。日大山形高から東北福祉大へ進学。現在、三菱自動車岡崎でプレーしている遊撃手。
日大山形2年夏には二塁手として甲子園出場。東北福祉大では1年春からレギュラーとして活躍。社会人1年目のオフに行われたアジアウィンターリーグでは社会人野球日本代表として大活躍を見せた。攻走守三拍子揃った社会人野球を代表する遊撃手だ。
井端『ゲームを実際に見ましたが、小柄ながらパンチ力がありますし、守備もフットワークが軽快なので、非常に面白い存在になれると思います。京田選手の良きライバルになれると思いますし、また京田をより成長させる為にも良い刺激になります』
ファンから打撃の進化を期待される京田のお尻に火をつける。ライバルの存在があれば、チームもより戦力か増す。相乗効果を狙う意味でもよい補強になりそうだ。
ドラの補強ポイントは外野手
ドラゴンズの補強ポイントは?の問いに、“外野”と答えた井端さん。
井端『足が速くて、長打が打てる選手が一人、二人欲しいですね』
至極同意。他のポジションと比較しても平均年齢が高い外野陣。岡林に期待がかかるものの、タイプ的に一発を狙える長距離ヒッターが欲しい。もちろん栗林投手も欲しいが、あの人もこの人も獲れないのがドラフトの難しさ。
ここ2年、根尾、石川昂と思い通りのドラフトを展開したドラゴンズ。今年もファンの期待にかなうドラフト戦略を是非実践してもらいたいものだ。
がんばれドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!
(竹内茂喜)