「【ドラゴンズを愛して半世紀！竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」（毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送）を見たコラム」

1位は中京高・高橋と公表

今年も運命のドラフト会議がやってきた。

ドラゴンズファンはこの2年続けて最高の興奮と感動を味わった。そう、忘れもしない我らの与田監督が持つ“神の手”によって、根尾昂、石川昂弥を引き当てたのだ。世代最高といえる高校生スラッガー二人を次々と獲得。私自身のことで恐縮だが、数年後、必ずや訪れるであろうドラゴンズ黄金時代を頭の中で何度も思い描いたものだ。

ドラフト前日の25日、ドラゴンズは中京大中京高の高橋宏斗投手（サンドラ総合評価☆5…以降、評価と記す）を指名すると公表。3年連続超高校級、そして地元の逸材獲得に向け、万全を期す形となった。

米村チームスカウトは今年のドラフト戦略として筆頭に挙げたのは、即戦力ピッチャー。なかでも高橋投手は以前から狙っていた意中の恋人。当初、進学を希望していたものの、一転プロ入りを表明。ドラゴンズとしては何が何でも他球団には渡すものかとばかり、ドラフト前公表に踏み切ったのだ。

『今年のはじめに見た時に、衝撃的なボールを見た』

米村チーフスカウトが驚くのも無理はない。高橋は、去年8月から公式戦全勝となる28連勝を記録。最速154キロのうなるストレートを武器に無双ピッチングを繰り広げたのだ。

単独指名ができれば問題なし。ただ考えたくもない、いや考えたとしても必ず与田監督の“神の手”がある限り、当たりクジを引いてくれるわけだが、万万が一、もしも高橋を獲得できなかった場合、ドラフト戦略は練り直さなければならない。

高橋逃せば、打てる内野手に方向転換

その時点では今ドラフトの目玉である投の早川隆久投手（早稲田大…評価☆5）や、打の佐藤輝明内野手（近畿大…評価☆5）の指名はまず困難。高橋同様、地元の有望株であるトヨタ自動車の栗林良吏投手（評価☆4．5）も他球団に指名されて残っていないはず。

そこで外れ1位候補となるのは、大学ジャパンで4番を務めた打撃力が魅力な二塁手、中央大の牧秀悟（評価☆4）が筆頭に上がる。178センチ、80キロのがっちりした体格。二遊間どちらもこなす即戦力内野手として、得点力不足が課題のドラゴンズにうってつけの補強になりそうだ。もちろん米村チームスカウトの評価も高い。

『ウチに一番必要なピース。クリーンナップを打てる選手』

その他に浮上してくるのは、最速155キロのパワーピッチャーで、クローザー候補としても魅力たっぷりの木澤尚文投手（慶応大…評価☆4）。柔らかい腕の振りから投げ下ろす最速153キロのストレートが武器の入江大生投手（明治大…評価☆4）。そして制球力が自慢の鈴木昭汰投手（法政大…評価☆4）の東京六大学トリオの名が挙がってきそうだ。

2位以下も即戦力を中心に指名

チームのウィークポイントを補う為にも、2位以降の指名も慎重に吟味していかなければならない。まずは阿部、京田と競う即戦力内野手として、走攻守高いレベルの即戦力内野手・中野拓夢（三菱自動車岡崎…評価☆3．5）、大学球界トップクラスの堅守が評判の元山飛優（東北福祉大…評価☆3．5）、高校通算50HRを記録した井上朋也（花咲徳栄高…評価☆3）、高校一年からレギュラーをつかんだ打撃力が売りの大型遊撃手・入江大樹（仙台育英高…評価☆3）らがリストアップされそうだ。

またベテランが多い外野陣も補強ポイント。中学時代陸上100、200メートルでサニブラウンに勝利した俊足を持つ左打者。大島の後継者としてうってつけの逸材となる五十幡亮汰（中央大…評価☆4）、名門トヨタ自動車不動の1番センターの逢澤崚介（評価☆3）、恵まれた体格を生かした長打力が魅力な元謙太（中京学院大中京高…評価☆3）、社会人屈指のスイングスピードを誇るスラッガー・今川優馬（JFE東日本…評価☆3．5）らが名を連ねる。

手薄な左腕の補強も考慮すべき点だ。強気なピッチングが身上の池谷蒼大（ヤマハ…評価☆3）、多彩な変化球を操る技巧派の山野太一（東北福祉大…評価☆3．5）、長身を生かした角度のあるストレートが武器の松本隆之介（横浜高…評価☆3）あたりが指名できれば大きい。

最後に地元出身の高校生ピッチャーは速球派右腕が揃う！最速153キロのストレートは高橋宏斗投手に匹敵する威力！高校3年間で約25キロ球速がアップした加藤翼（帝京大可児高…評価☆3．5）、愛知県清須市出身、しなやかな腕の振りから最速150キロのストレートを繰り出す横手投げの加藤優弥（金沢龍谷高…評価☆3）が静かに指名を待つ。

気になる若狭アナの当日行動

そしてドラフトといえば、忘れてならないのはあの男のこと。そう、若狭アナの当日予定が気になっているドラファンは多いはずだ。

ドラフト取材に出向いた時、ことごとくドラゴンズは獲得に失敗。繰り返された悲劇。かつてファンから上がった声は、

“メガネを取材に行かせるな”
“CBCに幽閉してくれ”

2年前、サンドラスタッフは若狭アナを社内に幽閉を決意。すると…根尾を、そして昨年も石川昂と1位指名選手を2年連続引き当てた。

だからこそというわけでは…いや、ではある！今年も一年間の溜まった邪気祓いに、10月某日、番組お馴染みとなった名古屋市守山区にある倶利伽羅不動寺の滝行へ向かった。

滝行を行い、2年連続で当たりクジを引き当てた噂は球界に知り渡っているらしく、つい先日某球団もここへ足を運んだという。藁にもすがる思いではなく、滝にもすがる思いで名古屋のはずれまでやってきたのだろう。気持ちは分かるよ、ウンウン。

すべてはファンのため、ドラゴンズのため

白装束を身にまとい、滝に向かう若狭アナ。

すべてはファンのため、ドラゴンズのため。

気温は14度。この秋一番の寒さ。この男の邪気を祓うにはうってつけのコンディションとなった。大声を張り上げ、

“今年もドラコンズドラフト大成功ぉーっ！”
“与田監督！クジ当てるぅぅぅぅーっ！”
“高橋君！ドラゴンズに来てぇぇぇぇーっ！”

滝行を無事やり終えた若狭アナ、満足しきった表情で感想を口にした。

『去年とおととしと同じ感じです！』

スタジオでVTRを眺めていたゲストコメンテーターの岩瀬仁紀さんは淡々と

『報われるといいですけどね』

と苦笑い。

結論、一番はクジ引きなしで高橋君を単独指名できれば文句なしだ！もし競合になったとしても、こちらには与田監督がついている！うん大丈夫！

そしてドラゴンズファンの皆さん、ご安心あれ！朗報が飛び込んできたぞ！今年も若狭アナの社内幽閉が決定！高橋君のドラゴンズ入りは決まったも同然だ！

高橋君！背番号20が君を待っているぞ！

がんばれドラゴンズ！燃えよドラゴンズ！

（竹内茂喜）