竜のドラフト候補 名電のダブルエース寺嶋大希、田村俊介を吉見一起がチェック!
「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム
夏も終わり、秋の涼しさを感じると同時に近年この時期恒例のドラゴンズの強さも感じられるようになってきました。それと同時に若手選手が見られるのもこの時期恒例。土田龍空選手はじめ未来が楽しみな選手をしっかり応援しつつ、来月に迫ったドラフトもチェックする時期になりました。今週のサンドラは、現在と過去を彩った歴代の名投手を奪三振をテーマに特集、そして愛工大名電高のダブルエースをドラフト候補生として特集。それでは振り返ります!
奪三振が印象的なドクターKの今昔を振り返る!
三振を見事に奪っていくピッチャーをドクターKと呼ぶ。Kはスコアブックをつける際三振を表す記号から来ており、ドクターの冠は1984年にメジャーリーグで 新人最多奪三振を記録したドワイト・グッテン投手に由来していると言われる。30位までの視聴者のランキングを見て、岩瀬氏は若い頃は三振を狙って取りにいっていたが、歳をとってからは打たせて取ることに集中していたと語る。ファン投票でのランキングは以下の通り。
第1位 柳裕也
第2位 今中慎二
第3位 川上憲伸
第4位 大野雄大
第5位 郭源治
現在柳裕也投手の奪三振数は1位で143個と2位109個のジャイアンツ・戸郷翔征投手に大きく差をつけて独走状態だ。昨シーズンの最多奪三振の4位大野投手もランクインしており、選手の特性として三振が多いというよりは活躍したシーズンは三振数も伴ってくるという印象だ。ドラゴンズの歴史の中で印象に残る二人のピッチャーを小ネタを交えて紹介する。
・今中慎二
年代別の順位では、30代以上では圧倒的な今中投手の支持。若狭アナも現役時代を知らない人が可哀想なくらいすごいピッチャーと絶賛する。プロのバッターでもあれだけタイミングがずれたら当たらないというスローカーブを武器に三振の山を築いた。そんな今中投手の伝説的なエピソードを紹介する。野球を始めるとき、家には一つのグローブしかなくお兄さんが使っていたため使えるグローブがなかった。その事情を知った近所のおばさんが今中投手にグローブをプレゼントしたのだが、左利き用のグローブだった。さらに、1992年入団4年目で左手首骨折、リハビリ中、痛みを伴わないカーブの握りでキャッチボールを行っていた。そして、その精度が増して伝説のスローカーブが誕生、翌年沢村賞を受賞した。
・野口茂樹
岩瀬氏が印象的だったと挙げたのは、フォークやパームでも三振が取れた浅尾拓也、大きな曲がりのスライダーで三振をとった野口茂樹。その一人野口は、宇宙人と呼ばれるほどに変わった選手だった。ドラゴンズの選手寮に、通常は長くても4年くらいなのに10年近く居住し退寮後も、豪邸を構えたりすることはなくホテル住まいと自身の価値観を貫く独自の信念を持つ選手だった。天然エピソードに事欠かない岩瀬氏も普通ではないと言い切る独特な雰囲気で快投を見せていたのもそのピッチングを印象付けていたのかもしれない。
続いては、今年もやってきたドラフト特集!今週は、この夏の愛知県覇者、愛工大名電 左右のダブルエースである右の寺嶋大希投手、左の田村俊介投手。吉見一起の取材とともに詳しく見ていく。
寺嶋投手プロフィール
180cm80kg 右投右打 長野県安曇野市出身最速148kmの直球と鋭く曲がるスライダーが武器。3年夏の県大会では東邦高、中京大中京高に1失点の完投勝利など甲子園出場の原動力として活躍した。
・吉見氏の練習を見たコメント
「立ち姿がいいですね。右バッターのアウトコースよりも、インコースのが投げやすそうな。左膝の使い方がすごく良い。うまく連動して下半身から力をもらえている。平気で150キロ投げれるようになるんじゃないかな。フォームがそこら辺のプロ野球選手より綺麗ですよ。」
寺嶋投手は練習の試合での意識についてこう話す。
「キャッチボールを一番大事にしていてラインがしっかり出るように、球の横振れがないように投げている。練習は完璧主義でやっていて、試合の時は完璧主義だと試合が壊れてしまうので大胆にやってます。」
寺嶋投手に対するチームメイトのイメージは?
「常に体を動かしているイメージ」「夜みんな寝静まったか見に行ったら、ベットの横で一人でトレーニングをしていた。そういうストイックなところがある。」
滑らかなフォームからキレのある球を投げ込む姿は、岩瀬氏も元ドラゴンズの中里篤志のようだと形容していた。吉見氏も球速が上がるだろうという通りにプロで更なる飛躍が見込める選手であろう。
田村投手プロフィール
178cm90kg 左投左打 京都府舞鶴市出身 投打の二刀流1年生から主力とし活躍し3年生ではキャプテンに就任。高校通算32本塁打 今年夏の甲子園で放った一発は大会通算1700号というメモリアル弾。ピッチャーとしては1年生からエースナンバーを背負い今年夏の県大会で4試合に登板1失点の好投。小学校の時にはバッティングをするネットの先にある家のガラスを何枚も割ってしまったので市長にお願いをして、ライト方向にさらに高いネットを立ててもらったとの逸話も。
・吉見氏の練習を見たコメント
[野手として]
「間合いの取り方が上手バットの出方がいい。無駄な動きがなく、その分長くボールを見ることができる。ピッチャーは長く見られていると思うだけで嫌なんですよ。ジャイアンツ・亀井善行さんに似ている。好きなコースはインコースのはず。」
[投手として]
「膝を痛めてたんでしたっけ?本調子じゃないなって思うが、膝の影響がなければどんなボールを投げれるんだろうという期待しかない。スライダーいいですね。変化球の球種が多いいろんな方向に曲げられる。」
田村投手が高校時代に投打で身につけたことに対してこう語る。
「(打つ方では)打球の飛距離が一年生の時と比べると全然違う。インコースが好き。
(投げる方では)変化球使って打たせて取り、攻撃に流れをつなげていくのがスタイル。(投手と野手どちらがいい?)両方同じくらい好きです。」
田村投手に対するチームメイトのイメージは?
「元気でリーダーシップがある。」「みんなに声をかけてくれるので、俊介について行けば大丈夫という安心感がある。」
明言はしていないが投手と野手どちらの可能性についても追いたい姿勢を見せる田村投手。物事に動じない受け答えを見せ、今夏怪我をした膝も回復すれば投手としての活躍も楽しみだ。
プロ入りに向けての2選手の意気込みは…
田村:「高校3年間で自分の出せるものは全て出してきたという自信はある。ドラゴンズに選んでいただいたら自分の出せるものは全て出して活躍したいと思ってます。」
寺嶋:「バンテリンドームもすごく大きいし近くに知り合いも沢山いるので、応援されやすい環境の中でプレーできたらすごく嬉しいです。」
田村投手は力強く、寺嶋投手は溌剌とした表情で受け答えしていてここからどんな選手になるのかが楽しみな2人だと感じる。
寺嶋投手に、鏡があったらシャドーピッチングとかするタイプかと聞き同意したことに自分と一緒であると喜ぶ吉見氏の表情が印象的だった。田村投手も高校生離れした体格と、投打に高い能力を発揮できることから成長が楽しみな選手だ。現役だと堂上直倫選手、濱田達郎投手をはじめ数々のドラゴンズ選手を輩出している愛工大名電のエース二人に要注目だ。
トレーニングも満足にできない状況もある選手たちだが、たとえドラゴンズに来なくても、プロに入らなくてもそのポテンシャルは見てる者の期待感を高める。こんな年だからこそ、自分なりの逸材を掘りつつドラフト会議を見守っていきたい。最終的に若狭アナの滝行に全てを託して…!がんばれドラゴンズ!
澤村桃