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ドラゴンズ戦で実況デビュー!入社5年目アナウンサーの奮闘記

ドラゴンズ戦で実況デビュー!入社5年目アナウンサーの奮闘記
彦野利勝さんと光山雄一郎アナ(C)CBCテレビ

2021年9月5日の日曜日。
バンテリンドームナゴヤのドラゴンズ対ベイスターズ戦で、私、CBCアナウンサー光山(みつやま)雄一朗、プロ野球のラジオ初実況を務めました。

CBCに入社して5年目。アナウンサーとして念願だった実況のスタートラインにようやく立てました。

入社してからは、勤務の合間を縫ってバンテリンドームに行き、隣に座った先輩アナウンサーからアドバイスを受けながら練習を重ねました。

忘れもしません、入社1年目。初めての実況練習ではこんなことも・・・

「ピッチャー、“ロージン”に手を置きました。」
と喋ると、隣の先輩アナが大笑い。

自分では全く気が付いていなかったのですが、どうやら…
「ピッチャー、“ローション”に手を置きました。」
と言い間違えていたそうです。

滑り止めに使うロージンが、正反対のモノに置き換わっていました…。
これはいけません。

そんな大失敗から始まった実況練習でしたが、その後も練習を重ね、コロナ禍で自由にバンテリンドームに行けなくなった昨年も社内の空いたスタジオのモニターで試合映像を見ながら実況練習を続けてきました。

プロ野球が、オリンピックで1か月間の中断に入る頃。先輩である高田アナウンサーに、実況デビュー日を伝えられました。
「いよいよか。」という気持ちになり、背筋が伸びる想いでした。

その日からは、それまで以上に本番を想定した練習をしていき、先輩アナに解説者役にもなってもらい、練習するという日もありました。

「光山がリスナーさんの代表となって、野球の状況・プレーについて気になるところをどんどん解説者に聴きなさい。何より野球を楽しむ!という気持ちを忘れずに!」

このアドバイスを受けて、
「向き合うものは緊張ではない。野球というドラマの面白さに向き合わないとな!」
と、実況者としての心得に改めて気づきました。

(とはいえ、緊張という感情は、ずっと身体を駆け巡っていましたが…)

初実況の様子

「サンデードラゴンズ」より当日の様子(C)CBCテレビ

迎えた本番当日。

放送本番に向けて、いつもと違う事をしている自分がいました。
毎日、500mlペットボトルのアイスコーヒー2本飲みます。しかし、試合中、お手洗いに行けないので、朝からコーヒーを控え、オンエアまでに飲んだ飲み物は緑茶100mlのみ。飲み物にもかなり気を配っていました。

徐々に近づいていくオンエア。試合開始1分前。

私がいつも実況練習で見ていたグラウンド。いつも座っていた放送席。
それが、今日は…
「マイクを付けている…後ろにディレクターが座っている…お隣に解説者の彦野利勝さんがいらっしゃる…!」

「本当に、今日、自分の実況が電波に乗るんだ…」と考えた途端に、身体が強張ったのと、緊張がピークになったのを覚えています。

『ポーン』(ラジオの時報が鳴る)
午後2時プレーボール。

「中日ドラゴンズ。今日は監督、コーチ、選手全員が背番号98の特別ユニフォームで試合に臨みます。今日は、先月亡くなった木下雄介さんの追悼試合です。」

この試合は、中日ドラゴンズにとって特別な想いを背負って戦う試合でした。

木下雄介さん。
今年8月3日に27歳の若さで亡くなりました。
ドラゴンズファン、野球ファンにとって非常にショックな出来事でした。

木下雄介さんと私は同学年で、木下さんがドラゴンズでプロ生活をスタートさせたのと
私のアナウンサーキャリアのスタートが同じでした。

私も、取材したことがあります。
はじめましての私にも、丁寧に取材に応じてくださった姿が忘れられません。

私の初実況が、このような試合と重なるとは思いませんでしたが、木下雄介さんへの思いを背負って戦うドラゴンズの選手たちに少しでも寄り添えるように言葉を紡ぐことを心掛けました。

この日のヒーローの一人は木下雄介さんと家族ぐるみの付き合いのあった京田選手。レフトライン際ギリギリのところへ貴重な追加点となるタイムリーヒットを放った京田選手は
「ファウルになるかと思って走ったんですが、雄介さんが落としてくれました。」
とヒーローインタビューで涙ながらに振り返っていました。

セカンドベース上で感情を爆発させて喜ぶ京田選手に対し、
「ヘッドスライディング、セカンドへ!セカンドベースを叩いた!」
と表現した私の実況が、ラジオを聴いて下さった方に何か届いていれば嬉しいです。

彦野さんへの感謝

光山雄一郎アナと彦野利勝さん(C)CBCテレビ

オンエアでは、解説者の彦野さんに勉強させていただくことばかりで感謝してもしきれません。

CM中、彦野さんに色んなことを教えて頂きました。

私が彦野さんにプレーなどについて聞き直しても、丁寧に解説していただき、試合展開を伝えることに必死だった私を、さりげなく優しく引っ張ってくださりました。

また、
「死球を受けた選手が治療していて試合が少し止まっている時間は、どんどん話振ってきてくれて良いからね!」
というアドバイスも頂き、解説者と実況者の呼吸の仕方・リズムの取り方も優しく教えて頂きました。

試合は2-0で、ドラゴンズがベイスターズに勝利。
初実況日に、ドラゴンズの勝利の瞬間を喋ることができました。

「ふぅ~~。」
終わった瞬間、大きな息をついていました。
なんとか野球中継を走り抜けたという安堵の胸をなでおろしました。

彦野さんからは
「デビューおめでとう!最初の方は、肩に力が入っていて緊張しているのがとても伝わったけど、喋りやすかったよ」
というお言葉を頂き、実況アナウンサーのスタートラインに立ったという自覚が生まれました。

これからもドラゴンズの勝利の瞬間をたくさん実況していきたいと思っています!

あくまで野球実況のスタートラインに立っただけです。
「解説者との会話の広げ方」や「他球場の情報の入れ方」など…たくさん課題が見つかりました。

課題に向き合って、リスナーの皆さんに楽しんでもらえる実況を目指して頑張ってまいります!

ドラゴンズ の日本一の瞬間の実況を夢見て…!

【CBCアナウンサー 光山雄一朗 ドラゴンズ戦のテレビ・ラジオのスポーツ中継担当。福岡に住んでいた頃はホークス好き。横浜で生活した大学時代はベイスターズにハマる。地域に根差したチームを愛する傾向。今は、もちろん「中日ドラゴンズ」が大好きです!】

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