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今年こそ昇竜復活なるか?初夢と現実で占うドラゴンズ2019シーズン展望(30)

今年こそ昇竜復活なるか?初夢と現実で占うドラゴンズ2019シーズン展望(30)

かつてドラゴンズの初夢を見たことがある。

優勝パレードを沿道で見守っている自分。選手たちに声援を送った後に近くの土産店に入ると、黄金の竜の置物があって購入した。そこで目が覚めた記憶がある。
いつのお正月だったのか?と長年書き綴っている日記帳を開くと見つかった!2011年だった。日記にはその時点ではすでに退団していたアレックス・オチョア外野手がパレードに参加していて、もともとの背番号「4」でなはく「32」のユニホーム姿だったと記してある。夢というものは不思議だ。
しかし、その年は落合博満監督の最終年で、球団初の連覇を達成したシーズンとなった。
まさに正夢だった。

新生!与田ドラゴンズの船出

2019年、新しい年が明けた。昨シーズンまで球団ワーストの6年連続Bクラスと低迷するドラゴンズだが、与田剛新監督の誕生、そしてその新監督がドラフト会議で“高校球界のスーパースター”根尾昂選手を獲得したことから、新生ドラゴンズを取り巻くムードはかつてないほど明るい年末年始だった。ファン同士の会話でも「今年は楽しみだ」という言葉が多かった。
しかし、根尾選手らルーキーが合宿所に入寮し、自主トレも始まった今、ファンとしても少しずつ冷静に今シーズンの戦いぶりに思いを馳せる時期が来た。

補強が少なかったシーズンオフ

このシーズンオフ、実はドラゴンズは即戦力の補強と言う面では他球団ほど対応していない。オリックスバファローズの西勇樹そして金子千尋(新登録名:金子弌大)いう実績ある投手も獲得を見送り、それぞれ阪神タイガースと北海道日本ハムファイターズに移籍した。
その上、オネルキ・ガルシアというチームただひとりの2ケタ勝利投手であり規定投球回数に達した投手も手放してしまった。
たしかに根尾選手はじめ6人を獲得したドラフトの成果は「12球団トップ」と評価されたが、プロの世界では未知数である。もちろん彼らに夢を託したいが過度の期待は禁物だ。

投手王国の復活こそ急務

2018シーズンのドラゴンズは、チーム防御率は4.36とリーグ最下位、これは12球団最下位でもあった。被本塁打149本も横浜DeNAベイスターズと並んで最下位、奪三振941個もリーグ最下位。
特に悪かったのはリリーフ陣で救援防御率は4.93、逆転負けは実に38試合に及んだ。観戦したファンは「勝った」と思ったゲームを幾度裏切られたことだろう。
この投手陣の立て直しがチーム最大のテーマである。ガルシア投手に代わって獲得した左腕エンニー・ロメロ投手も前評判は高いが、まずは春季キャンプでのお手並み拝見となる。

攻撃陣の選手層も厚く

一方で打撃陣は昨シーズン、首位打者と最多安打のタイトルを取ったダヤン・ビシエド選手を筆頭に健闘した。
規定打席に達した打撃30傑の中にリーグ最多の7人が名を連ねた。ビシエド選手以下、平田良介、ソイロ・アルモンテ、大島洋平、福田永将、高橋周平そして京田陽太の各選手。ドラゴンズから打撃30傑に7人が入ったのは、11年ぶりのことなのだが、反面それは、レギュラーをおびやかす控え選手がいなかったことの裏返し。ウエスタンリーグはダントツの最下位だった。この7選手が好調を維持することはもちろん以上に、打撃陣の層を厚くすることも大きな課題となる。

与田監督の潔い言葉と決意

ただ大きく変わったことがある。それは選手たちを指導し采配するベンチである。与田新監督の下に集まったコーチたち、西武ライオンズと千葉ロッテマリーンズで監督も経験した伊東勤ヘッドコーチを筆頭に新しい指導者たちが、どんな腕を振るうのか期待は大きい。
1月4日に名古屋市内のホテルで行われた球団年賀式で檀上に立った与田監督は「優勝の二文字をめざす」と力強く宣言した後に、こう続けた。
「ユニホームを脱がされるまで必死に戦う」
会場で聞くその口調は物静かだっただけに凄味があった。新監督としての戦いが始まる前に「ユニホームを脱ぐ」という言葉を口にしたリーダーは過去に珍しく、だからこそ与田新監督の強い決意がうかがえた。

さて、今年は初夢を見たのか?どんな内容だったのか?それは現時点では披露しないことにした。今シーズンが終わった時、与田監督の胴上げが実現したら明かそうと今から願をかけたい。
さて、皆さんの今年の初夢に竜は登場しましたか?

【CBCテレビ論説室長・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。

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