70年以上スープを継ぎ足す“黒いラーメン”!? 24時間休まず煮込み続ける厨房に潜入!今食べるべき東海3県の町中華とは(前編)

爆笑問題・太田光と石井亮次アナウンサーが、東海地方の定番を深掘りするバラエティ『太田×石井のデララバ』!今回は愛知・岐阜・三重の「今食べるべき町中華スペシャル」。町中華の達人・玉袋筋太郎さんをゲストに迎え、「東海3県町中華バスツアー」を行いました。
町中華の激戦区・今池の名店!“白い餃子”の具は?

玉袋さんは、BS-TBSの人気番組「町中華で飲(や)ろうぜ」で300軒以上訪れた町中華デララバです。バスが最初に向かうのは、玉袋さんが番組で訪れ、思わず「魔法にかけられた!」と絶賛した名古屋・今池の町中華です。
町中華の名店が集結する今池で、玉袋さんを仰天させたお店が、創業75年の老舗「今池呑助(のみすけ)飯店」。1950年にオープンし、現在は創業者の孫である4代目店主・花村武彦さんが、85歳の母・純子さんと親子で味を守っています。
町中華の王道「炒飯」、手羽元をラードでパリッと揚げた「鶏唐揚(骨つき)」、ふわふわの「天津飯」など、メニューは豊富。その中で、玉袋さんが「来たら最初に食べてほしい」とオススメするのは「呑助特製餃子」。白い具の中身は企業秘密とのことですが、花村さんによると「野菜とお肉が入っている。特別な肉をひいて使っている」とのこと。
玉袋さんは餃子と一緒にビールも注文。すると、太田さんは「玉ちゃんと一緒に飲むのが夢だった」と明かします。最初に2人が飲んだのは東京・渋谷のコント大会の打ち上げで、当時、太田さんは「芸人の世界は飲まなきゃいけないのか」と無理して飲んだそうです。
2人は約40年ぶりに乾杯。ビールを酌み交わします。純子さん手作りの白い餃子をつまみながら、出会った頃の思い出話で盛り上がりました。
70年以上スープを煮込み続ける“黒いラーメン”の秘密に迫る!

玉袋さんは「ラーメン~伝統の油こってり濃い口~」も紹介。出てきたのは、白い餃子とは対照的な黒いラーメンです!通称“重油ラーメン”と呼ばれ、創業当時からある名物で、見た目は重そうですが、味は意外とあっさりしています。
醤油をベースに、豚骨と野菜などで取るスープを合わせています。重油とも形容される独特なスープの色は、花村さんによると「創業70年以上ですが、その当時から継ぎ足し、24時間煮込み続けている」とのこと。定休日もお店に出てきて煮込むそうです。
今回は、特別に企業秘密のスープを見せてもらうことに。70年以上継ぎ足し、365日24時間煮込み続けるスープだからこそ出る色に、3人は驚くばかり。ケタ違いのうまみが凝縮された秘伝のスープは、他では決して味わえません。
高倉健さんも訪れた!?独特の包み方の焼き餃子とは?

バスに戻った3人を出迎えたのは、町中華歴40年、これまで1000軒以上を食べ歩いたデララバのマルオサさん。続いてはマルオサさんイチオシの名古屋・伏見の「香蘭園(こうらんえん)」へ。創業70年以上の歴史があり、俳優・高倉健さんが愛した老舗町中華です。
お店は夜営業のみで、いつも開店直後から大賑わい。奥にある個室を合わせると全50席。午後5時の開店から夜11時30分の閉店まで、お客さんが途切れません。カウンター席でも、2週間先まで予約で埋まるほど大人気です。
お店を取り仕切るのは、この道30年以上の3代目店主・吉川さん。厨房にもスタッフはいますが、中華鍋を振ることができるのは吉川さんただ1人です。
中華の定番「酢豚」「エビチリソース」や「油淋鶏(ユーリンチー)」「天津飯」など、メニューは約40種類。その中で、健さんが愛した一番人気のメニューが、一口サイズの「焼餃子(1人前8個)」。お店の看板メニューで、売れ行きは1日約120人前とのこと!吉川さんによると、健さんは1人で立ち寄り、餃子と中国酒(紹興酒)を頼んでいたそうです。
餃子は、吉川さんが閉店後に、1人で4時間かけて包んでいます。先代から続く折りが少ない独特の包み方で、折り目を多くすると波のところが硬くなってしまうのだとか。
餃子のあんに使っているのは、豚肉とたっぷりの玉ねぎ。一般的な餃子に使われる白菜やキャベツは一切なし。豚肉1.5㎏に対して玉ねぎ3㎏、ニラ300gに塩・コショウなど。玉ねぎの甘みを存分に感じられる餃子です。
吉川さんによると、香蘭園の周辺には御園座やヒルトン名古屋など芸能関係者が利用する施設が多く集まっているため、芸能人がよく訪れるのだとか。歌手・北島三郎さんは「チャーハン」を必ず頼んでいたそう。
歌舞伎役者・中村勘九郎さんがよく頼むのは、吉川さん考案の「ネギ頭」。ネギラーメンの上にのせる具材を、おつまみになるように唐辛子で辛くした一品。お客さんのほとんどが注文する新たな看板メニューです。
元メジャーリーガー・松井秀喜さんも来店。揚げた骨付きの豚肉に酢豚のようなあんをからめた中国料理「糖酢排骨(トウスーパイカ)」を、4人前食べたそうです。
かた焼きそば研究家が絶賛!塩ベースのシンプルな一品!

かた焼きそば研究家でもあるマルオサさんの香蘭園イチオシメニューは「揚げ焼きそば」。一般的なかた焼きそばのあんは醤油・砂糖を使うものが多いですが、香蘭園は塩ベースのシンプルな味付け。開店以来70年以上、味付けを変えていません。
シンプルな味付けにもかかわらず、お客さんを魅了するおいしさの秘密を厨房で調査。あんの材料は、白菜・にんじん・ねぎ・たけのこなどの野菜と豚肉。これを手早く炒めていき、塩・うま味調味料、さらにスープを入れて軽く煮込みます。あんの味の決め手は、豚骨と鶏ガラのスープ。鶏ガラの中でも、うまみ・コクの強いあしの部分を多く使い、深みのあるスープに仕上げています。
さらに、白菜の芯や仕込みで出た野菜クズなどに、甘みを出すための玉ねぎ、臭みを消すための青ねぎ、昆布、ムロ粉を詰めた“だし袋”を鍋に入れ、煮込むこと3時間。だしの香りとうまみを抽出した秘伝のスープに!
野菜とスープを火にかけ、とろみをつけたらあんの完成です。中太の中華麺を軽くほぐしながら油で揚げ、その麺にたっぷりとあんをかければ、絶品かた焼きそばの完成です。
CBCテレビ『デララバ』2025年5月21日放送より
番組紹介

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