集落に悲鳴がこだまする…ホラーすぎる奇祭「どんき祭り」の恐怖の鬼ごっことは!?
子どもの泣き叫ぶ声が響き、赤く染まった恐怖のキツネが住民を追って!追って!追い回す!集落に悲鳴がこだまするホラーすぎる愛知県豊川市の奇祭「どんき祭り」とは?タレントの寺坂頼我くん(以下、寺坂くん)がその実態を取材しました。
江戸時代から続く「火伏せの神」を崇める祭り
「どんき祭り」が行われるのは、愛知県豊川市の長松寺。どんな祭りなのか、住職に尋ねました。
(長松寺17代目住職・後藤淑道さん)
「火伏せ、火事の予防の祭り。子どもたちが追い回されて…、食紅をベタベタ塗られて、子どもの泣き叫ぶ声が集落にこだまする。まあ大泣きして面白いですよ」
長松寺で江戸時代から続く「どんき祭り」は、火伏の神を崇める祭り。キツネのお面を被った男たちが泣き叫ぶ子どもを追い回し、顔面を真っ赤に染め上げます。ちなみに、「どんき」は、子どもたちを赤く塗るための道具のこと。
(長松寺17代目住職・後藤淑道さん)
「どんき祭りの『どんき』は、鐘をつくための『撞木』を『どうぎ』と呼ぶ。『どうぎ』がなまってどうぎ…どうぎ…『どんき』になった」
どんき祭りのキツネ役は、地元の消防団員が担当。しかし、人手不足により、前回からキツネ役の一部を一般募集しています。そこで名乗りを上げたのが、地元出身の山口竜大さん(21歳)です。
(狐役で初参加・山口竜大さん)
「(Q子どもの頃から参加してる?)してました。怖い印象。まず、お面が怖い。なおかつ、足もめっちゃ速い。(Q仕掛ける側として参加するのはなぜ?)仕返しですかね。やられたので今度はやる番になって、楽しみたい」
追い回す狐!泣きながら逃げる子どもたち
仕返しがしたくなるほどの恐怖とは、一体、どれほどのものなのか。CBCテレビに残っていた今から32年前に撮影された実際の映像では、赤く染まった不気味なキツネが子どもたちを追い回す姿。まさに、トラウマ不可避の恐怖体験です。
(狐役で初参加・山口竜大さん)
「(Qいかがですか?自信は)長距離が得意なので…。30人くらい捕まえたい」
追い回しをするのは、長松寺のある豊川市御津町下佐脇地区の一部。午後3時からおよそ1時間、4人のキツネと2人の天狗が子どもたちを追い回します。午後1時、キツネたちが着替えを終え、まずは祭事が執り行われます。
すでに不気味な雰囲気を醸し出すキツネを見て、思わず表情が強張る子どもたち。狐姿では言葉を発することが禁じられるため、話せませんが山口さんは気合十分です。
午後3時、始まりの合図の鐘が鳴るとまずは、逃げられない小さな子どもを問答無用で赤く染めていく山口キツネ。油断していた寺坂くんも顔を赤く塗られます。しかし、本番はここから。逃げる子どもたちを圧倒的な速さで追い詰めるその目つきは、まさに獲物を狙うハンターそのもの!
今度は、約100メートル先にターゲットを発見。どんなに子どもの逃げ足が速くても、一人残らず真っ赤に染め上げる山口キツネは、開始から30分以上経っても息切れ一つしません。声が出せない分、無言で迫りくる様は子どもたちの恐怖心を煽ります。
どんき祭りで赤く塗られた子どもは、1年無病息災という云われがあるため、山口キツネは皆の健康を祈ってひたすら集落を走り続けました。
住人の無病息災を祈る「どんき祭り」最後はみんな笑顔に!
午後4時、追い回し終了の鐘が鳴るとキツネと天狗たちは寺へ帰還。こうして、豊川市の小さな集落に伝わる恐怖の祭りが終わりました。泣いて逃げまどっていた子どもたちも、飲み物を飲むなど一息つきます。これをもって住人たちは、無病息災の1年に!
そして今回、寺坂くんが最もアツいOMATSURIちゃんに選んだのは、初めての狐役を全うした山口竜大さんです。
(狐役で初参加・山口竜大さん)
「怖がっている姿が見られてよかった。これからも、なくなることなく続けていきたい」
山口キツネの赤い手形が、寺坂くんの白い法被に刻まれました!
CBCテレビ「チャント!」1月10日放送より