燃え盛る松明が頭上に落下!?命を懸けて火炎神輿を担ぐ「僧兵まつり」の実態とは!
激しく燃える松明の炎が、次から次へと神輿の担ぎ手に降りかかる!狭い道幅を通り抜け、上り坂では重量800キロの重さに耐えながらゴールを目指します。三重県下最大の火祭り「僧兵まつり」に挑む危険を顧みない男たちの想いとは?タレントの寺坂頼我くん(以下、寺坂くん)が、誰よりもアツい「OMATSURIちゃん」を探しました。
“県下最大の火祭り”800kgの松明が乗った神輿を担ぐ勇壮な祭り
2023年10月1日、三重県菰野町の湯の山温泉で行われた第52回僧兵まつり。御在所岳の中腹・標高400mの渓谷沿いに位置し、古き良き旅館が建ち並びます。僧兵まつりについて、地元の人に尋ねました。
(僧兵まつり実行委員・上島英之さん)
「“県下最大の火祭り”といって、大きいみこしに松明をつけて、その松明を燃やして勇敢な僧兵の格好した男性たちが担ぐ。800キロくらいあるのを、40人くらいで担ぐので」
戦国時代、織田信長の侵攻によって焼き討ちに遭った、湯の山の天台宗寺院「三嶽寺」。その時、勇敢に戦った僧兵たちの姿を今に残そうと約50年前、湯の山温泉で働く人達によって始められました。僧兵まつり最大の特徴は、巨大な「火炎神輿」!1本約10kgの松明を54本乗せた神輿の総重量は約800kg。その神輿を火が付いた状態で担ぐ、勇ましい祭りです。
松明に使うのは、御在所岳でとれる「赤松」。幹に豊富な油分を含んでいるため、燃えている時間や火力が他の木材とは段違いです。火力の強さゆえ、スタート前から松明に水をかけて調節するほどの勢いで燃え上がります。
街路樹が燃える!松明が頭上から降って来る!命がけの担ぎ手たち
祭り当日の夜、多くのギャラリーに会場の緊張感が高まる中、三嶽寺の住職による御祈祷を済ませ、出発します。涙橋から出発した火炎神輿は、100mほど坂道を下り、カーブが多く、傾斜の厳しい上り坂へ。休憩を挟み、最後の直線を上ってゴールの御在所ロープウェイを目指します。
道幅の狭い下り坂では、建物と炎の距離もギリギリ。街路樹に激しく燃え移る松明の炎を、
火事にならないよう消防団員総動員でついて回り、常に放水しているので僧兵たちはびしょ濡れです。これこそ僧兵祭りの醍醐味!
掛け声とともに順調に担ぐ僧兵たちですが、上り坂に差し掛かかったところで巨大な松明が、僧兵たちの頭をかすめて地面に落ちます。さらに、次々と落ちる松明の炎が飛び散り、地面は火の海状態です。
終盤の休憩地点まで、およそ300m続く上り坂。ただでさえ熱い上に、800㎏の神輿を担いでの山登りは、想像を絶する辛さ。重さに耐えきれず、徐々に沈んでいく神輿を担ぐ担ぎ手を鼓舞する男性が。祭り歴13年、担ぎ手たちのリーダー的存在・谷陽介さんです。
(担ぎ手たちのリーダー・谷陽介さん)
「みんなの絆の深まりが、この祭りの良いところ」
普段はサラリーマンの傍ら、菰野町の消防団長も務める谷さんですが、今日は火を灯しまくります。
灰と水でぐちゃぐちゃになりながら、火炎神輿がゴール!
谷さんの必死な声掛けに鼓舞され、懸命に担ぎ続けて30分。ようやく、休憩ポイントに到着しました。ゴール前に松明が燃え尽きないよう、危険を顧みず松明を追加。全てが灰になる前に、ゴールの御在所ロープウェイを目指します。
ラストの直線、すべての力を振り絞ってようやくゴール付近に神輿の姿が!最後は大勢のお客さんのもとを回り、なんとか燃え尽きる前に火炎神輿は無事終了しました。神輿の重さもさることながら、灰と水でぐちゃぐちゃになった衣装が祭りの激しさを物語ります。
寺坂くんが県下最大の火祭りで見つけた、今回のベスト・オブ「OMATSURIちゃん」は、担ぎ手たちのリーダー・谷さんです。
(寺坂くん)
「僕も担がせてもらったときに感じたのが、みこしがどんどん沈んでいく。やばい!と思ったときに、めっちゃ良いタイミングで『上げよう!上げよう!』って言ってくれる。さすがだな」
(担ぎ手たちのリーダー・谷陽介さん)
「小さい子どもたちも見に来てくれて。目を輝かせて見てる子たちが大きくなったときに、忘れずに『俺も担ぎたい』とか思ってくれたら最高です」
毎度OMATSURIちゃんに手形をもらっている法被第2号の記念すべき初手形は、松明よりも熱いOMATSURIちゃんにいただきました!
CBCテレビ「チャント!」10月11日放送より