加藤愛が行く!三重・松阪市の愛されフード『みそ玉丼』を調査! トンカツ・卵・味噌のハーモニーが絶妙なこの一杯
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、根づく愛されフードを加藤愛が全力で調査します。今回は、『三重・松阪市』の『みそ玉丼』です。
半熟卵を開いて、黄身に絡めながらいただく味噌カツ丼
聞き込みをすると、『みそ玉丼』は「めちゃくちゃおいしい!」「カツ・卵・味噌のハーモニーが絶妙」といった声が聞かれた、半熟卵がのった味噌カツ丼。『茂とん(しげとん)』という店の看板商品だとか。
おじゃました『とんかつ 茂とん』は、松阪市で66年続く老舗。フワフワ卵のかつ丼にプリプリ肉厚の豚ステーキなど、様々な料理の中で一番人気が『みそ玉丼』です。味噌カツにオンされたプルップルの半熟卵を開いて、黄身を絡めながらいただきます。愛ちゃんは「いろんな食感が一気にきますね。カツはサクサクでお肉自体はやわらかくて、卵のトロッとした食感とお肉の脂が程よく溶けて、いろいろ入っているのにちゃんと一つの作品になっていますね」と味わいました。
こだわりは“豚バラ肉”と“濃厚味噌ダレ”
トンカツの王道は“ロース”ですが、『みそ玉丼』で使っているのは脂身が多い“バラ肉”。店主が厳選した脂身と赤身のバランスが抜群な宮崎県産の豚肉で、軟らかく歯切れもいい肉質をそのまま楽しめるよう叩くなどの加工は極力せず、余分な筋や脂を切り落とす程度にとどめて、低温でじっくり揚げることで肉のうまみを衣で閉じ込めます。そして、キャベツ、カツ、温玉の順でのせ、味噌ダレをたっぷりかけて仕上げます。衣に包まれ、中で蒸されることで完成するトンカツ。「お肉と衣の両方合わせて、おいしく食べていただける方法をずっと考えている」と店主は言います。
その味の決め手となる味噌ダレにもこだわりがあり、味噌カツに添える基本のタレとみそ玉丼に使うタレは濃度を変えているのだとか。みそ玉丼用はタレをかけてからも衣のサクサク感が持続するよう、あえて衣に染み込みにくいようにし、温玉を絡めて食べる分、味も濃くしています。愛ちゃんが見た目はほぼ同じの2つのタレをチェックすると、その口当たりの違いは歴然でした。
かつてのタレはケチャップ!? 味噌ダレを続ける覚悟
『みそ玉丼』が誕生したのは、今から30年ほど前。地元のタウン誌から「インパクトのある丼を作れませんか?」と相談を受けたのがきっかけでした。そのルーツは、60年以上前に先代が作った“みそカツ丼”。名古屋で食べた味噌カツを参考に、独自に味噌ダレを開発したのが始まり。しかし人気はイマイチで、そこには松阪市ならではの“トンカツ事情”がありました。店主いわく、「トンカツを味噌で食べる習慣が当時の松阪にはなかった」そうで、“茂とんのトンカツ”といえばタレはケチャップだったとか。それをやめ、味噌ダレを続けて、『みそ玉丼』を作ってからはその味が定着し、多くのお客さんが注文する看板商品にもなりました。
愛ちゃんは「覚悟がないとできない…と語るご主人は、みそ玉丼にも相当な思いを持って作られていました。味噌も豚も最後までおいしくいただける、こだわりの詰まった味でした」と今回の調査を締めました。
(CBCテレビ「チャント!」10月11日(金)放送より)