加藤愛アナが三重県四日市市の愛されフード『パッション』を調査! パッケージ&ネーミング先行の名前からは想像がつかないパン
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、根づく愛されフード。CBCの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。今回は、『三重県四日市市』の『パッション』です。
「これより売れるパンを作るのは難しい」というほどの人気パン
名前だけでは想像がつかない『パッション』を聞き込みすると、正体は“パン”と判明! コッペパンにマーガリンが挟んであって、透明の青い柄の袋に2個入っているとのこと。『リスドール』という店で売っていると聞いておじゃますると、数あるパンが並ぶ中、『パッション』と書かれたレトロなデザインの袋に入った2個入りパンを発見。
早速いただくと、「中にマーガリンがたっぷり入っていて、口の中に入れた時に、ジュワ―と溶け出して、なんか懐かしい感じ」と味わいます。『パッション』は、少し甘めの小さいコッペパンにひとつひとつ切れ目を入れ、そこに口どけの良さ重視の厳選したマーガリンをたっぷり塗ったパン。なんともシンプルですが、昼過ぎに出来立てが並んだ途端、お客さんが次々と買っていきます。「最高においしい。出来上がるのを待って来た」という人や、「愛知県に嫁いでからも、地元に帰る度に買いにくる」という人もいて、一日なんと300個は売れるそう。「いろんな新しい商品を出すんですけど、パッションには勝てない。これより売れるパンを作るのはちょっと難しい」と5代目が語るほどの人気ぶりです。
袋業者が仕掛け人?『パッション』の意外な誕生
近鉄富田駅前にある『リスドール』は、元々は“進栄軒”という名で大正時代初期に創業。昭和初期はあんぱん、ジャムパン、クリームパンが主流だったようですが、50年ほど前に新鋭として登場したのが青い袋の『パッション』です。
名前の由来を尋ねると「袋に名前が入っていたから、そのまま使っている」と言われ、戸惑う加藤アナ。実は、昔は名前入りのパンの袋を売る専門業者があったそうで、その袋の一つが『パッション』。マーガリンを塗った小さなコッペパンを2つ入れる…という指定まであり、その通りに作ったのがこのパンで、「まさかの袋屋さん発信!?」と加藤アナもびっくりです。ひと昔前までは他の店でも作っていたそうで、この地域の人にとっては馴染みのあるパンなのです。
愛される理由は『パン』+『袋』+『名前』
しかし、時代は移り変わり、袋の業者はなくなり、今ではこのレトロな袋も特注品です。四日市の人とっては、“マーガリンを塗ったコッぺパン”と“青い柄の袋”、そして『パッション』という名前がセットになってこその愛されフードなのです。
『リスドール』は、パッションに代表されるレトロ袋シリーズの他に5代目夫婦が思い入れのあるイタリアのパン“パネトーネ”などの新作もどんどん加えて、100種類もの様々なパンを販売。お客さんを飽きさせない品揃えの店が誇る昭和生まれの『パッション』は、新作パンと共に令和の時代も愛される一品です。
(CBCテレビ「チャント!」4月11日(木)放送より)