加藤愛アナが三重県桑名市の『スマック』を調査! 昭和レトロがカワイイ! クリームソーダ味の愛されドリンク
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、根づく愛されフード。CBCの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。今回は、視聴者から情報をいただいた『三重県桑名市』の『スマック』です。
瓶の緑と香りと味でクリームソーダを再現!
街で調査をすると、『スマック』は、「おいしい! 結構飲んでる」という声も聞かれた、小さな緑色の瓶に入ったクリームソーダ味の炭酸飲料。スーパーマーケットなどで普通に売っているとのこと。
加藤アナは、早速『スーパーサンシ 桑名店』に。飲料売場には、確かに『スマック』が! 正式には『スマックゴールド』といって、ラベルには“クリームソーダ”の文字もあり、昭和レトロな感じのカワイイ商品です。栓を開けると甘い香りを感じ、味わいは「アイスとソーダを混ぜたような、まさにクリームソーダ!」と加藤アナ。店の担当者によると「今年は帰省が多かったので、帰省時にまとめて買っていく方も結構いました」と故郷の味を楽しむ人もいたようです。
海外飲料に飲まれるな! 桑名から全国展開へ!
桑名生まれのドリンク『スマック』。製造元の『鈴木鉱泉』を訪ねました。1913年(大正2年)創業で、ラムネやサイダーなどの製造からスタート。この老舗飲料メーカーの看板商品が『スマック』で、現在も年間でおよそ40万本製造しています。誕生は1968年(昭和43年)のこと。発案したのは社長で、60年代になると海外の炭酸飲料が市場に出回り、その人気が一気に広がって、大打撃を受けたことがきっかけ。
そこで目を付けたのが、当時、喫茶店で大人気だったクリームソーダ。それをなんと瓶詰めのドリンクにしようというアイデアを思いついて、名古屋の会社とタッグを組み商品化したのです。「そしたら、ものすごく評判がよかった」と社長。その後、苦境に立たされていた全国の飲料メーカーにそのレシピを伝授。1970年代前半、海外製品に対抗するため全国統一ブランドとして『スマック』と名付け販売を始めました。桑名発の愛されドリンクは、北海道から九州まで全国33道府県に広がったとか。
またもや危機に! それでも再スタートで復活!
しかし、時代が変わり、それまで飲んだ後の瓶は回収し再利用するというスタイルだったものが、スーパーマーケットやコンビニの出現で、使い捨て方式のワンウェイ瓶が主流に。それによって、工場の設備を変えなければならず、多くの飲料メーカーが撤退する中、『鈴木鉱泉』は唯一無二のクリームソーダ味のドリンクをなくしたくないと、新たに設備投資しワンウェイ瓶での製造を決意。1977年、この再出発を機に『スマックゴールド』と名前も変更しました。
現在でも三重・広島・佐賀の3県で作り続けられており、発売当初からのデザインが昭和レトロブームに乗って、再注目されているとか。また、地元の人たちが集う居酒屋では、スマックで焼酎やジンを割る“スマック割”なるものがあり、ご当地ならではの味わい方も楽しめるそうです。『スマック』は、誕生の地・桑名で55年もの間親しまれている、愛されドリンクでした。
(CBCテレビ「チャント!」9月21日(木)放送より)