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卵ごはんの茶碗を持つ手が重い?鶏卵の高騰が続く2つの理由と今後

卵ごはんの茶碗を持つ手が重い?鶏卵の高騰が続く2つの理由と今後
東西南北論説風

卵ごはんの茶碗を持つ手が重い?鶏卵の高騰が続く2つの理由と今後

 2021年7月14日(水) 15:39
北辻利寿
北辻利寿
CBCテレビ:画像『写真AC』より「卵かけご飯」

お気づきの方も多いと思うが、卵の値段が高い。鶏卵は“安定した食材”として家庭料理には欠かせないものだが、このところ高騰が続き、品薄になっている。簡単に食べられて美味しい「卵ごはん」も、お手軽とはいかなくなるそうな気配でもある。

JA(全農)のまとめでは、名古屋地区の場合、2021年6月のMサイズの基準値は、
1キロ当たり259円だった。280円を超す高値の日もある。半年前の1月は、実は1キロ140円だった。ほぼ2倍になっている。ちなみに同じ月をみても、2020年6月は165円、2019年6月は156円と、安定していた卵の価格が上がっている。過去5年分の数値資料を見たが、最も高い。3月になって200円台になった頃から、高騰は顕著だ。7月に入って若干値下がりしたが、一時はスーパーでも売り切れや品薄が見られ、「客ひとり1パックまで」と制限する店もあるほど、卵を取り巻く環境は厳しくなっている。

なぜ卵は高騰しているのか?理由のひとつは、鳥インフルエンザである。去年11月から全国的に猛威をふるい始めた。農林水産省によると、2020年度、鳥インフルエンザは全国18県52か所で発生した。過去最多の件数である。東海地方でも岐阜県美濃加茂市で2021年1月に発生している。処分されたニワトリの数は987万羽と言われ、その数も過去最多。美濃加茂市の場合もそうなのだが、そのニワトリのほとんどが卵を産むために改良された品種「採卵鶏」である。実は、今回の鳥インフルエンザで処分された数は、全国の「採卵鶏」の実に5%にあたる。そもそも卵が産み出されないのだ。

もうひとつの理由は、新型コロナウイルスが深く関わっている。総務省統計局が発表している「家計調査」によると、2021年の鶏卵の購入量は14%を超える増加ペースで、支払った金額も月700円台から1年の間に800円台へと一気に増えている。鶏卵が売れているのだ。その背景には、新型コロナ感染拡大を警戒しての外出自粛があるようだ。いわゆる“巣ごもり”によって、家庭で食事をする機会が増えたり、余裕ができた中でケーキを焼いたり、「おウチごはん」を楽しむ人が増えて、卵を食べたり使ったりする機会が増えたようだ。

鳥インフルエンザで出荷量が減る一方、新型コロナウイルスで消費量が増えている。卵を取り巻く環境に、2つのウイルスが大きな影響を与えている。では、今後はどうなるのか?ヒヨコが卵を産むまでに成長するためには半年近くかかると言う。卵の高騰はまだしばらく続きそうだが、半年後の晩秋から冬にかけての人気もの、鍋料理の締めメニューに「たまご雑炊」がある。何とかその季節までには解消してくれるかどうか、卵を取り巻く切実な問題、残念ながらまだまだ予断を許さない状況が続いている。

【東西南北論説風(247) by CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

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