止まらない髙橋宏斗の進化!「三振を取って流れを変える」プロ2年目で得た成長と課題

止まらない髙橋宏斗の進化!「三振を取って流れを変える」プロ2年目で得た成長と課題

「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

8月28日放送回のサンドラでは、高卒プロ2年目にして圧巻の奪三振数とエースの貫禄をも感じられるピッチングを見せる髙橋宏斗投手の特集です。井端弘和氏、吉見一起氏の分析とともに、髙橋投手自身の言葉でここまでの成長と、これからの課題について掘り下げていきます。

髙橋投手、脅威の奪三振率を井端氏が分析!

「サンデードラゴンズ」より井端弘和氏©CBCテレビ

髙橋宏斗投手は今シーズン、15試合4勝5敗防御率2.34、27イニング2/3連続無失点という成績を残している。また、規定投球回には達していないながらも、奪三振数はセ・リーグで4位。1位のジャイアンツ戸郷翔征投手の123に対して、髙橋投手108という成績だ。しかし奪三振率で比較すると、戸郷投手の7.96に対して、髙橋投手は10.53と大きく上回る。これには井端弘和氏も絶賛しており、こう解説した。

「1イニングに1つ以上は間違いなく三振を取るというところが驚異的な数字です。まだ15試合しか投げていないですよね。イニングは少ないんで、これが1年間先発で回った時には、もう奪三振のタイトルは常に髙橋投手かなと思います。」

球種内訳をチェックすると、ストレート50.5%、スプリット(スピードの速いフォーク)30.8%、カットボール10.7%、カーブ6.4%、スライダー1.6%となっている。そのなかでもスプリットの空振り率は32.4%で、ホークス千賀滉大投手の決め球である『お化けフォーク』の空振り率32.1%を上回る数字だ。

「千賀投手のフォークと質が違うのかなとは思いますけど、髙橋投手はストレートが150kmはゆうに超えてきますし、その中でスプリットが140km中盤は出るというところでは、途中までバッターはストレートにしか見えていないと思いますね。150kmを切るストレートで140kmくらいのスプリットなら、バッターも対応はできるのかなと思いますけど。(ストレートは)155kmまで出るので、常にここに合わせとかなきゃいけない、というのはあると思いますね。」

髙橋投手自身の成長とピッチングについて語る!

「サンデードラゴンズ」より髙橋宏斗投手©CBCテレビ

先発ローテーションに定着し、7、8月の防御率で見ると0.84、0.89と0点台の成績を残しており、圧巻のピッチングを見せている。この成績について、髙橋投手は自身でこう分析する。

「今はすごくうまくいっていると思いますし、ここからデータが揃って(相手が)対策をしてきたときに、どれだけのピッチングができるかで自分の成長が見られると思う。」

髙橋投手には強力な武器が2つある。球団日本人最速158kmを記録したストレートと、打者の手元で鋭く落ちるスプリットだ。

吉見一起氏はこう評する。

「サンデードラゴンズ」より吉見一起氏©CBCテレビ

「ストレートの質は投げれば投げるほど素晴らしいんですけど、フォークでストライクを取ったりボールにしたり、なかなかできることじゃないんですけど、それができているのが素晴らしい。」

髙橋投手もスプリットについてこう解説する。

「ストレートが強ければ強いほどスプリットが生きてくると思うので、今自分が一番自信のあるボール。(ストライク)カウントがほしいスプリットも捕手に要求してもらっていますし、空振りが欲しい時は投げ分けられるようにはしています。」

プロ14試合で通算100奪三振を達成した。主な高卒選手の記録、田中将大投手16試合、松坂大輔氏18試合、大谷翔平投手22試合を凌ぐスピードでの達成だ。その三振を取ることについて、髙橋投手はこう語る。

「『ここで三振が欲しい』と思って投げている時もあるし、流れが悪い中で三振を取って流れを変えるって言うのは、ピッチャーとしてできることなので。」

4月にプロ初勝利を含む2勝を挙げたものの、その後3ヶ月以上未勝利だった。

「サンデードラゴンズ」より髙橋宏斗投手と落合英二投手コーチ©CBCテレビ

「前半戦はあんまり思うような投球ができなかった。いろいろな課題があったんですけど、試合後の落合コーチとのミーティングの中で『この無駄球は減らしていこう』だったり『ここは一球で打ち取りたい場面』だったり、いろんな反省をしながら次の試合に臨めている。」

今シーズンの成績を見ると、7月以降の試合では消化するイニング数も増え、自責点も減っている。その成長が形となって現れる。7月29日のカープ戦では8回途中までノーヒットピッチングで、結果7回1/3を無失点で自己最多イニングを投げ、約3ヶ月ぶりの勝利を挙げた。

「打者を見ながら、ストレートに緩急をつけたり『ここは3球で勝負を決めたい』ところだったり、『一球で打たせてとりたい』ところを自分の中でわかってきている。」

試合の中での経験値もコーチの言葉とともに吸収していき、自身が三振を取ることで試合の展開にも影響を与えるピッチングをしているなんて、プロで何年やったからと言って身につくものではないだろう。それを、わずか高卒2年目の選手がやっているから驚きだ。

髙橋投手について大野投手、柳投手、小笠原投手先発3本柱からの印象

「サンデードラゴンズ」より大野雄大投手©CBCテレビ

そんな髙橋投手の目指す目標となっているのが、大野雄大投手、柳裕也投手、小笠原慎之介投手の三本柱だ。そんな3人の先輩が髙橋投手についてそれぞれの思いを話す。

大野投手のコメント
「一軍で投げるたびに『僕はこう思っているんですけど、どう思いますか?』とか色々なことを質問するようになった。自分が進化するために、色々な知識を取り入れようとするのを感じている。」

柳投手のコメント
「エゲツないボールを投げますし、あれだけの力のあるボールがあってコントロールもいい。すごいピッチャーだなと思いながら、いつも勉強させてもらっています。」

小笠原投手のコメント
「いきなり(腕が)パーンと出てくるようなピッチングフォームなので、あの投げ方で155kmとか平気で出るんだなって、僕たちにも刺激になっています。」

そして小笠原投手からは髙橋投手の意外な一面が明らかにされた。

「オープン戦のときに、髙橋投手が『これって、じゃんけんで先攻後攻を決めるんですか?』って言ってて、『お前プロ野球見たことねえのか?!』となりました。」

そんな先輩たちの言葉を背負って、髙橋投手は今後の目標について語った。

「サンデードラゴンズ」より髙橋宏斗投手©CBCテレビ

「今は投げる間隔があいているが、大野投手、柳投手、小笠原投手は中6日で当たり前のように投げて勝っているので、自分も中6日で投げられる準備はこの1年間通してやってきているので、自分の中ではしっかりといける準備はしている。」

ひとつひとつ、目の前の課題を満点で応えていく髙橋投手。次の課題である登板間隔についても、しっかり準備がなされているのが感じられて頼もしい限りだ。そのポテンシャルから大きな期待はかかるが、焦らずペースを崩さずに、その成長を続けて欲しい。

澤村桃

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