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「お前には野球を長くやってもらいたい」 荒木コーチが願う土田龍空の躍動に迫る!

「お前には野球を長くやってもらいたい」 荒木コーチが願う土田龍空の躍動に迫る!
「サンデードラゴンズ」より土田龍空選手(C)CBCテレビ

「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

8月14日放送回のサンドラでは、台頭してきたアンダー23の若手選手たちの現状を谷繁元信氏の目線からチェック、さらにその中でショートのレギュラーを狙う土田龍空選手を特集する。

躍動するU-23、今後の展開を谷繁氏が分析する!

「サンデードラゴンズ」より谷繁元信氏(C)CBCテレビ

相次ぐ怪我人や、思わぬ不調、またコロナ禍で選手が離脱していく厳しい状況の中ではあるが、チームとしては変化を受け入れるタイミングにもなる。現在の先発ローテーション投手7人の中に、20歳の髙橋宏斗投手と19歳の上田洸太朗投手が食い込んでいる。ただそれはチャンスを与えられただけでなく、成績も髙橋宏投手が13試合4勝4敗防御率2.53、上田投手が4試合0勝3敗防御率3.43と期待の持てる成績を残している。それに対して谷繁氏はこう分析する。

「将来的にはローテーションにしっかり入ってきてもらいたいピッチャー。特に髙橋宏斗は、ドラゴンズのエースになる器だと思ってます。髙橋、上田、小笠原を中心に、大野、柳がついていくような先発投手陣になると強力になってくると思うんですよね」

野手も、8月13日のスタメンを見ると8人中3人(岡林勇希選手、石垣雅海選手、土田龍空選手)が23歳以下となっており、去年の基本のスタメンを見ると若手と言えるのは21歳の根尾選手1人で、ここ一年でも大きく変化し出しているのがわかる。その変化について谷繁氏はこう指摘する。

「これは自然な流れで。厳しい言葉ですけど今までのレギュラーだと勝ててなかったわけです。(今まで)Aクラスにギリギリ入るようなチーム状況だったので、勝てるチームのレギュラーを作っていかなきゃいけないと立浪監督は考えていると思っています」

「サンデードラゴンズ」より岡林勇希選手(C)CBCテレビ

この中で特に目立った成績を残しているのが、岡林選手だ。その岡林は昨年後半24試合に出場し打率.254と今年の成績の礎となる経験を得ている。その成長とこれからの展望を谷繁氏はこう語る。

「去年の経験が活きてるってことですね。更に今度は、勝てるチームのレギュラーにしていくということ。今、打率.276打ってますけど、最下位の.276。これが、勝つチームの.276だとまた価値が違ってくるんですよ」

勝つチームで同じ打率を打つと言うことは、ただのヒットではなく打点のつくヒット、得点につながる出塁、凡退でもランナーを進めるなど、あらゆるプレイに意味を持たせる必要が出てくる。むしろ、そう言った選手の成長が勝つチームを作り上げることにもなるだろう。オールスター明けの後半戦では、徐々にそういったプレイも見られるようになってきている。若手選手たちのそこ知れぬ成長に目が離せない!

卓越したセンスと積み重ねる練習でショートを狙う!土田龍空

「サンデードラゴンズ」より土田龍空選手(C)CBCテレビ

まだ荒削りな部分もあるが、見るものに『おっ!』と思わせる守備のセンスで好プレーを連発する土田龍空選手。今目の前に、ショートレギュラーへのチャンスがぶら下がっている。

「プロの世界は結果が大事なんで、このチャンスを放さないためにも結果をしっかり残したい。」

2020年ドラフト3位で世代屈指のショートとして入団した土田選手は、1年目のファームでのショート・守備率は.962を記録。これは、ジャイアンツ坂本勇人選手の.958や、ホークス今宮健太選手の.945を上回る好成績だ。さらには1軍デビュー戦でプロ初ヒットに初打点を叩き出した、持っている選手でもある。しかし、2022年の開幕には、同期の髙橋宏人投手が一軍に入る中、土田選手は二軍スタートだった。

「シーズン開幕から岡林(勇希)さんであったり、石川昂弥さんが守っていたので若い選手が出てるって中で、非常に悔しい気持ちはありましたし、開幕一軍にいたいという気持ちは強かった。結果に出さないと、一軍に呼んでもらえもしないし、チャンスももらえない。まずは二軍で結果を出そうとやっていました」

土田選手のその言葉通り、二軍で8試合連続ヒットを記録するなど結果を出していた。そんな中、不動のショートと思われてきた京田陽太選手が不調によりレギュラーをはずれ、ショートのポジションが空いた。その座を争い、三ツ俣大樹選手や溝脇隼人選手が入るもなかなか定着することができなかった。そこに土田選手が立浪監督により抜擢されたのだった。

「絶対レギュラーを掴んでやるという強い気持ちで、毎日必死にやらせてもらっています」

その意気込みの通り、19試合連続スタメン起用が続く。心なしか一軍昇格前と比べ、日々の疲労でほっそりした感じもあるがその受け答えで一切疲れを感じさせない精悍さはとても頼もしい。そんな土田選手のプレイを、チームメイトの木下拓哉選手はこう評している。

「キャッチャーから見ていると、すごく打球までが速い。あとは、盗塁のタッチがめちゃくちゃ上手いです。自分でもちょっと微妙かなと思うときでも土田はボールを前で取って、タッチが速いんで助かってますね」

「サンデードラゴンズ」より荒木雅博コーチ(C)CBCテレビ

その土田選手の守備を支えるのは、ゴールデン・グラブ賞6回獲得の荒木雅博コーチだ。

「(荒木コーチ曰く)今の動きのままじゃ長く野球はやれないということで、歳をとってからでも動けるような守備をということで『お前には野球を長くやってもらいたい』と言ってもらっている。素晴らしいコーチに教えてもらえるのは幸せなことですし、教えてもらえることで荒木さんの現役時代を超えたい気持ちはあるので、またこれから頑張ってやっていきたい」

高く評価される守備の一方で、課題とされるのはバッティングだ。21試合で打率.191、打点3と打撃面での向上がレギュラー定着には必要だ。

「立浪監督にはバッティングは期待してないと言われるんですけど、やっぱり期待してないと言われる中でも、しっかり打ってチームに貢献したいなという気持ちはあるのでバッティングももっと頑張っていきたい」

「サンデードラゴンズ」より土田龍空選手(C)CBCテレビ

そう言う土田選手も、直近の試合ではマルチ安打や、得点に絡む安打や出塁など着実に試合に出る中で成長を遂げている。その影には刺激を受けている同期の髙橋宏斗投手と上田洸太朗投手の存在があるのかも知れない。

「良いピッチングを目の前で見させてもらって、自分も負けてられないなと言う気持ちはある。同級生で切磋琢磨して頑張れたらいいなと思います。僕は人並みの練習量で追いつける選手じゃないので、一生懸命練習をして結果を出せるようにしたい」

荒木コーチからの『長くやっていける選手に』という言葉通りに、試合に出続けながらもしっかりと練習を積み重ねてその結果も出し続けている土田龍空選手。守備のみならず、打撃、走塁でも成長が止まらぬその姿にこれからも目が離せない。

澤村桃

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