ピンチに絶妙なタイミングでマウンドへ寄り添う、ドラゴンズ京田陽太の心配り

ピンチに絶妙なタイミングでマウンドへ寄り添う、ドラゴンズ京田陽太の心配り

あふれるポテンシャルと仲間思いで気配りの男、ドラゴンズ京田陽太選手が来季、3年目となる選手会長を務めることになった。立浪監督の現役時代以来となる、異例の長期継続だ。

京田選手といえば、グラウンドで味方投手がピンチを迎えた際、さりげなく間をとって声を掛けにいく姿をよく目にした。あの落合博満さんが現役時代、ファーストミットを口元に添えながら何やら囁く、あの間を思い出す。

果たしてどんな言葉を掛けているのだろうか?CBCラジオ「ドラ魂キング」に出演した際に聞いてみた。

グラウンド内での心配り

「サンデードラゴンズ」より京田陽太選手©CBCテレビ

「ボクは、そんな大きなことはとても言えません。ただ…」

「まず、松葉さんは、とにかくテンポがいいので、ホントに守りやすいんです。守備のリズムの良さは、自分たちの打席の流れにも繋がります。だから、声掛けというより、少しだけ間をとるのみです。リズムを乱したくない。六回の壁なんて言われてますが、ボクらがもっと打たないといけないだけです。来季は援護得点をもっと。松葉さんは、普段からほんとによく走り込んで、スタミナをつけようと努力している姿をボクら野手は見てますから」

続いて柳裕也投手について。

「柳だけは、ちょっと特殊ですねえ。同い年でご近所さんですが、マウンドにいる時の柳は、別人です。彼の顔色を見ながら考えて話し掛けます。正直ボクもテンパってますから、何を言ったかというよりも、とにかく顔を見て。あまり近付きすぎるのもダメだと思うので」

「(小笠原)慎之介は、逆にケロッとしてますね。ちゃんと会話ができます。まあ、普段から喋らせると、ずっと話していますので。エースの大野さんは、何かニヤニヤしてますね。ピンチなのに…」

と様々だ。

続いて、グラウンド外での仲間への心配りについて聞くと、照れくさそうにその一端を明かしてくれた。

グラウンド外での心配り

「ドラ魂キング」に出演する京田陽太選手©CBCラジオ

高卒ルーキー土田龍空選手にはプロ初ヒットのお祝いとして、遠征用にハイブランド「バレンシアガ」のバッグを贈ったそうだ。

「彼はヤンチャで、スゴイ可能性を秘めています。とにかく可愛い後輩、ボク自身もこれまで先輩にいただいてきましたから」

また、バンテリンドームのロッカーでお隣の高松渡選手に「京田さんのイイ香りってなんですか?」と聞かれ、自身が愛用するバニラスイーツテイストのハンドクリーム「ローラ メルシエ」をプレゼント。その話題の直後、「私も同じものをネット注文しました!」と即お便りが。ボク宮部もさきほど思わず注文した。

そして先日、合同トライアウトに挑戦した武田健吾選手へのエールについて、ラジオリスナーからこんな質問が。「武田選手が、テスト当日にはめていた紺と赤のバッティンググローブは、京田さんのものではないでしょうか?」

「はい、渡しました。僕のグローブです。頑張れとは言えなかったんですが、まさか使ってくれるとは。嬉しかったです。同い年ですしね。ずっと一軍だったのに、戦力外にはびっくりしましたが、健吾の守備は球界でもトップクラスだと思いますので、新天地での活躍を応援したいです」

我々ファンには活動が見え辛い選手会長の仕事。しかしこれまでのエピソードやチームの良い雰囲気を見る限り、京田選手の働きは確かにそこにある。あふれるポテンシャルと仲間思いで気配りの男が、来季はさらにチームを引っ張ってくれることを期待して。燃えよ!ドラゴンズ!

【CBCアナウンサー 宮部和裕 CBCラジオ「ドラ魂キング」水曜(三浦優奈さんと共演)、テレビ・ラジオのスポーツ実況担当。生粋の元少年ドラゴンズ会員。早大アナ研仕込のボイスで6度目の優勝ビール掛け中継を願う。「月刊ドラゴンズ」コラム連載中】

関連リンク

あなたにオススメ

RECOMMENDATION

エンタメ

ENTERTAINMENT

スポーツ

SPORTS

グルメ

GOURMET

生活

LIFE