大島選手が陥った不振には原因あり。今季から緩和された“二段モーション”が影響していた

大島選手が陥った不振には原因あり。今季から緩和された“二段モーション”が影響していた

【あるドラライターの参考書的サンドラ活用法】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム

交流戦に入って2カード連続の負け越しとなったものの、山井大介投手の2試合連続無失点の好投により3タテを免れたことにホッと胸をなでおろした週末。振り返ればバファローズとの初戦を落とした嫌な流れが続いているような気がしてなりません。5月のチーム打率2割9分1厘は12球団ナンバーワンを誇った打線がまだまだ元気なことは救い・・・と気分を前向きにしつつも、やっぱりR・マルティネス投手が6回表の先頭打者にソロ本塁打を浴びたところが代え時だったのではないかと悔やみきれないのは、自分だけでしょうか。

それでは今週のサンドラについて。

大島選手、復調の秘密は打撃フォームの改造

1番から2番に打順が変わったことをきっかけに打撃好調を続けている大島洋平選手。開幕から5月20日までの打率が2割3分3厘に対して、同22日から6月2日までは打率4割と劇的な変貌を遂げた要因を、ダイヤモンドナビゲーターの宮下純一さんに迫っていただきました。
オープン戦最後の3試合が10打数2安打と調子が上がらなかった大島選手は「『どうかなぁ』と思っていたなかで、『やっぱりか』という感じだった。(不調の理由に)気付いていたが、なかなか直らなかった。このままではダメだと思って打撃フォームを変えて、『やっぱり変えたほうがいい』と思った」と覚醒の秘密は打撃フォームの改造によるものだったことを告白。変更箇所は構えた際のグリップの位置。開幕当初は顔の中心から前方にあったものを左耳の後ろへと移動していたのですが、その理由にこそ球界を代表するバットマンの真価を感じました。大島選手が明かした意図は次のとおり。

「シーズン当初でもランナーがいる時は打てていたんですが、ランナーがいない時に打てなかったケースが多かった。なんでだろうと考えたら、二段モーションをするピッチャーが多くなっていた。自分はもともとタイミングを早めにとるタイプだったこともあって、タイミングをとるのが早くなりすぎて狂わされていた。余分な部分を無くすという意味で(トップに入るまでの動作を)小さくしました」

不振の原因を究明するだけでなく、自らで対処法を導き出すことができる大島選手。打撃フォームを改造して臨んだ5月22日のベイスターズ戦で、プロ入り初の1試合2本塁打を放つなど不振脱出はまさに本物!

「自分と京田が塁に出れば得点になる。1点でも多くリードして、ピッチャーが少しでも楽に投げられる試合展開にしたい」

頼もしい言葉に安堵する一方で、3年連続2ケタ勝利の実績を持つあの左腕投手にも同じ復調を願わずにはいられません。

大野雄投手が復調の第一歩。ファームで2回無四球2失点

交流戦直前の5月27日、カープを相手に4点差を逆転した試合の先発は大野雄大投手。初回の立ち上がりから3連続四球で2点を失うと、3回裏には鈴木誠也選手に2ランを浴びて降板。4月25日ジャイアンツ戦(前橋)の前回登板でも6四球が絡む制球難から4回5失点。6月1日、ウエスタン・リーグのカープ戦では「無駄な四球を出さないこと」をテーマに掲げて2回を無四球2失点。1イニング目を3者凡退に抑えるなど課題克服に前進した大野雄投手は「1球目から全力で投げられるように取り組んでいく」と抱負を語っていたのですが、正直なところ結果だけを見てしまうと物足りません。本当の課題は制球力にあるのか、もしくは最大の武器である直球に問題が生じているのか。それとも技術面ではなくメンタルが起因しているものなのか―。大島選手のように原因の追究と対策を万全にして、今度こそ揺るぎない自信を携えて1軍に帰ってきてくれることを信じています!

鈴木翔投手は準備万端!若手投手の起爆剤に

先々週の小笠原慎之介投手に続いて、柳裕也投手も6月2日付で登録抹消となる事態に。若手投手が総倒れとなっている現状は、昨季5勝を挙げた“ドラ1トリオ”最後の砦に打破してもらいましょう!
2軍で調整を続けている鈴木翔太投手は6月2日のカープ戦で8回116球を投じて2失点(自責点1)の好投。「しっかり1軍に上がって投げられるように準備をして、若い人達でチームを引っ張っていけるように頑張っていきたい」と意欲十分。鈴木翔投手には若手投手の活躍を促すような起爆剤となってくれることを期待します!

伝説のサブマリン・山田久志氏が唱えるは「リリーフ陣の整備」

残り4カードの交流戦を戦う上で、スタジオ解説の山田久志さんは「いまは打線が良いからリリーフ陣の整備! 少々リードをされていても逆転ができる」と巻き返しの策を提言。3日のファイターズ戦でも一発を浴びていた鈴木博志投手の配置転換も含めて、「早く整備をしないといけない。何かを変えなければいけない時期に来ている」とセ・リーグワーストの防御率に甘んじているリリーフ陣の見直しの必要性を唱えておられました。
個人的な願いとして今こそ1軍のリリーフ陣に加わってほしい人物は浅尾拓也投手。ファームでは8試合連続無失点投球を記録し、6月1日のカープ戦ではイニングまたぎも実証済み。ベテランが活気づいている流れに乗ってMVP右腕も復活を遂げる。さすればチームに勢いがつくことは間違いなし! 2018年のドラゴンズの隠れキーワードは“復活”です!

ドラゴンズライター高橋健二

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