体を動かせない難病と闘いながら、様々なビジネスを展開している愛知の寝たきり社長・佐藤仙務さん。今度は氷の上である挑戦に乗り出しました。障害者を支援するための取り組みとは。(佐藤仙務さん10月18日愛知・東海市)「10時になったので始めてもらってもいいですか」自称「寝たきり社長」の佐藤仙務さん、34歳。この日は地元東海市で、福祉のイベントを開きました。(佐藤さん)「皆さんこんにちは、楽しんでいますか」フードトラックなど7店が出店し、約400人で賑わいました。イベントには国民的アニメの声優もビジネスの傍ら、障害者への理解を深めてもらおうという取り組みは、人脈も広げています。「ポケモンゲットだぜ!」国民的アニメの声優、そして歌手の松本梨香さん。イベントが終了すると、すぐさま次の現場へ。ラジオのパーソナリティーも務める佐藤社長。この日は、そのまま松本さんにもゲストで来てもらいました。2人が知り合ったきっかけは?“ゲームみたいな名刺”松本梨香さんとはこんな繋がりが…(松本梨香さん)Q.手に持っているのは?「一番最初に(佐藤社長に)名刺を作っていただいたんですよ。それがきっかけなんですね」佐藤社長が12年前にデザインした名刺。松本さんは、今も大切に持ち歩いていると言います。(松本さん)「これを名刺で渡すと、みんなが『何これゲームのあれになっているんだ面白い』と言ってみんな喜んでくれて、名刺渡して笑顔が生まれるって最高じゃないですか。初めて会った人と笑顔を交わせるきっかけとなった名刺なので」19歳で起業した“寝たきり社長”使えるのは、わずかに動く親指と瞳そして声。10万人に1人の難病「脊髄性筋萎縮症」。筋肉は徐々に衰え、今は日常生活全般で介助が必要ですが、佐藤さんは常に前を見ています。2011年に特別支援学校を卒業後、19歳で名刺やホームページの制作を請け負う会社を起業。視線入力など最新の支援技術を取り入れ、業務のほとんどを自分でこなします。ベッドに横たわったまま次々とビジネスを展開。訪問看護事業や大学講師、フルーツサンドショップも。(松本さん)「佐藤社長も色んなことにトライして、すごく頑張っている。その原動力って何ですか」(佐藤社長)「もし自分が障害を理由に働かないとか、家にいるという選択肢を取っていたら、誰とも会わなかったと思うし、人との出会いが僕のパワーと思ってます」氷の上を行き交う「車椅子」や「ストレッチャー」11月29日、佐藤社長の姿は名古屋市港区のスケートリンクに。用意したのはペットボトルを半分に切って、内側に滑り止めを貼った手製の道具。これを車椅子のタイヤに取り付けると、ペットボトルで作った車椅子用のソリになります。氷の上を行き交う車椅子やストレッチャー。実は…(佐藤社長)「きょうは車いすの方や難病の方でも、アイススケートを楽しんでもらいたいと思って、クラウドファンディングを実施して、このような場を設けさせていただきました」障害があっても楽しめる社会を。その思いに多くの支援が集まり、目標金額の倍60万円を集め、休日のスケートリンクを完全貸し切り。50人を超えるボランティアも、佐藤さんの呼びかけに応じて参加しました。スケートを楽しんだ参加者は…参加した約30人の多くがスケートは初体験。氷上を滑る感覚を楽しみました。(参加者)「とっても楽しいです。小さい頃を思い出します」「なかなか体験することがないので、いい経験ができて嬉しい」話すことができない男性も、視線で文字を選びこんな気持ちを…“障害が関係なく楽しめる”スケートが新しい選択肢にイベントに訪れた愛知県の大村秀章知事は…(愛知県 大村秀章知事)「皆さんにこうした貴重な体験をしていただける。本当に頼もしいです。心強い限りです」(佐藤社長)「障害がある人はアイススケートもそうですけど、人生を楽しむ選択肢が少ないので、アイススケートもみんなにとって新しい選択肢になればいいな」Q.きょうは大成功でしたね「大成功です」自分のビジネスだけでなく、障害があっても生き生きと暮らせる社会の実現を目指す寝たきり社長。その挑戦は確実に前へ進んでいます。