身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。教えてくれるのは、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所医薬基盤研究所副所長國澤純先生です。今回のテーマは「〜病をはねのける身体に!〜今注目!免疫力と腸内環境」この季節になると、風邪をひきやすくなったり体調が優れなかったりする事はありませんか?その原因の1つが「免疫力」の低下。実は、免疫細胞の半分以上は腸に集まっていると言われています。免疫力は腸内環境によって変わり、風邪のかかりやすさやワクチンの効果、さらには糖尿病や脳の機能にも深く関わっているそうです。そこで今回は「免疫力と腸内環境」について徹底リサーチ。腸内環境を整えて病気をはねのける方法を専門医に教えてもらいました。免疫の基礎知識CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』<免疫とは?>免疫とは、病原体など身体にとって良くない物が入って来ないようにするシステム。腸には身体の半分以上の数の免疫細胞が集まっていると言われており、腸を変えれば免疫が変わり、免疫が変わると身体全体が変わる、と今非常に注目されているそうです。<腸内環境について>腸は、食べ物のほとんどの栄養を吸収するための器官。さらに、栄養の吸収だけでなく、同時に侵入してくる危険性があるウイルスや細菌に対する防御も行っています。だからこそ、腸内環境を整える事が大切だそうです。<あなたの腸内環境は大丈夫?>下記の傾向や症状にいくつか当てはまる場合は、腸内環境が乱れている可能性があるそうです。(1)好き嫌いが多い(2)便秘や下痢をよくする(3)冷え症である(4)疲れやすい(5)睡眠不足である免疫力と腸内環境〜食事編〜<腸内環境を整える救世主「短鎖脂肪酸」>短鎖脂肪酸とは、食物繊維を餌にして腸内細菌が作ってくれる成分の1つで、消化・吸収・排泄を行う腸の蠕動(ぜんどう)運動に必要なエネルギー源。さらに、腸内の有害な菌の増殖を抑え、善玉菌も増やしてくれるのだとか。そのため、短鎖脂肪酸を増やせば腸内環境が整い、免疫力アップにつながるそうです。<短鎖脂肪酸の原料は「食物繊維」>先生によると、短鎖脂肪酸を増やす最初のステップは食物繊維を摂る事。食物繊維は野菜・きのこ・フルーツなどに多く含まれており、身体の中で水分に溶ける「水溶性食物繊維」(わかめ・こんにゃく・山芋など)と、水分に溶けない「不溶性食物繊維」(ごぼう・かぼちゃ・きのこ類など)の2種類に分けられます。短鎖脂肪酸を増やすには、どちらもバランス良く摂る事が大切だそうです。<摂取する食物繊維量の目安>厚生労働省が推奨する1日の食物繊維摂取量は男性21g以上・女性18g以上。そして、日本人が1日に摂る食物繊維の平均摂取量は14g前後と言われています。そのため毎食、食物繊維を意識して摂る事が大切。ちなみに、小鉢1杯の「ひじきの煮物」「きんぴらごぼう」「かぼちゃの煮物」で摂取できる食物繊維は、それぞれ約3〜4g程度といわれています。先生オススメの食材は「雑穀米」。食物繊維が豊富なあわ・ひえ・あずきなど様々な食材が入っているそうです。短鎖脂肪酸を作るのに大切な3つの菌CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』短鎖脂肪酸は、食物繊維を摂るとすぐに作られるわけではないそうです。腸内に取り込まれた食物繊維が糖になり、その糖が乳酸などに変わり、乳酸などが短鎖脂肪酸に変化する事で作られるのだとか。これらの作業は、腸に良い菌によって行われるため、その菌が含まれた食べ物を摂る事が重要だそうです。<短鎖脂肪酸を作るカギ(1)納豆菌>腸に良い菌が含まれている食材の1つが「納豆」。納豆に含まれる納豆菌は、食物繊維を糖に分解してくれる働きがあるのだとか。納豆は1日1パック食べるのがオススメだそうです。(※抗凝固剤を服用中など、疾病の治療中で納豆について制限があると医師に言われている場合は納豆を摂取することを控えてください)<腸に良い納豆の食べ方>先生によると、納豆は冷めたご飯にかけて食べるのがオススメ。納豆菌の酵素は約70℃で働かなくなるので、熱々のごはんにかけるのは避けた方が良いのだとか。さらに、冷めたご飯は、食物繊維と同じ働きをしてくれる「難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)」がとても増えるといいます。熱々ごはんを1時間放置するだけで難消化性でんぷんが2.9倍に増えるというデータも。温かいご飯を食べたい時は、一度冷ましたご飯をレンジで再加熱しても難消化性でんぷんは増えたままだそうです。ちなみに、納豆が苦手な人は納豆菌が含まれた整腸剤もあるので成分表を確認して試してみてください。(※用法用量を守って正しくお使いください)<短鎖脂肪酸を作るカギ(2)乳酸菌など>腸に良い菌が含まれている食材2つめは「ヨーグルト」や「キムチ」。ヨーグルトやキムチに含まれている乳酸菌には、糖から乳酸を作る働きがあります。また、ヨーグルトに含まれるビフィズス菌は酢酸を作る働きがあるそうです。<ヨーグルトを食べるオススメのタイミング>空腹で胃の中に胃酸が多い状態は、菌にとっては過酷な状況。そのため、何か他のものを食べて胃酸を薄めた状態で摂った方が良いのだとか。短鎖脂肪酸を作るには、小さいカップのヨーグルトを1日1個、食後に食べるのがオススメだそうです。<短鎖脂肪酸を作るカギ(3)酪酸菌>短鎖脂肪酸を作る3つめのカギは酪酸菌。酪酸菌は元々腸内に存在している菌で、食材にはあまり含まれていないそうです。そのため、腸内に存在している酪酸菌を増やして有効活用すると良いのだとか。酪酸菌は、ビタミンB1を餌にして増えるのでビタミンB1を多く含む食材をしっかり摂る事が大切。豚肉には牛肉の8〜11倍のビタミンB1が含まれています。他にも、大豆やインゲン豆などの豆類もビタミンB1が豊富なのでオススメだそうです。<短鎖脂肪酸を増やして風邪をひきにくい身体に!>納豆菌・乳酸菌・ビフィズス菌は、体内に定着する事はほとんどなく便と共に排泄されてしまうので、納豆やヨーグルト、キムチなどは毎日摂取した方が良いそうです。短鎖脂肪酸を増やして風邪をひきにくい身体を手に入れましょう。免疫力と腸内環境〜体質・生活習慣編〜<便の形状でわかる腸内環境>便の形状により、腸内環境が整っているかどうかが分かるそうです。下記のどのタイプに当てはまるかチェックしてみましょう。(1)コロコロ(2)硬い(3)表面にひび割れ(4)バナナ(5)軟らかい(6)泥状(7)水様≪結果≫(1)(2)の場合は、便の砂漠化が起きていて腸の動きが悪くなっているそうです。(3)(4)(5)の場合は、正常範囲。(4)のバナナが一番良い状態だそうです。(6)(7)の場合は下痢気味。下痢は、栄養素や善玉菌が全部流れてしまうそうです。<短鎖脂肪酸を増やせば便秘も改善>短鎖脂肪酸が増えれば、腸の蠕動(ぜんどう)運動のエネルギーとなります。すると、腸の動きが活発になるので便秘が改善され、免疫力アップにもつながるそうです。<冷え症と腸内環境の関係>血液循環の悪化に陥り身体が冷えると、腸の機能が低下し免疫細胞の活動を低下させてしまうそうです。<疲れやすさは腸内環境が原因?>腸は、免疫細胞がバリアのように守っています。しかし、そのバリアは短鎖脂肪酸が減ると壊れてしまうのだとか。その状態で細菌などが入ると、免疫細胞が休まず働き続けてしまうため、身体は疲れやすくなってしまうそうです。<睡眠時間が短いと腸内に悪影響!?>腸内環境を整えるためには、睡眠も重要だそうです。まず大切なのが睡眠時間。腸は自律神経によりコントロールされており、眠っているときは副交感神経が優位になっています。すると、腸の働きが活発になり、消化液の分泌や蠕動(ぜんどう)運動が促進されるのだとか。睡眠不足は、腸の動きに悪影響を及ぼし短鎖脂肪酸が減少するという研究結果もあります。さらに、眠る時間帯も腸内環境には重要。腸が一番活発になるゴールデンタイムは、夜10時〜午前2時。主にこの時間帯に、腸の細胞や組織の修復・再生が行われていると言われているそうです。睡眠不足や夜更かしに気をつけて腸内環境を整えましょう。<免疫と腸内環境の注意点>先生によると、腸内環境を整えて病気をはねのけるには「頑張りすぎない」ことと「緩く長く続ける」ことが大事。腸に良い食事や生活習慣も一瞬頑張るだけでは意味がないので、長くゆっくり続けることが免疫にも腸にも良いそうです。(2024年12月15日(日)放送CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)