吉本多香美【スジナシ】感動ストーリー誕生!?鶴瓶「長ぜりふ、自分がバトン持って走り出すもん」
【2001年3月2日初回放送】
ゲストは吉本多香美、鶴瓶とは初仕事である。もともと吉本自身がスジナシの大ファンであり、本人の希望もあって実現した今回の出演である。今回の設定は「新婦の控え室」。設定通り吉本が新婦になるのか?それを裏切って別の役柄を選択するのか?鶴瓶との関係は?などなど注目のスタートとなった。
ストーリーは、吉本が結婚式を控えた新婦で控え室にいる所に鶴瓶が入ってくるところからスタートした。吉本は鶴瓶を見て、「お義父さん?お義父さんでしょ。」と直感する。鶴瓶は、新郎の父親である。訳あって家族とは離ればなれの生活をしているらしい。しかし、結婚することを聞きつけた鶴瓶は、身の回りを整えて式場に駆けつけてきたのである。
吉本は、義父が来てくれたことを喜び、二人の話は自然に息子(新郎)のことになる。「あいつ借金あるの知ってますか?」「貴方のような綺麗な方がなんで?」と吉本が結婚を決意した真相に迫る質問をする。しかし吉本は、「全て聞いています。」「あの人の優しさが好きなんです。」と結婚を決意したいきさつを話す。「近くに住んでいて2年くらいつき合ったんですが、別れることになって・・・でも離ればなれになったら忘れられない気持ち、自分にとって大切な人なんだという気持ちが確認できて・・。」と明らかに今考えついたような内容では無い台詞と共に、「たとえどんな形になってもあの人が幸せだ、生きていて良かったと思えるような結婚式にしたい・・。」と涙を流す吉本に鶴瓶は、ただならぬものを感じる。
話の展開で、新郎が余命わずかであることになるのだが、吉本は新郎を思う気持ちを更に強く語る。「実は、私ストリッパーなんです。」と自分の身の上を告白しながら「彼は私の宝物なんです。彼のためなら何でもできる・・。」とまるで吉本個人の恋愛観を語っているように切々と台詞を繰り出す。スジナシは、演じる人の人間が浮き彫りになるトーク番組なのだ・・ということを充分過ぎるほど感じている鶴瓶は、吉本とのスジナシドラマで吉本多香美自身が経験したであろうと思われる恋愛のストーリーと相手を思う気持ち、吉本の情の深さを知ってしまう。
しかし、吉本自身は、スジナシを成立させることに専念し架空のストーリーを展開させているつもりになっている。計算や読みは一切無いのだ・・。実際にこのドラマは、吉本の迫真の演技によってモニタースタジオの観客の涙を誘い、見ているスタッフをも感動させるものだった。それは、吉本自身の「愛」の強さと「相手を思う純粋な気持ち」が伝わったからである。結果、吉本多香美の本当の人間性が全面に出たのだ、見ている人々は、そのパーソナリティーに共感を覚えたのである。「なんであんたがストリッパーになったの?」という質問に「実は、機会があってストリップを見てきたばかりなんです。スジナシって実際にあったことがそのまま出てしまうんですね!」と言う吉本であった。