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『バトン』高橋光臣 (スジナシ)

「バトン」

今回のゲストは高橋光臣さん。二人とも、工事現場らしい作業服だ。服装について聞かれると、高橋さんは「衣装として着るのは初めてです」と答える。昔、工事現場でバイトをしていたことがあるそうだ。今回はスジナシの設定として工事現場に立っている。どのようなドラマが出来上がるのか。スタートは二人とも奥から入ってくる。

二人は一緒に入ってくる。鶴瓶は「木村はまだ来てないのか?」と仕掛けると、高橋は「今日は休むって言ってましたよ」と答える。両者ともここで働いているようだ。高橋は一昨日来たばかりの新人で、木村は高橋の先輩になるようだ。高橋は「もう作業始めてもいいんですかね?」とやる気満々だが、鶴瓶は「俺が指示するからちょっと待って」とどこかへ電話をする。高橋は「ガチ袋どこっすか?」と一刻も早く作業を始めたいようだ。鶴瓶は「渡さんかったっけ?」と言うが、実はこの時『ガチ袋』が何かを分かっていなかったようだ。ガチ袋とは工具などを入れて、腰の周りに巻くカバンのようなもの。鶴瓶は何も分からず「どこやっけ?」と適当に探す。高橋は工事現場でバイトをしていた時の知識をみせた。しかし、結局ガチ袋は見つからず。

高橋は派遣社員として、この工事現場にいた。普段の生活について聞かれると、高橋は「夢追い人っす」と笑顔で答える。鶴瓶は「ここに来るやつは何やってるか分からんやつが多いねん」と馬鹿にした感じだ。そして、再び話は先輩である木村の事へと戻る。木村も素性が良く分からない男で、鶴瓶は木村がこのまま居なくなると踏んでいた。鶴瓶は「木村に金貸してないよな?」と聞くが、高橋は既に貸してしまっていた。それを聞いた鶴瓶は「そういうところが甘いねん!!」と高橋を叱る。2000円ではあるが、高橋は出会って間もない人にお金を貸していた。

少し前、鶴瓶のところに警察が来ていた。コンビニの監視カメラに、お金を引き出す木村の姿。木村は警察に追われていたのだ。しかしその隣に移っていたのは、高橋に似た人物。鶴瓶は「あれはお前か?」と問う。高橋も木村と共犯であったのか。それに対し高橋は「それは確実に俺だったんですか!?」と大声で叫ぶ。鶴瓶は「警察に言われて・・・」と申し訳なさそうだが、高橋は「警察に言われたら何でも信じるんですか!?」とすごい剣幕で怒鳴る。高橋は、疑われたことが本当に悔しかったようだ。その姿を見て、鶴瓶は高橋を信じる。

鶴瓶は「お前は夢追い人をやってたらええ」と言葉をかける。すると、高橋は「毎日同じことの繰り返しで・・・僕芝居やりたいんすけど・・・」と悩みを打ち明ける。毎日バイトをして、ご飯を食べ、風呂に入り、疲れて寝る。この繰り返しである生活に、高橋は嫌気が差していた。芝居がやりたいのに、毎日が同じサイクルで回っていて、やりたいことができていない。高橋の目にはうっすら涙が浮かんでいた。

その話を聞いた鶴瓶は、実は同じような経験をしていた。鶴瓶は「劇団を立ち上げたが、飯が食えなくなって帰ってきた」と暴露する。高橋は興味があるようで、劇団の名前を聞く。鶴瓶が立ち上げた劇団の名前は『119』。その名前を聞くと、高橋は「えっ・・・」と驚いた顔をする。高橋はその劇団を知っていた。高橋が特徴を述べていくと、その劇団で間違いがないようだ。高橋が芝居を始めたのは、その劇団の公演を見たから。高橋はとても嬉しそうな顔で話をしている。鶴瓶にとっても、もはや高橋は他人ではない。鶴瓶は「やれ!!俺が叶えられんかった夢を叶えてくれ!!」と想いを託す。高橋は先ほどが嘘のように、たくましい顔つきで頷く。ここで中井さんのOKコール。

急に劇団名を振られた鶴瓶さんであったが、ドラマの内容が素晴らしいものだっただけに少し悩んだようだ。『119』とは119番からとったそう。つまり、悩んだ鶴瓶さんの「助けて!!」というサインだったのだ。即興ドラマで登場する言葉には、演者の気持ちなどが特に反映されている。そんな事を考えてスジナシを見ると、違った楽しみ方が出来るのかもしれない。

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