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始まりはオルガン奏者だった。野球選手登場曲の歴史

始まりはオルガン奏者だった。野球選手登場曲の歴史

野球場で選手が登場する際に流れる登場曲。音楽と共に打席やマウンドに向かう選手を見ると、試合に対する期待や興奮が一層高まるもの。さらにこの登場曲には各選手ごとの特色が表れており、試合には欠かせないファンの楽しみのひとつでもあります。8月22日放送のCBCラジオ『石塚元章 ニュースマン!!』では、そんな野球の登場曲について掘り下げました。いつから、どんなきっかけで始まったのか、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、登場曲の歴史を紐解きます。

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地元愛知の野球スター

トークのきっかけとなったのは、石塚が注目しているという、メジャーリーグで活躍中のあの選手。

石塚「ニューヨーク・メッツというチームに、愛知県出身の千賀滉大さんという選手がいらっしゃいますよね」

千賀滉大選手は、愛知県蒲郡市出身のプロ野球選手です。2010年に育成選手として福岡ソフトバンクホークスに入団し、圧倒的な活躍を残しました。その後2022年にニューヨーク・メッツへ移籍しています。

石塚「育成枠だったのにメジャーに行ったのは初めてのはずですから。地元出身ということもあって、僕はずっと応援しているんです」

育成契約出身の選手が直接メジャーへ移籍するのは史上初の快挙で、非常に注目を集めている選手です。しかしそんな千賀選手ですが、今シーズンは少々調子が悪かったとか。

石塚「でも最近中継ぎから抑えで投げるようにしたら、すごく調子がよくなって。4試合連続セーブもしているんです」

勢いを取り戻し、チームの中で存在感を高めているという千賀選手。球団からもファンからも「新守護神」として再評価を受けているようです。

登場演出を一新

そんな千賀選手、最近新しい入場演出を公開したことが話題を呼んでいます。

石塚「登場曲を変えました。ブルペンからマウンドに出てくるときに音楽がかかるんですが、それがアメリカで評判になっているんです」

その曲は、マイケル・ジャクソンの名曲『Beat It』。会場を包む音楽とビジョンに映し出されたPVとともに堂々と登場した千賀選手に、大きな歓声が上がったとか。

石塚「これがものすごく恰好いいんですよね」

これまでは千賀選手の決め球である「オバケフォーク」にかけて、映画『ゴーストバスターズ』のテーマ曲が登場曲でした。それが今回新たに『Beat It』に変更されたこと、そして最近の千賀選手の活躍も相まって、現地メディアやファンの間で大きな盛り上がりを見せているようです。

登場曲のルーツ

石塚「こんな風に、野球選手ってみんな登場曲が決まっていますよね。日本の選手も、自分たちに合った曲を自分で決めています」

それぞれの個性や好きなもの、アイデンティティなどと絡めて選手が自分で選ぶ登場曲は、ファンにとっては試合を盛り上げる大きな要素のひとつであり、野球観戦には欠かせない文化となっています。 

この選手登場時に音楽をかける文化は一体いつから始まったのでしょう?

石塚「最初は1970年代のアメリカ・メジャーリーグ、シカゴ・ホワイトソックスというチームです」

当時は球団で専属のオルガン奏者を雇っており、試合前やイニング間に曲を演奏することで会場を盛り上げたり応援をしたりしていました。
そんなシカゴ・ホワイトソックスお抱えのオルガン奏者のひとりが、ナンシー・ファウストさん。彼女が選手登場曲のルーツを生み出した人物なのです。

アレンジが大好評

石塚「この方が、ただ普通に球団の曲を弾いてるだけでは面白くないからと、アレンジを加え始めました」

決められた曲を弾くだけでなく、独自の選曲で選手のキャラクターや戦況に合わせた曲を弾き始めたとか。彼女の即興演奏は試合を大いに盛り上げ、ファンを楽しませ、一躍大人気となったそう。

石塚「さらに選手もすごく喜んじゃって。みんなが『僕の時はあれを弾いて』って言い始めたみたいで」

こうして選手たちが曲のリクエストをし始めたのがきっかけとなり、現在の選手登場曲という発想へと変化していったようです。
ちなみに日本では1990年代頃から導入されたと言われています。最初に取り入れたチームはオリックス・ブルーウェーブですが、球団が選手それぞれの曲を決めるスタイルでした。

石塚「今では選手それぞれが自分の曲を選ぶのが当たり前になってきていますね」

選手とファン、チームと会場の心を音楽の力でひとつにする登場曲。その始まりは、ひとりのオルガン奏者の粋な思いつきだったのでした。
(吉村)
 

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