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名古屋「自動車図書館」70周年。年間1,000箇所を巡回

名古屋「自動車図書館」70周年。年間1,000箇所を巡回

名古屋市で長年続く「自動車図書館」。この取り組みが、今年で運行開始から70周年を迎えました。4月15日の『CBCラジオ #プラス!』ではその歴史や魅力、現在の利用状況について、レポートキャストの南波星那が鶴舞中央図書館の司書に取材しました。聞き手は永岡歩アナウンサーです。

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一時廃止の検討あったものの

本をたくさん積んだ車が町の中を巡回する、いわゆる動く図書館である自動車図書館。
利用者が図書館へ足を運ぶのではなく、図書館の方から市民の生活の近くまで来てくれるサービスである点が特徴です。

永岡「近所まで来てくれて、また次来た時に返すみたいなね」

この取り組みは、名古屋市内の図書館がまだ少なかった時代に、図書館から離れた地域に住む人々にも読書の機会を届けたいという思いからスタートしました。
現在では市内に多くの図書館が整備されていますが、それでもなお自動車図書館は存続しています。

一時は廃止の検討もあったものの、市民からの「続けてほしい」という声が多く寄せられたことが大きな理由です。特に高齢者からは、移動手段の制約から図書館へ通うことが難しくなった今、「自動車図書館を続けてほしい」という切実な声が届いているといいます。 

長年支持される理由

現在の主な利用者層について南波は、高齢者や赤ちゃん連れの保護者が多いと紹介します。
建物の図書館と違い、屋外で開放的な空間であるため、「静かにしなければいけない」というプレッシャーが少なく、気軽に利用できるのが大きな魅力です。

特に子育て世代にとっては、こどもが泣いたり声を出したりしても周囲を過度に気にする必要がなく、安心して本を選べる環境となっています。

また、自動車図書館は単なる本の貸し出しの場にとどまらず、人と人との交流の場としても機能しています。
利用者同士でおすすめの本を紹介し合うなど、「この本いいよ」といった会話が自然に生まれる雰囲気があり、地域コミュニティのつながりを育む役割も担っています。

巡回場所は年間1,000!

自動車図書館は火曜日から土曜日までほぼ毎日稼働し、公園や小学校、寺院、神社など市内各地を巡回しています。年間の稼働日は約230日、巡回回数はおよそ1,000回にのぼり、1日あたり複数か所を回るスケジュールです。

永岡「1日3~4か所行くことがあるってこと!?」

南波「だいたい午前中1箇所、午後1~2箇所で、ほぼ毎日稼働して1,000回に到達するそうです」

車両はトラックを改造したもので、側面が大きく開いて屋根になる構造が特徴です。中には車内に入れるタイプもあり、ベンチに座って本を読むこともできるなど、外で楽しむ図書館という独自の体験が提供されています。
天候に左右されにくく、雨の日でも安心して利用できる工夫がされているようです。

利用者の要望に応える

蔵書は1台あたり約1,000冊で、料理や旅行といった実用書から小説、こども向けの絵本や図鑑まで幅広く揃っています。さらに紙芝居やCD、大型活字本など、多様なニーズに応えるラインナップを用意。

特にこども向けの本は流行の移り変わりが早いため、利用者との会話を通じてニーズを把握し、次回の巡回時に反映させる工夫も行なわれています。

南波「『これが読みたかったのに乗ってなかった!』というのをなくせるように、そういった会話もすごく大切にしているということでした」

永岡「その辺も図書館と違うね。図書館は借りられる状況で本の数増やしたりするけど、現地のこども達の声を聞いて持っていくものを考える」

加えて、すべての本を車に乗せることはできないため、予約サービスも重要な役割を果たしています。
電話やインターネット、現地での予約カードを通じて「次回ここに来るときに持ってきてほしい」と依頼することが可能で、利用者一人ひとりの要望にきめ細かく応えています。

70周年という節目を迎えた今もなお、多くの市民に親しまれている自動車図書館。
時代とともに形を変えながらも、「本を届ける」という原点を大切にし続けるこの取り組みは、これからも地域の中で欠かせない存在であり続けそうです。
(ランチョンマット先輩)
 

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